2017年6月定例県議会 報告 その1

一、6月議会の概要 

 6月県議会は、6月7日に開会し、17日間の日程で、6月23日に閉会しました。
 先の臨時議会では、わが会派の守谷正人徹議員が第79代副議長に就任しました。

 今議会では、予算案の提出はなく条例6件、専決処分2件、契約4件、人事4件、その他3件の合計19件の議案が提出されました。主な提出条例は、①「福岡県税条例の一部を改正する条例」、その内容はエコカー減税の見直し、小中学校等教職員の給与負担の両政令市への移譲による個人住民税の税源移譲です。②「福岡県地域医療医師奨学金貸与条例の一部を改正する条例」、その内容は地域医療の充実に必要な医師の確保を効果的に行うため、「福岡県地域医療医師奨学金」の貸与の資格を改めるものです。

代表質問は、2ヶ月前から会派の政策審議会で12回の審議を経て、6月13日に田辺一城議員(古賀市)が行いました。今回の質問に向け、会派として4月19日に、福岡市博多区の「福岡学習支援センター」を視察し、不登校や中途退学の高校生に対して、学習の場を提供し、学業の継続と在籍校への復帰支援の状況を知ることが出来ました。さらに、5月17日から19日にかけて、長野県と石川県を視察し、健康寿命延伸、定住促進、宅幼老所等の取り組みを見聞しました。

 これらを受け、わが会派の代表質問において、①本県の産業廃棄物行政、②福岡・北九州両空港の一体的運営、③有明海の開門問題、④学校法人の財務情報等の一般公開、⑤子どもの貧困対策の指標拡大、⑥タイ王国総領事館の誘致、そのほか本県の防災体制の強化、大規模盛土造成地の所在調査・マップの公表、地域共生型介護の推進について質しました。教育問題では、①本県の公立小中学校における正規教員の定数欠と常勤講師不足、②学習支援センターの利活用、並びに警察の不祥事問題を質しました。
 一般質問には会派から8人が登壇し、わが会派が提出した「公立小中学校等の学校給食の無償化を求める意見書」は、公明党との共同提案となりましたが、自民党が反対したため否決され、議会最終日には計19本の議案が採決され閉会しました
 わが会派の代表質問の概要と一般質問など、本議会の主な特徴は以下の通りです。

二、代表質問

◎県政推進の基本姿勢について

① 本県の産業廃棄物行政  (知事に質問)  ※翌日、新聞報道。

5月28日、嘉麻市にある産業廃棄物中間処理工場の敷地内に違法な過積みをした事業者で、3度目の火災が発生したが、なぜ搬入の停止や業の取り消しを行わなかったのか。

県は、2012年5月に過剰保管是正のため改善命令を発出、2014年5月に廃棄物の新たな搬入を停止する命令の手続きを開始。
 事業者は、廃棄物受入れ大幅抑制を内容とした誓約書を提出、搬入量も減少。2015年度から2016年度に、県の指導で事業者が処理能力を向上させ、新たにセメント会社と契約を結ぶ等、搬出促進の努力が見られ、その推移を見守っていた。
 しかし、過剰保管の改善が進まず、本年3月、命令の発出を検討しつつ、事業者に求めて開催させた住民説明会で、事業者が具体的な計画を示し、本年度中の改善を約束。この改善状況の履行確認及び指導を開始した矢先に今回の火災に至った。

事業者に対して、燃えガラや違法に積み上げられた廃棄物の撤去をどのように、いつまでに行わせるのか。

県は6月9日、専門家と立入検査を実施。この調査結果を踏まえ、今後、燃えガラや廃棄物のサンプリングを行い、その成分分析の上、廃棄物の搬出先や搬出の手順など具体的な撤去方法を決定。マニフェストや委託契約書による搬入・搬出先の確認等を行い、廃棄物撤去に向け、事業者への新たな改善命令や、排出事業者の処理責任の追及など様々な方策を速やかに検討する。

