2012年12月議会・代表質問(12月7日)_1

原竹岩海 議員

はじめに、県政推進の基本姿勢について、次の4つの課題にわたり、お尋ねします。
一つ目の課題は、来年度予算編成に向けた基本方針についてです。先月、内閣府は、今年7月から9月期の国内総生産がマイナス成長であったことを発表し、日本経済が景気の後退局面に入っているとの見方を示しました。

マイナス成長の要因としては、世界経済の減速による輸出の減少と、国内総生産の約6割を占める個人消費の不振が顕著であったことなどがあげられています。民間シンクタンクの大半は、「来年から景気は上向く」との見方を示していると聞きますが、日中関係の悪化の長期化や、アメリカ経済をめぐっては、大規模減税の失効と歳出削減が重なる「財政の崖」の問題が、日本経済の先行きを不透明にしており、今後の経済動向には、充分な警戒が必要だと思います。

こうした中で、現在、県では来年度の予算編成に向けた作業が精力的に進められていると思いますが、本県にとって来年度当初予算は、小川県政後半2年のスタートとなる重要な予算編成となります。そこで、来年度当初予算では、県単独公共事業費を今年度当初予算額の100%を基準とするという、考え方が示されていますが、本県経済を下支えする対策はもとより、知事が来年度の予算編成に向けて、どのような分野を重点に考えているのか、来年度予算編成に臨む基本方針をお聞きします。

二つ目の課題は、本県の産業廃棄物行政についてです。
飯塚市・内住地区の産廃処分場問題で、県が現地で行なってきた、当初予定のボーリング調査が先月終了し、現在はボーリングで採取した廃棄物の組成分析が進められていると聞きます。この問題については、先の9月議会で、わが会派が代表質問で取り上げ、知事から現地調査については、「今年中には終えたい。」、調査結果に基づく措置命令については「なんとか年度内に発出できるように議論を終える。」との答弁がありました。

そこで第1に、今後の予定としては、ボーリングコアの調査結果が出る今月下旬に、第3回目の専門家委員会を開催すると聞いていますが、先月終了した現地調査の概要と、これまでの調査の進捗について、知事がどのように考えているのかお聞きします。

第2に、処分場周辺の住民の不安を考えると、できるだけ早く措置命令を出すべきだと考えますが、これまでの調査の進捗を踏まえ、措置命令を出す時期を知事がどのように見通しているのかお聞きします。

次に、三つ目の課題・「グリーンアジア国際戦略総合特区」の取り組みについてお尋ねします。この「総合特区」は当初、指定区域が極めて限定的であり、わが会派は今年6月議会の代表質問で、指定区域が県内に点の状態で散在していることを問題視し、指定区域を面的に拡げていくことを求めてきました。

その後、8月末に指定区域の追加が実現し、現在では北九州市洞海湾沿岸地域、直鞍地域、京築地域などの既存区域が拡大されるほか、久留米地域、大牟田地域などの県南部が新たに追加指定され、指定区域面積は当初の3.5倍に拡大しています。これは国との協議を通じ、特区指定の解釈が、これまでの特区事業を実施する事業所をピンポイントで指定するというものから、事業所に近接する工業団地などを含め、今後、特区事業の実施が見込める地域というものに、拡大されたためと聞いています。

知事が、わが会派と共通の問題意識を持ち、国との積極的な協議を通じ、指定区域の面的拡大を実現させたことを評価したいと思います。そこで、指定地域が拡大されたことで、「総合特区」の取り組みが、どのような効果をあげていくと考えているのか、知事の考えをお聞きします。また今後は、指定区域の面的拡大を踏まえ、「総合特区」の効果を地場の中小企業に波及させていくことが重要だと考えますが、このことに知事がどのように取り組むのかお聞きします。

この項の最後に、世界記憶遺産の保存についてお尋ねします。昨年5月、田川市と福岡県立大学が所蔵、管理する山本作兵衛氏の炭坑記録画と、日記などの記録文書697点が、ユネスコの世界記憶遺産に登録されました。世界記憶遺産は、1992年に開始されたユネスコの主催事業で、本県が取り組んでいる沖ノ島、近代化産業遺産群などの不動産を対象にした世界遺産、伝統芸能などを対象にした世界無形文化遺産とならぶ三大遺産事業と言われています。わが国では世界遺産に屋久島や知床などの自然遺産と、法隆寺地域の仏教建造物や石見銀山遺跡などの文化遺産、あわせて16件が登録され、無形文化遺産には能楽、人形浄瑠璃、歌舞伎などの20件が登録されています。世界記憶遺産には現在、98カ国、245件の登録がありますが、わが国では、この「山本作兵衛コレクション」が、初めて登録されることになりました。

