2015年6月定例県議会 報告 その1

一、6月議会の概要(吉村会長の代表質問、人事、意見書など)

6月定例県議会は6月17日に開会し、28日間の日程で、7月14日に閉会しました。先の統一地方選挙で45選挙区から86人の県会議員が選ばれました。民主党県政クラブ県議団は新旧の入れ替えはあったものの、22名の現状の議席を確保することが出来、そのうち新人5名、女性議員は4名となりました。

先の臨時議会において、我が会派の原竹議員が第77代副議長に就任しました。

知事2期目の初めての当初予算は、予算案の提案が20件、条例12件、契約10件、経費負担3件、人事3件、専決処分1件、その他1件、合計50件の議案の提案がありました。

当初予算の一般会計歳入歳出規模は、前年比6.3%増の過去最大1兆7,770億円となりました。これは、地方消費税率引き上げの平年度化や法人2税が堅調であることや、県税収入が前年比25.8%増の8.049億円となったためです。主な事業は、雇用創出策として本社機能移転を目指す企業誘致関連で4,530万円、豪雨などの河川・砂防災害関連に67億円、福岡空港の滑走路増設に向けた負担金15億4,000万円、老朽化した県立美術館施設整備の検討費として240万円、我が会派の質問により、24時間態勢で性犯罪被害者から電話相談や警察・医療機関への付き添い対応などの運営委託費として2,200万円が計上されました。

代表質問は、2ヶ月前から会派の政策審議会で10回の審議を経て、6月24日に会長に再任された吉村敏男議員(飯塚市・嘉穂郡選挙区)が行いました。今回の質問に向け、会派として5月19・20日の2日間、明治日本の世界遺産候補である大牟田市の三池港閘門、宮原坑跡、北九州市の八幡製鉄所本事務所、中間市の遠賀川ポンプを視察しました。

これらを受け、我が会派の主な代表質問は、県政推進の基本姿勢として知事の1期目の県政運営と自己評価、2期目の重点施策、県財政の現状認識と財政改革推進プランのあり方、男女共同参画社会の実現、明治日本の産業革命遺産、スポーツ庁の設置と本県の対応を知事に質しました。その他、本県の労働環境改善に向けた取り組み、農地バンク事業を知事に質し、知事と教育長には教育委員会制度改革と本年度予算、全国学力テストを、警察本部長には特殊詐欺撲滅について質問しました。

意見書では、我が会派は「解釈改憲による新安保法制の撤回を求める意見書」を提出したものの、自民党県議団など3会派で共同提出している安全保障関連法案に賛成する意見書案が可決された時の影響が大きいとの判断から、意見書を取り下げ、同時に自民党県議団の意見書成立阻止をめざし、その結果、両意見書案は採決に付されませんでした。我が会派は今後、国会での自民党の強行採決などの出方次第で対応することを、確認しました。

これらの経緯を踏まえ、議会開催中の7月5日には、我が会派が質問した明治日本の産業革命遺産がユネスコの世界遺産に登録され、議会最終日には当初予算案や、退任する海老井副知事の後任を大曲前新社会推進部長とする人事案等、計50議案、意見書3件、特別決議6件を可決・採択し閉会しました。

二、民主党県政クラブ県議団の代表質問と概要

民主党県政クラブ県議団の代表質問、並びに知事、教育長と警察本部長の答弁の概要は、以下の通りです。

◎県政推進の基本姿勢について(知事へ質問)

1.2期目の県政運営

1期4年間の自己評価について
県民幸福度日本一の福岡県を目指し、県民生活の「安定」「安全」「安心」の向上に全力で取り組んできた。会派指摘の子どもの学力・体力、性犯罪件数、飲酒運転事故件数、ガン死亡率などについて引き続き改善に向け対策を強化する。

1期目の小川県政について
①前県政の基盤に立ち、さらに発展②時代の変化と新しい課題に対応し、新たな視点から施策を思い切って見直すこの両面から県政運営を進めてきた。
「現場主義」「生活者の視点」「温かみのある行政」が県政運営の基本姿勢、様々な施策とその具体的な効果を県民が評価し、小川カラーが出てくる。

2期目の重点施策について
2期目は、①景気の回復と魅力ある雇用の場の創出、②出会い、結婚、子育て、就職の支援、③女性や高齢者の活躍の応援、④たくましいグローバルな人材の育成、⑤安心して生活できる共助社会の実現、⑥安全・安心、災害に強い県づくり、の6つを重点施策に掲げ、具体化し前進させる。
特に、景気回復と雇用の場の創出は最重要課題。若者が地域で職を得、長く暮らしていけるようにしなければならない。景気をしっかりと回復させ、雇用の場を一つでも多く作ることに全力で取り組む。