県内で同様の過積み施設はないのか、産業廃棄物中間処理施設の総点検を実行すべき。

県は、産業廃棄物処理施設に定期的な立入検査を行い、廃棄物の保管状況を把握。火災した施設は9日に立入検査を実施。専門家の防火対策の強化意見を踏まえ、県の許可の全中間処理業者に、改めて廃棄物保管状況の確認と防火対策の指導を行う。

産業廃棄物中間処理施設で大規模な火災事故に対し、廃棄物行政の許認可権者である知事の責任を問う。

事業者の過剰保管が、結果として火災事故を大きなものにし、嘉麻市民をはじめ地元の皆様が、不安な日々を送られていることについては、申し訳なく思っている。
 健康相談や地元医師会を通じた医療機関への受診状況は、そのほとんどが軽症であるとの報告。周辺環境の調査は、5月31日、嘉麻市と大気調査を実施、6月3日から、県の移動大気測定車を地元公民館に配置し、常時監視。今のところ有害物質は検出されず、特に異常な数値は認められない。
 地元の皆様の安全・安心を確保するため、引き続きこれらにしっかり取り組む。

行政代執行による県費のムダ使いという負のサイクルを断ち切る覚悟と、問題解決に対する決意は。

県は、全国初で安定型最終処分場を対象に掘削調査を実施、排出事業者から最終処分業者に至るまで、処理ルート全体を対象とした一斉立入検査を重点的に行う等、不適正処理の早期発見、早期対応に努めている。
 不適正処理が生じた場合、責任は実行行為者の事業者、廃棄物処理法に基づき、事業者に早急な改善を求める措置をとっている。産業廃棄物を自らの責任において適正処理する義務を有する排出事業者にも、改善を求めている。
 これらの取組みにより、不適正処理を見逃さない監視・指導体制を構築、その改善にあたって廃棄物処理法に基づくあらゆる手段を講じる。

◎県政推進の基本姿勢について

② 福岡・北九州両空港の一体的運営  (知事に質問)

福岡空港民間委託の募集要項・選定基準と、「福岡県の空港の将来構想」と比較しての評価について。

「福岡県の空港の将来構想」は、福岡空港と北米、アジア等を結ぶ戦略的な路線誘致に加え、県内二つの空港の役割分担と相互補完を進めることを目指し、国提出の意見書では、運営権者がこの将来構想の実現に協力することを求めた。先般公表の募集要項では、将来構想の実現に係る協力についての提案を義務付け、選定基準も、利用者数の増加など他空港と同様の視点に加え、新たに、「航空ネットワークの将来像」や「北九州空港との連携」といった審査項目が明確に盛り込まれており、将来構想の内容を踏まえていると評価している。

福岡・北九州両空港の民間委託による同一運営会社による一体的運営と、北九州空港の活性化について。

本県の発展のため、福岡空港と北九州空港の役割分担と相互補完を進め、今後とも増大し、多様化する福岡、九州への航空需要に幅広く応えていくことが重要。
 北九州空港は、24時間利用可能な特長を活かし、福岡空港で対応できない早朝・深夜便やLCCの誘致を進めることが必要。北九州空港への航空路線の誘致活動は、2016年度から3年間を「推進強化期間」と位置づけ、北九州市と連携して取組みを強化。昨年度は国際線3路線が就航し、利用者数も過去最高。
 今後、この国際線の定着を図り、現在運航中の国際チャーター便の定期便化、福岡空港の発着枠を超える就航希望会社の誘導により更なる路線誘致を実現し、北九州空港の活性化を図る。

③有明海の開門問題  (知事に質問)

諫早湾干拓の潮受け堤防の開門を命じる判決と、開門の差し止めを認める相反する司法判断について。

本県は、従来から有明海の環境変化の原因究明のための開門調査は必要と考えており、その実施にあたって不測の事態が生じないよう、国に十分な対策を講じつつ調査を行うよう求めてきた。この考えに変わりはない。
 引き続き、有明海の再生に取り組んでいき、国に有明海の再生対策の充実強化を求めていく。