このため、多くの県民が同氏の炭坑記録画や、それを生んだ田川地域の歴史や文化に高い関心を寄せ、また同時に、将来にわたり、貴重な県民財産として大切に保存、管理されることを望んでいると考えます。しかし、この炭坑記録画は、普通の画用紙に墨や絵具で描かれており、充分な保存、管理状態でなければ劣化が進む恐れがあると聞いています。そこで、この世界記憶遺産の保存・管理について、知事がどのような考えを持っているのかお聞きします。

雇用対策について

次に、雇用対策についてお尋ねします。
総務省の「労働力調査」によると、今年4月から6月期の就業者のうち、パート、アルバイト、契約、派遣などの非正規労働者は、約1775万人で、就業者全体の34%を超えています。この中で近年、とりわけ問題となっているのは、若年層の非正規雇用が大幅に増えていることです。今年度の「学校基本調査」では、今春大学を卒業し、就職した約35万7千人のうち、約2万2千人は非正規雇用で、この人数を進学も就職もしなかった者や、アルバイトなどで一時的な仕事に就いた者の人数と合わせると、「卒業者の約23%が不安定な雇用に就いている」と、文科省は指摘しています。

これまで、わが国の産業の発展は、企業が新卒者を正規労働者して雇用するとともに、長期的な視点から「中核人材」にまで育て上げ、技術力を維持・向上させてきたことによります。また、こうした労働者層は分厚い中間層を形成し、安心して仕事に打ち込むことによって、内需の拡大と社会保障制度の安定に寄与してきました。しかし、若年層を中心とする非正規雇用の拡大は、中間層の縮小につながり、雇用に対する将来不安からの購買意欲の減退や未婚率の上昇などによって、経済の低迷からの脱却をさらに困難にさせることや、社会保障制度を不安定にさせることが予想され、社会全体で「良質で安定的な雇用」を創り出すことが、わが国の成長にとって、重要なカギになっていると思います。

こうしたことを背景に、労働法制の分野では有期雇用から無期雇用への転換を規定する改正労働契約法が、来年4月から施行されることになり、また内閣総理大臣の下に、労働界、産業界の代表をはじめ、有識者などが参加する「雇用戦略対話」は、今年6月に若者の雇用を社会全体で支援していくことで合意し、その具体策となる「若者雇用戦略」を発表しています。そこで。

1点目に、今年9月現在の本県の常用労働者数は約170万人となっていますが、本県における非正規雇用の実態を知事がどのように把握しているのかお聞きします。またその上で、知事は本県の活性化と発展を図る立場から、若年層を中心に非正規雇用が拡大している現状に対し、どのような問題意識を持っているのかお聞きします。

2点目に、今年9月末現在の高校新卒者に対する求人倍率は全国平均が1.01倍、本県では0.86倍となっており、前年同期より若干、改善されているものの、昨年同様の厳しさが予想されます。また、2007年版「就業構造基本調査」では、高卒者で上級学校に進学しなかった者のうち、正規雇用として採用される比率は、男性で57.6%、女性で48.4%となっており、上級学校への進学を目指し、浪人等をした者を除いても、高卒者の少なくない割合が、非正規労働者として職業生活をスタートしている実態が示されています。その後の職業生活の中でも、非正規労働者は正規労働者に比べ、能力開発の機会が不足し、人的資本形成の点で大きな差が生じることから、来春卒業予定の高校生が、できる限り正規労働者として職業生活をスタートできるよう、就職支援を行う必要があると考えます。そこで、お聞きします。第1に、高卒者が正規労働者として就職できない原因について、高卒者の職業意識・能力の不足や、就職開拓が不充分さなどが指摘されていますが、このことについて、どのように考えているのか 、知事ならびに教育長にお聞きします。

3点目は、「雇用戦略対話」で合意した「若者雇用戦略」についてお聞きします。「若者雇用戦略」では、大卒・高卒の就職率は9割を超えているものの、中退者、無業者、一時的な仕事に就いた者、早期離職者を合わせると高卒の3人に2人、大卒の2人に1人は、学校から職場に円滑に接続していないとし、社会に出る前に必要な能力や態度を育て、労働法制や就職支援の仕組などについて教えるキャリア教育の充実を、高校や大学などの初年次から、図る必要があるとしています。

わが会派は、2010年に高校再編に伴い新設された高校を視察しました。その中の一校、総合学科高校として新設された福岡魁誠高校では、「生徒自らが、進路希望を見据えた科目選択を行なうことで、積極的に授業に臨む姿勢が見られる」とした上で、「それだけに、早い段階での進路指導が重要」との説明を受けました。魁誠高校となる前の2000年度は卒業生280人のうち63人が進路未定のまま、卒業していますが、魁誠高校となって7期生目の卒業生を出した昨年度は、268名の卒業生のうち、進路未定者はわずか5名となっており、進路決定の着実な改善が図られています。総合学科高校は、「普通科」における就職希望者への対応、「職業学科」における進学希望者への対応が不充分となっていることから、両方を統合する新たな学科として設置されたと聞いていますが、同校のように、学校生活から職業生活への接続を、高校初年次から意識した取り組みが重要だと考えます。