2.県財政の現状認識と財政改革推進プラン

財政調整等三基金の取崩しについて
当初予算の歳入は、県税等で前年度比1,652億円の収入増、それに伴う地方交付税等の302億円の減収等により、トータルで1,012億円の増収が見込まれる。
歳出は、地方消費税の増収に伴う市町村交付金等の1,133億円の増加、社会保障費の131億円の増加等により、トータルで前年度比1,052億円の増加が見込まれる。
この結果、40億円の財源不足が生じ三基金を取り崩し収支の均衡を図った。

財政改革推進プランの見直し・廃止について
通常債残高のプラン目標は、1年前倒しで達成見込みだが、「財政調整等三基金の取崩しに頼らない財政運営を実現する」という目標は、40億円を取り崩すという未達成の状況。プランの見直しに関しては、国が策定する「経済・財政再生計画(仮称)」の動向も踏まえ検討する。
※ 決算時、三基金を取り崩す必要がなかったことが、過去2年間と同様に分かった時、知事に再度、財政改革推進プランの見直し・廃止について言及すると指摘した。

臨時財政対策債の見通しとその返済について  ※翌日、本県の財政危機と新聞報道
臨時財政対策債は、今後も平成26年度決算見込額と同額を発行せざるを得ないと仮定し試算を行うと、返済総額と交付税算入総額の差が最大となる時期は平成35年度、発行総額が2兆5,000億円程度、差額は926億円程度と見込まれる。
試算額である平成35年度で最大926億円の差額も、平成36年度以降、年平均40億円程度を23年間積立て返済していく。

3.男女共同参画社会の実現

「第3次福岡県男女共同参画計画」の進捗状況をどのように評価しているのか
「子育て応援宣言企業」は、昨年度5千社を超え、登録企業の育休取得率は96.2%、全国平均の91.1%と比較して高い。県内企業の女性管理職の割合は、15.1%から17.2%と拡大。
第3次計画で明らかになった課題を踏まえ、幅広い分野で女性がもっと活躍できるよう、実効性ある第4次計画を策定する。

4.明治日本の産業革命遺産

「明治日本の産業革命遺産」の保存と活用について
遺産の活用は、県及び北九州市、大牟田市、中間市の関係3市により設置する「世界遺産登録連絡会議」において、非公開施設の扱いも協議を行っている。要する経費の1/2は、連絡会議に負担金として県が支援。今後も、協議会等を通じ関係自治体、所有者と連携し、遺産の保存と活用に取り組む。

推薦から外れた資産及びその他の資産の保存と活用について
 国の指定や登録、県の指定、市町の指定の措置を講じて、適切な管理・保存に努めている。これらの資産は、「明治日本の産業革命遺産」と密接に関連した貴重な資産、今回、世界文化遺産登録が期待される資産と同様、重要な観光資源である。

囚人労働や三池争議などの歴史を後世に伝えていくことについて
筑豊・三池の石炭産業、北九州の製鉄業は、我が国の近代化や戦後の復興を支えた輝かしい歴史がある。一方、囚人労働、朝鮮半島出身の旧民間徴用工、悲惨な炭鉱事故、日本最大の労働争議である三池争議などの過去を有していることも事実。こうした歴史的な事実は、後世にきちんと語り継ぐことが大切。

5.スポーツ庁の設置(10月1日)と本県の対応

本県の関係部局を再編整備し、窓口一本化について
スポーツ基本法の制定を受け、2013年度からスポーツの総合企画・調整機能を新社会推進部に持たせ、教育庁を含め関係部局と連携。
障害者スポーツの分野は、健常者や障害者の区別なく、一体的にスポーツの振興を図るため、関連施策の所管を一本化する方向で、検討を進める。

◎本県の労働環境改善に向けた取り組みについて (知事へ質問)

本県の労働環境についての認識と、これまでの労働行政の対策効果について
県内4か所の労働者支援事務所で、相談件数は年間1万件を超える水準で推移。近年のセクハラ、パワハラ等の職場の人間関係に関する問題が顕在化、加えて長時間労働や非正規雇用労働者といった問題が、なかなか改善しないため。
本年度から新たに「正規雇用促進企業支援センター」を設置し、企業に専門のアドバイザーによる人材採用・定着支援を行い、希望者の正規雇用への転換と非正規雇用の処遇改善も図り、労働環境の改善を図っていく考え。