開門調査について、どのように考えているのか。

開門調査は、調整池からの大量の排水による有明海の水質変化、特に、ノリ養殖をはじめ漁業への影響が考えられ、不測の事態を生じさせないことが重要。国には、十分な対策を講じつつ調査を行うよう、引き続き要請していく。

④学校法人の財務情報等の一般公開 (知事に質問)

私立小・中・高等学校等を設置する61の学校法人すべてが、財務情報等を一般公開すべき。

法令上は一般公開の義務はないが、県は、財務情報等の公開は公共性を持つ学校法人の財務内容の透明性や公正性を確保し、受験生や保護者などに、学校を選択する際の情報を提供する上で望ましいと考える。
 財務情報等の公開について、改めて5月31日に通知を発出、学校法人のホームページ等への財務情報等の掲載など積極的な取組みをお願いした。
 加えて、私学協会の総会においても、各法人の取組みを要請した。

私立幼稚園、専修・各種学校を設置する380の学校法人も財務情報等を一般公開すべき。

2017年4月現在、財務情報等を公表している学校法人は、380法人中46法人、このうち役員報酬総額まで公表している法人は7法人、役員報酬規程を公表している法人はない。
 県は、これらの学校法人に財務情報等を公開することは、望ましいと考える。公開に取り組むよう5月30日に通知、幼稚園振興協会、専修・各種学校協会の総会等において、各法人の取組みを要請。
 今後とも、各学校法人に対し、一層の財務情報等の公開について、経営者研修会など様々な機会をとらえ促す。

知事は国に対して、学校法人の財務情報等の一般公開を義務付けるよう、私立学校法の改正を求めていくべき。

今のところ国は法改正の動きがない。現行法で各学校法人に一層の情報公開を促す。

福岡県として、主体性を持った判断を国に求めていく姿勢が欠けている。もう一回検討すべき。

◎県政推進の基本姿勢について

⑤子どもの貧困対策の指標拡大  (知事に質問)

内閣府が、2年後、新たに8つの指標を大綱に加える方針を明らかにしたが、ただちに本県の子どもの貧困対策推進計画に指標として加えるべき。

県は、「子どもの貧困対策推進計画」を策定し、昨年度から貧困の解消に向け、25の指標を掲げ、生活保護世帯の子どもの高等学校等進学率など4つには数値目標を設定し、取り組んでいる。
 国は、大綱で定めた指標に加え、参考指標として新たに8つの指標を位置付けることとした。県も、国と同様、既存の指標を補完する指標として位置づけたい。
 8つの指標で、県の数値がある4つのうち、朝食欠食児童・生徒の割合は、小学校6年生が全国数値4.5%に対して県数値が6.3%、中学校3年生が全国数値6.6%に対して県数値が7.8%。ひとり親家庭で養育費の取決めをしている割合は、全国数値32.9%に対して県数値が32.1%。この2つの指標は、全国数値より低い水準。

「朝食欠食児童・生徒の割合」「ひとり親家庭で養育費の取り決めしている割合」の2つの指標が全国数値より低い水準。ただちに本県の計画において、数値目標を設定し、指標として取り入れるべき。

国の動向を踏まえ検討する。

国の大綱の見直しを待つことなく、本県の現状を捉えたうえで、本県の計画の見直しを検討するよう強く要請する。

⑥タイ王国総領事館の誘致 (知事に質問)

タイ王国総領事館の誘致に向けた県議会とタイ友好議員連盟の取り組みの評価について。

県議会は、バンコク都議会との友好提携に基づく交流の積み重ねや、人脈を活かし、タイ王国政府に対して様々な働きかけを行ってきた。議長、タイ友好議員連盟をはじめ県議会の皆様に感謝申し上げる。
 県も、これまでタイ王国政府や我が国外務省に対し、様々な形で総領事館設置を働きかけてきた。私も、先週、来日中のソムキット副首相と会い、先月の会談を踏まえ直接要請した。ソムキット副首相から「福岡県に総領事館を設置する方向で、関係省庁での検討と手続きを進めていきたい」との発言。県議会及び県によるこれらの働きかけにより、総領事館の設置に向けて大きく前進した。