そこで、本県の公立高校は「普通科」、「職業科」、「総合学科」に大別することができますが、それぞれの高校において、どのようなキャリア教育が行なわれているのか、具体的な内容と、その効果を教育長がどのように判断されているのかお聞きします。

4点目に、国では雇用戦略に関する重要事項について、労働・産業・教育関係者、有識者および政府関係者が、意見交換と合意形成を図ることを目的として、2009年に「雇用戦略対話」を設置し、「若者雇用戦略」や、「雇用戦略・基本方針」などで合意しています。そのうち、「若者雇用戦略」ではキャリア教育について、学校教育の枠を超え、広く社会的な参画を得て、取り組むことが重要だとの認識を示し、地域に密着したキャリア教育と、その支援を行なうために、都道府県などの地域ごとに、自治体、教育機関、産業界、労働団体などが参画する「地域キャリア教育支援協議会」を設置するよう、具体的な提言を行なっています。本県においても、厳しい経済・雇用情勢を踏まえ、国と同様に関係者が意見交換と合意形成を図り、一丸となって雇用対策に取り組む場を設置することが必要だと思いますが、このことに対する知事の考えをお聞きします。またその上で、「支援協議会」の設置について、知事がどのように考えているのかお聞きします。

5点目は、改正労働契約法についてお聞きします。改正法は、同じ職場で5年を超えて働いているパートや契約社員を対象に、本人が希望すれば無期雇用への切り替えを企業に義務付けるもので、日本の労働法制で有期から無期への転換が規定されたのは初めてのことだと聞きます。また同法では、無期契約と実質的に変わらない条件下で、仕事をしている有期契約労働者に対して、会社は合理的な理由がない限り、一方的な雇い止めはできないとする「雇い止め法理」の明文化や、賃金、教育訓練、福利厚生、安全衛生管理などの面で、有期契約労働者を差別することを禁止する規定も盛り込まれ、このうち、「雇い止め法理」については、既に今年8月から施行されています。厚労省の「雇用政策研究会報告書」よると、15歳から34歳までの学生を除く非正規労働者、約410万人で、このうち正規雇用への転換を希望している人は、4割強の約170万人と推計されており、改正法を正規雇用への転換の促進、有期労働契約労働者の雇用の安定と処遇改善につなげていくことが重要だと思います。しかし、改正法の課題として、勤続5年の計算は施行日を起点に始まることや、6ヶ月の空白期間があれば勤続年数がゼロに戻る「クーリング期間」が認められたことなどから、無期雇用への転換権の発生する手前での雇い止めや、「クーリング期間」を濫用する規制逃れが発生する懸念も否定できません。そこで、正規雇用への転換を促進させ、有期労働契約労働者の雇用の安定と処遇改善を図っていくためには、労働者側はもとより、企業者側にも改正法の趣旨や内容が広く周知されることが必要だと思いますが、県として、このことにどのように取り組むのかお聞きします。

社会資本の維持・管理について

次に社会資本の維持・管理についてお尋ねします。
道路や空港、港湾、下水道などの社会資本は、日常生活や経済活動の基盤として、大きな役割を果たしています。しかし、これらの社会資本は、高度成長期に集中的に整備されたことから、間もなく集中的に更新時期を迎えることになります。2010年に公表された「国土交通白書」では、2011年度からの50年間に必要となる社会資本の更新費は、国と地方を通じて約190兆円に上るとの推計結果が明らかにされるとともに、現状のまま推移すれば、社会資本の維持管理・更新に要する費用の増大が、社会資本の新設投資を大きく制約し、新設投資ができなくなる可能性があることが指摘されました。

社会資本のうち、道路ストックの現状をみると、2005年4月1日現在、国内の道路の実延長は、高速自動車国道から市町村道までを合わせ、約119万キロメートルありますが、この実延長の管理主体別割合は、高速道路公社が0.6%、国が1.9%であるのに対し、都道府県管理は13.5%、市町村管理は84.0%となっています。また同じく橋梁は、国全体の総数の19.2%が都道府県の管理、76.7%が市町村の管理となっており、道路の適切な維持管理・更新を図る上で、地方自治体が果たすべき役割が、極めて大きいことがわかります。そこで。

1点目に、今後の社会資本整備については、厳しい予算制約の下で維持管理・更新投資が拡大することが明らかですが、その中で、適切な維持管理・更新と、新たなニーズに対応した新規投資を行っていかなければなりません。そこで、今後の本県の社会資本整備のあり方として、維持管理・更新投資と新規投資をどのようなバランスで行なっていくかが、重要な課題となると思いますが、本県で「長寿命化計画」を実施した場合、維持管理・更新投資と新規投資は、どのような割合になると、予測されるのか、道路整備を例に、知事の考えをお聞きします。