本県の過労死防止対策について
「過労死等防止対策推進法」の昨年成立を受け、福岡労働局と連携し効率的な働き方による時間外労働の削減や休暇の取得促進について、労使団体や企業トップへの働きかけを行い、本年3月「働き方改革」に向け共同宣言も行った。

政府が現国会に提出している高度プロフェッショナル制度について
長時間労働が助長するといった懸念の声もある。国会で、対象となる労働者の範囲が適切であるか、対象者の健康確保措置といった労働者保護のための対策が取られているか等、十分な審議がなされるべき。
労働者派遣法の改正案の問題点について
派遣の常態化もあり得るのではないか、期間制限がなかった専門26業種について雇止めが発生することもあるのではないか、といった懸念の声もある。このことから、派遣期間終了後の派遣労働者の雇用安定措置が適切にとられることが重要。
県は、同法案の成否にかかわらず、希望者の正規雇用の促進に取り組む。

福岡市国家戦略特区に係る進捗状況と本県の労働行政は反映されているのか
特区内の創業直後の企業や外国企業等への、雇用ルールの周知徹底と紛争の未然防止等を目的とする「雇用労働相談センター」が、昨年11月に設置されている。
労使紛争の未然防止というセンターの目的が果たされるよう、設置までの間、様々な機会を捉えて、県として国や市などの関係者に対して、相談対応は労使双方にとって公平・公正に行われるべきといった県の考えを申し入れている。
今後とも、必要に応じて国や市などの関係者と協議を行い、労使紛争の未然防止を図ると共に、個別紛争が生じた場合には、県が設置する労働者支援事務所において労働相談に応じていく。

◎教育問題について

1.教育委員会制度改革と本年度予算

知事の教育理念と教育大綱の策定時期について (知事へ質問)
教育は国の根幹。子どもは次代の福岡県、日本の国を担う大切な宝。
本県では、「学力」、「体力」は残念ながら全国平均を下回っている。
「新しい人材育成策」を、県総合教育会議で策定する大綱としても位置づけたい、策定時期は、年内。

教育の政治的中立性の確保について(知事へ質問)
今回の教育委員会制度改革でも、学校教育の継続性・安定性を確保するため、引き続き、教育委員会が執行機関。教科書の採択や教職員の人事などの職務権限も、従来どおり教育委員会の専権事項。新たな教育長の任命・罷免は、議会の同意を得て行うなど、政治的中立性の確保に配慮されたもの。
法改正の趣旨を踏まえ、教育委員会と連携し、総合教育会議における大綱の策定など、今後の教育行政、教育課題の解決にあたってまいる。

教育の中立性は確保できるのか(教育長へ質問)
今回の制度改正も、教育委員会は知事から独立した合議制の執行機関として存続、その職務権限も維持。新たに規定する教育に関する大綱策定の権限は、知事だが、策定に当たっては、総合教育会議において知事と教育委員会との意見を調整する仕組みが設けられ、教育の中立性は確保されていると認識。

教育委員会の新体制への移行時期について
教育行政の継続性・安定性を図る観点から、4月1日時点で在職中の教育長は、教育委員としての任期満了まで、在職する経過措置がある。設けられている。新体制への移行時期は、教育行政の継続性等を勘案し慎重に検討。

新県立美術館の整備検討について(教育長へ質問)
新県立美術館の整備は、2008年8月に「将来構想検討委員会」が提言。その後、新美術館に求められる機能の研究や関係機関との協議等に時間を要した。
今回、セントラルパーク構想の策定、九州の自立を考える会からの政策提言等、新たな状況を踏まえ、改めて有識者による委員会を設置し新県立美術館の整備のための専門的な検討を行いたい。

2.全国学力テスト

全国学力・学習状況調査の市町村別の公表の必要性について(知事へ質問)
市町村別結果の公表は、地域における児童生徒の学力・学習状況の実態について、行政・学校・保護者・地域が情報共有することで、学力向上に向けそれぞれの役割を効果的に果たしていく、地域間格差の解消も含めた学力向上方策を県が推進していくことの両面において、大きな意義があると考える。

本県独自のテストを終了した理由について(教育長へ質問)
福岡県学力実態調査は、全国学力・学習状況調査を補完するため、国の調査以外の教科で実施。本県の学力実態を踏まえ、全ての教科の基盤となる国語、算数・数学の学力の定着が最優先課題と考え、これらを県独自調査の実施教科とし、児童生徒や学校の負担も考慮して、理科、社会、英語は実施しない。

本県独自のテストは全国学力テスト対策のためにするのか(教育長へ質問)
新たな県学力調査は、国の調査の実施学年よりも1年早く実施、各学校が国語、算数・数学の学力の実態を早い段階から把握し、日常の授業における指導方法の改善を進めることをねらいとする。