EECへの対応を含めたタイとの経済交流の促進について

本県は、これまでもタイの中小企業経営者を招いた県内中小企業とのビジネスマッチングやタイへ中小企業を派遣する経済ミッションに取り組んできた。
 先週、タイ王国ソムキット副首相に会い、EECに関連して日本政府や経済界が現在検討しているタイへのミッション派遣に、福岡県の企業にも参加してほしいとの話があり、日本政府から情報収集しつつ、県内企業に対しミッションへの参加を呼び掛けていく旨お答えし、担当の経済産業省と話をしている。その成果等も踏まえ、本県独自のEECへのミッション派遣についても考える。

◎本県の防災体制の強化について  (知事に質問)

2012年の防災アセスメントから5年が経過し、この間、震度7以上の地震が2度生じた熊本地震、本県3ケ所の主要断層の追加といった状況の変化を踏まえ、改めて防災アセスメントを実施すべき。

大規模地震による被害状況を踏まえ、県は、これまで1997年度、2006年度、2011年度の3回実施。今年2月、国の地震調査研究推進本部が、主要活断層として県内3ヶ所の断層帯を追加指定。県は現在、専門家から意見を聴取する等、その内容について検証を行っている。
 昨年の熊本地震では、震度7の地震が続けて2回発生したが、現時点では国において、こうした大規模地震の連続発生に関する科学的知見に基づく災害想定の考え方が確立されていない。
 今後、追加指定された断層帯に関する検証や、国の防災基本計画における災害想定の考え方の変更により、防災アセスメントの見直しが必要となった場合、速やかに対応する。

熊本地震のどのような教訓をもとに、何に主眼を置いて新たな「福岡県災害時受援計画」を策定するのか。

県は昨年度、庁内にプロジェクトチームを設置、熊本地震の課題を抽出し、その具体的な対応策についてとりまとめた。
 受援に係る主な課題として、以下の点が明らかとなった。

  1. 被災市町村において、受援に必要な業務があらかじめ整理されておらず、支援職員の能力を十分に活用できなかった。
  2. 熊本県では物資集積拠点を1箇所しか指定しておらず、その拠点が被災したため、代替施設の確保に時間を要した。
  3. 物資の荷下ろしや仕分けに係るノウハウや人員が不足し、避難所への物資輸送に支障をきたした。

 県は、こうした課題を踏まえ、現在、「福岡県災害時受援計画」を策定中。策定にあたり、受援に必要な基本的な業務の整理、県内での複数箇所の物資輸送拠点及び県域を越えた広域的な物資輸送拠点の選定、物流事業者のノウハウを活用した搬送方法などをあらかじめ定める。

市町村の受援体制の構築をどのように促進し、市町村との役割分担や連携をどのように図っていくのか。

県は現在、「福岡県災害時受援計画」を策定中、この作業段階からの内容を市町村に提供し、市町村受援計画を策定するよう、市長会総会、副市町村長会議や防災関係課長会議において要請している。
 「福岡県災害時受援計画」策定後は、今年度から2年間、県内4地域で、県、市町村及び物流事業者等と合同で、避難所の状況把握、被害の情報収集・伝達などの受援に関する図上訓練を実施し、受援計画で定めた県と市町村との役割分担や連携を検証し、実行性を高める。

福岡県防災・行政情報通信ネットワーク再整備事業に入札参加業者の一部が、今年2月、談合により排除措置命令の処分があり、県は、この業者に対し指名停止措置を行った。入札再開のめどについて。

当初、昨年7月に工事の入札を公告し、10月に開札する予定だった。しかし、
 本年2月、公正取引委員会から5社に対し、排除措置命令の処分がなされ、県は該当する業者について指名停止措置を行った。その後、本年3月の熊本地震検討プロジェクトチームの検討結果を踏まえ、防災危機管理局の本庁舎3階への移転や設備の拡充など、防災・危機管理体制の一層の強化を図ることとした。
 これに伴い、ネットワーク再整備事業の大幅な設計見直しを行う必要が生じ、入札を中止。現在、設計の見直し中、完了し次第、速やかに入札手続きを開始。
 業者選定は、「総合評価方式」を用いた一般競争入札により行う。業者が、入札参加申込み時点で参加条件を満たしていることを確認し、入札価格及び技術力を総合的に評価し、適正な業者を決定。

◎大規模盛土造成地の所在調査・マップの公表  (知事に質問)

本県はなぜ、10年間も大規模盛土造成地の所在調査に着手しなかったのか。

国は2006年の宅地造成等規制法の改正に合わせ、大規模な盛土造成地の把握とその危険性の確認を実施するよう地方公共団体に通知。しかし、2007年のガイドラインでは、盛土造成地を「宅地ハザードマップ」として公表するとしたため、風評被害や地価の下落が懸念され、全盛土造成地の危険性の確認を行うとなっていたため、その調査費用の負担も課題となっていた。
 その結果、一部の団体しか着手しなかったため、国は2012年にガイドラインを改訂、危険性とは無関係に単に造成地の所在を明確にするため、「宅地ハザードマップ」を「大規模盛土造成地マップ」に改称。危険性の確認も、擁壁の異常や地盤の亀裂などにより、確認が必要な調査箇所を絞り込むことができることとした。
 この国の動きを踏まえ、調査に慎重であった地方公共団体も実施に向け動きを始め、本県も、昨年度、予備調査を行った。

市町村単独でも大規模盛土造成地の所在調査の実施が可能であったにもかかわらず、いずれの市町村もこの所在調査に着手していないのはなぜなのか。本県は、この所在調査を行うよう県内市町村に何らかの働きかけを行ったのか。

県は2007年度から、県内の市町村との会議で、大規模盛土造成地の所在調査・マップの公表に関し、その調査の目的や必要性のほか、国の支援制度やガイドラインについて説明し、その中で、市町村が独自に調査を実施できることも説明。
 しかし、市町村も県と同様の懸念があり、着手する市町村は無かった。

どのような計画と手順で、大規模盛土造成地の所在調査を行い、マップを公表するのか。

県は昨年度、造成地の概略の位置と規模を把握する予備調査を実施し、今年度から2020年度まで4年間かけ本調査を行う。この調査は、地形図や航空写真の現在と過去の比較により盛土の範囲を推定し、現地で確認するという手順で行い、市町村単位でマップを作成していく。
 このマップは、住民の宅地被害に対する関心を高め、万が一の被害の防止や軽減につながるよう作成するもので、公表は、住民が日頃からの宅地の点検に活用されるよう、市町村と連携し効果的な周知・広報を継続して行う。

本県が、大規模盛土造成地の所在調査に、なぜ10年もの遅れをとったのかを検証し反省し、強い防災意識と危機管理意識を持って、迅速に防災関連施策を実施していくべき。昨年度から始めた事業は、4年間もかかるが、遅れを取り戻すため、期間を短縮できるよう全力を尽くすべき。

※知事は、同じ答弁の説明に終始し、4年間の事業期間は着実に進めるための期間との説明を行った。

◎地域共生型介護の推進について  (知事に質問)

2012年2月議会の田辺議員の質問に対して、宅老所に関する調査をし、研究会で今後の県の支援のあり方検討すると答弁した、その調査結果と結論について。

県は2012年度、県内の宅老所及び市町村に対するアンケート調査を実施。宅老所事業者、市町村職員などで構成する「宅老所のあり方等に関する研究会」を設置。宅老所の現状と課題の把握、行政の支援について検討を行った結果、

  1. 県内宅老所の9割は、介護保険サービスの指定を受けた通所介護事業を行いながら、介護保険サービス以外の自主的なサービスとして、「食事の提供」、「宿泊」などを提供、
  2. 経営実態として、収入は介護保険サービスが平均85%を占め、収支は7割の宅老所が黒字決算、
  3. スプリンクラー等の防災設備が整備されていないものが多く、防災面で不安、
  4. 行政に関与されるよりも、できる限り自由な運営を行いたいという意向が強い、ことが判った。