県の学力調査と地域間格差について(知事へ質問)
国・県の学力調査は、教育の機会均等と教育水準の維持・向上のために実施、そのため、地域間格差の解消に向けた施策を効果的に講じつつ、本県全体の学力向上を目指すことが重要。

県の学力調査と地域間格差について(教育長へ質問)
県全体の学力向上を図るために、地域間格差の解消が重要。
特に支援が必要な市町村を学力向上推進強化市町村に指定し、重点的な支援を行ってきた。昨年度から、筑豊地区の強化市町村数を増やし、非常勤講師の派遣や学 力向上支援チームによる指導、学力向上施策に対する助成などの支援を一層重点化。

全国学力テストの弊害が発生する危険性について(教育長)
各学校において、学力調査の結果のみを過度に意識するような指導に陥ることなく、調査結果を踏まえた日々の指導の改善に努めるべき、不適切な事案がある場合には指導していく。

本県の診断テストは学校現場を日常的試験競争に駆り立てないか(教育長へ質問)
診断テストは、児童生徒に学力学期ごと等の短いスパンで検証、個別指導や日常の授業改善に生かすとともに、年間指導計画の改善に役立てる。

◎警察問題について

特殊詐欺事件の過去10年間の推移は。(警察本部長へ質問)
過去10年間の推移は、10年前の平成17年の認知件数774件、被害額は約7億2千万円。その後、検挙件数の向上等により、5年前の平成22年の認知件数69件、被害額は約1億1千万円と大きく減少。しかし昨年の認知件数は272件、被害額は過去最悪の約12億9千万円。
なお、本年5月末現在の認知件数は206件、被害額は約10億3千万円と、昨年を大きく上回るペースで推移しており、極めて憂慮すべき状況。

特殊詐欺撲滅への決意(警察本部長)
県内でオレオレ詐欺・還付金詐欺・金融商品詐欺等、様々な手口の詐欺被害が多発。県警は組織の総力を挙げ検挙活動を推進。「電話でお金の話はすべて詐欺」の呼びかけで、高齢者を含む全ての県民に注意を喚起し、検挙と抑止に全力で取組む。

三、一般質問(質問者と項目・登壇順)と予算特別委員会

1.一般質問

○原中議員

  • 福岡都市地区都心再整備緊急事業について
  • 県内合併自治体の合併後の財政問題について

○大田議員

  • 子育て支援体制の整備について
  • 国の新制度と本県の既存事業の一元化
  • 市町村との連携による効果的事業展開

○渡辺議員

  • 犬猫の殺処分の対策について

○田辺議員

  • 健康寿命延伸の具体的な推進策について
  • 主権者教育とNIE(教育に新聞を)の活用について

○今井議員

  • 福岡県の人口ビジョンと地方版総合戦略の策定について
  • 交通インフラ課題について

○佐々木允議員

  • 福岡県汚水処理構想について

○守谷議員

  • 二重行政について
  • 土曜授業と夏休みの短縮について

○堤 議員

  • 女性の労働環境の改善について 

○野田議員

  • 女性が活躍できる本県の施策について 

2.予算特別委員会

当初予算の審議のため、民主党県政クラブ県議団から以下の議員が積極的に質疑を行いました。
(質問項目は別紙、連合福岡政策制度要求に関する質問一覧を参照のこと。)
  副委員長  冨田議員   理事  畑中議員
    委員  原中議員  大橋議員  仁戸田議員  今井議員
        渡辺議員  佐々木允議員

四、採択された意見書・決議 

  • 認知症への取り組みの充実強化に関する意見書(我が会派を含む4会派で提案)
  • 畜産の収益力を強化するための畜産クラスター関連事業の継続・拡充を求める意見書(我が会派を含む4会派で提案)
  • 私学助成の拡充・強化等に関する意見書案(我が会派を含む4会派で提案)
  •  こども・子育て支援調査特別委員会設置に関する決議案など、6つの特別委員会設置の決議案が可決・採択されました。

民主県政クラブ県議団とは

立憲民主党14名、国民民主党2名、社民党1名、無所属3名で構成する総勢20名が所属する会派です。

県議会の会派の中で最も女性議員が多く、8名の女性議員が活躍しています。

第2会派として、格差をなくし誰もが活躍できる社会・ジェンダー平等社会の実現のため、地域の皆様のお声を最大限県政に反映できるよう一丸となり取り組んでおります。活動の内容をこのホームページで随時ご紹介していきます。

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