 研究会において、行政の支援は、経営に対する支援よりも、「利用者やその家族の安全・安心確保の防災設備の整備に対する支援等を行うことが望ましい」との結論に至り、県は2012年度から先行開始した防災設備等の整備に対する補助について、スプリンクラー整備を補助対象に追加するなど拡充し、宅老所の設備整備のニーズに合わせて27年度まで実施。

宅老所の機能に対する県民のニーズに対する知事の見解と、県独自の宅老所支援制度を創設すべき、その考えは。

通所を中心に、宿泊・訪問を組み合わせて提供するサービスや機能は、介護が必要となっても在宅生活を継続するために必要。宅老所をモデルとして、介護保険制度の中で「小規模多機能型居宅介護事業所」ができている。
 県は、市町村が地域の高齢者のニーズを踏まえて策定した計画に基づき、この小規模多機能型居宅介護事業所を整備できるよう、福岡県地域医療介護総合確保基金を活用し、財政的な支援を行っている。その結果、事業所数は2009年4月の102か所から、本年4月には271か所へと増加。引き続き、高齢者とその家族が安心して利用できる介護基盤の整備に努める。

宅老所に対して、柔軟に、行政が過度に関わらない形で、支援をしていくことこそ、地方行政や知事の責任、何もしなくていいということがいいことではない。

◎教育問題について  (知事に質問)  ※翌日、新聞報道。

県教育委員会は、公立小・中学校の正規教員の割合を、昨年度の86.3%、全ワースト2位から、今後、なるべく早い時期に、正規教員の割合が全国下位である状況を改善するため、正規教員の計画的な採用に努めていくことを打ち出している。
 そこで、

①本県の公立小中学校における正規教員の定数欠と常勤講師不足

本県の公立小中学校の常勤講師が不足している状況について。

今年度の入学式の時点で、小学校60校で75人、中学校8校で8人、6月7日現在では、小学校40校で46人、中学校5校で5人の常勤講師が不足

常勤講師が不足している状況が常態化している現状の認識と責任について。

常勤講師不足の背景は、近年の採用者数の急激な増加や、教員定数の増加に対し、教員志望者数が増加していないこと。
 教員を目指す学生対象の教員養成セミナーを開催し、教員志望者が増える取り組みや、市町村教育委員会と協力して講師を早期に確保する取り組みを行ってきたが、結果的に今年度も講師が不足し、学校現場に負担をかけていることは、人的な条件整備を担う県教育委員会として責任を感じている。

本県の正規教員を高める計画を実現するためには、正規教員の採用者数を随時見直すべき。

毎年度の採用者数は、退職者数や再任用者数の推移、児童生徒数・特別支援学級を含む学級数の増減、国の教員定数の動向を総合的に勘案し決定し、50歳以上の早期退職者及び45歳未満の若年退職者は、過去の実績を勘案し推計。
 今後も、より精度の高い推計に努め、正規教員の増員計画を随時見直す。

 来年度の採用予定者数は今年度から115人増員し、850人。受験資格年齢の緩和、現職教員の採用試験の改善、他県現職教員を対象とした関東地区での試験を実施。民間企業勤務経験者に対する採用試験の改善、意欲ある退職者の活用などの検討を行い、教員志望者の層の拡大を図る方策を講じる。

②学習支援センターの利活用

学習支援センターは、不登校や中途退学の高校生に対して、学習の場を提供し、学業の継続と在籍校への復帰を支援することを目的としているが、その評価は。(知事に質問)

県内私立高校生の不登校・中途退学防止を目的とし、私学団体が設置し福岡市、北九州市、飯塚市、久留米市の県内4箇所で運営。県は、その経費の一部を助成。
 2016年度は、146名の生徒がこのセンターを利用、その9割以上が在籍校への復帰や、他校への転学等により学業の継続が図られている。

 私立高校の中途退学率は、センター設立前の2006年度の3.5%から、直近2015年度には1.5%と大きく減少。本県私立高校の不登校、中途退学防止に大きな役割を果たしていると評価。

県立高校の不登校の生徒や中途退学のおそれのある生徒に対する支援は。(教育長に質問)

スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、訪問相談員などの専門家を配置し、教職員が連携し、きめ細かな個別指導や教育相談を実施。この結果、近年不登校生徒数や不登校生徒の学校への復帰率の改善が進んでいる。
 学校外の公的機関や民間施設で不登校生徒が相談・指導を受ける場合、一定の要件の下で、在籍校の出席扱いにしたり、単位として認めることができる旨を県立学校長宛へ通知。特に、学習支援センターは、その実績や指導体制に鑑み、出席扱いや単位認定等を行う際、県教育委員会への事前協議を不要としている。

県教育委員会と支援センターとの包括的な協定を締結すべき。(教育長に質問)

県立高校の不登校生徒の中には、在籍校の支援を受けながらも、不登校から復帰できない場合もある。そうした生徒には、学業の継続や社会的自立に向けて、学習支援センターの役割は大いに期待できる。
 現在、県立高校生の同センターの利用者は毎年数名程度、今後、センターと連携した支援実践例を紹介し、県教育委員会との協定の締結をはじめ、連携を強化するための協議を進める。

◎その他、県政一般について

1.警察問題  (警察本部長に質問) ※新聞報道

本県警察官による連続する不祥事問題について、県民の信頼回復と再発防止に向けた認識と、二度とこのような事件が起きないよう、警察本部長の決意を聞く。

6月8日、警察本部に勤務する巡査部長を、自身の妻に対する殺人の容疑で逮捕。
 本県警察官が、重大な事件で逮捕されたことは痛恨の極み、県民の皆様に深くお詫びを申し上げる。県警察は、6月8日、緊急の本部長通達を発出、全職員に対し、職員が自らの職務を全うし、成果を上げ、県民の皆様の信頼を得るよう指示した。
 今後は、事件の全容解明に向けた捜査を徹底し、全ての職員が非違事案を起こさないよう強い決意を持ち、警察職員としての誇りと県民のために尽くすというひたむきな使命感を肝に銘じ、県民の皆様の信頼回復と再発防止に努めて参る所存。

三、一般質問 (8人) 

○渡辺 議員
  ・種子法廃止にともなう本県の対応について
○原中 議員
  ・警固断層南東部地震の発生に対する本県の対策について
  ・本県のストレスチェックの実施について
○佐々木 允 議員
  ・地域公共交通活性化に向けた諸施策について
  ・県立高校における修学旅行のあり方について
○堤 議員
  ・子どもたちの歯と口の健康づくりについて 
○大田 議員
  ・学校現場における「性に関する学習指導の在り方」について
  ・健康づくりの増進について
○中村 議員
  ・2050年に向けた本県農政の課題について
○野田 議員
  ・本県の男女共同参加推進について   
  ・本県の女性警察官の増員について
○川﨑 議員
  ・玄海原発再稼働に対する知事の対応について 

四、採択された意見書 (民進党・県政クラブ県議団を含む4会派の共同提案)

○「中山間地域等直接支払制度」に関する意見書
○無料公衆無線LAN(Wi-Fi)環境の整備促進を求める意見書
○熊本地震を踏まえた被災者支援に関する意見書

五、その他

 6月15日未明、「共謀罪法」が、参議院で政府与党の強引な国会運営により、委員会審議を省略し、「中間報告」という禁じ手により強行採決されました。
 わが会派は、同日、この暴挙を断じて許さず、共謀罪法の成立に断固反対し、この法律の廃止を求め、今後も行動する声明発表しました。


民主県政クラブ県議団とは

立憲民主党14名、国民民主党2名、社民党1名、無所属3名で構成する総勢20名が所属する会派です。

県議会の会派の中で最も女性議員が多く、8名の女性議員が活躍しています。

第2会派として、格差をなくし誰もが活躍できる社会・ジェンダー平等社会の実現のため、地域の皆様のお声を最大限県政に反映できるよう一丸となり取り組んでおります。活動の内容をこのホームページで随時ご紹介していきます。

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