2点目に、今年4月時点で国交省が、長さ15メートル以上の橋梁を対象にした調査では、都道府県管理と市町村管理を合わせ、前年同期よりも77ヶ所多い、1378の橋梁で通行止めや通行規制が行なわれているとの、老朽化の進行を伺わせる結果が出ています。そこで、本県では橋梁の老朽化にともなう、通行規制がどのような現状にあり、どのような改修計画が立てられているかお聞きします。

3点目に、橋梁について国交省は、補修予定などを盛り込んだ「長寿命化修繕計画」を策定するよう、全国の自治体に求めています。国交省の今年4月のまとめによると、本県では県と両政令市で「長寿命化修繕計画」が策定されているものの、政令市以外の県内市町村の策定率は33%にとどまっています。また、この「計画」に基づく本県での修繕実施率は、県が50.4%、両政令市が23%となっていますが、政令市を除く県内市町村の実施率は、わずか0.7%で、大きく遅れている現状にあります。道路網は高速自動車国道から市町村道までが、一体的なネットワークとして機能を果たしており、仮に適切な維持管理を欠いた場合、本来の機能を果たせなくなる恐れや、事故の発生などが懸念されます。

そこで、県内市町村での取り組みの現状について、知事がどのように認識されているのかお聞きします。また、県として市町村での「長寿命化修繕計画」の策定と、それに基づく修繕の実施について、積極的に支援していく必要があると思いますが、このことにどのように取り組むのか、知事の考えをお聞きします。

4点目に、県が管理主体となる社会資本ストックには、道路施設以外にも河川施設、港湾施設、公園、下水道、庁舎や教育施設などの公共施設があります。本県では、道路施設に関して、2007年に、「道路施設維持管理基本計画」を策定し、従来の損傷後に修繕するという「事後的維持管理」から、大規模な修繕が必要となる前に、対策を講じる「予防保全型維持管理」への転換をはかり、施設の長寿命化とライフサイクルコストの縮減、毎年度ごとの維持管理費の平準化を図っています。

そこで、道路施設以外の公共施設についても、こうしたアセットマネジメントの考えを取り入れた「長寿命化計画」を早期に策定すべきだと考えますが、本県では現在、社会資本ストックのうち、具体的にどのようなものについて、「長寿命化計画」が策定されているのか、また策定していないものについては、どのような対応を考えているのか、「長寿命化計画」策定の現状と、今後の対応についてお聞きします。

森林環境の保全について

次に森林環境の保全についてお尋ねします。
わが国では、戦中・戦後に森林の大規模な伐採が行なわれ、その後、1950年代半ばから、天然林を人工林に転換する「拡大造林」などによる植林が進められてきました。その結果、現在では森林の蓄積量は当時の3倍に増え、量的には充実した状態にあると言われています。しかし、もともと人間が手を加えることを前提として植林されたスギやヒノキの人工林は、長期にわたる木材価格の低迷などによる林業の不振によって、その多くは手入れが行き届かず、森林が有する多面的機能が発揮できない状態になっています。

このため2001年には、「林業の安定的発展」を第一の目的としてきた、それまでの「林業基本法」が改正され、「森林の多面的機能の持続的な発揮」を第一の目的とする「森林・林業基本法」が制定されました。本県では、この新たな「基本法」の趣旨に沿う形で、2008年に「森林環境税」が導入され、事業開始から4年が経過します。「森林環境税」は導入後、5年を目処に検証することとなっており、このほど、「森林環境税の収入状況や、この税を活用した事業の検討結果」が取りまとめられました。

森林環境税は導入当時、県内の荒廃森林を2万9千ヘクタールと推計し、10年間でこれを健全な森林に再生することを目標に制度設計されています。導入後、4年間の実績は、手入れが必要とされる県内のスギやヒノキなどの人工林約12万8千ヘクタールのうち、約3万9千ヘクタールを調査し、さらにこのうちの約2万ヘクタールを荒廃森林として特定するとともに、特定した荒廃森林の約1万ヘクタールについて、間伐を行なったとしています。この結果、森林環境税を活用した荒廃森林の再生事業の進捗率は34%と公表されました。そこで。

1点目に、森林環境税の導入が議論された2006年の9月議会では、わが会派の吉村敏男議員が税の導入を検討するために公表された「荒廃の予測」を基に質問を行なっています。質問の内容は、「荒廃予測」に従うと、本県の荒廃森林は10年後には5万3千ヘクタール、20年後には7万9千ヘクタールに拡大すると予測されているので、10年間で目標の2万9千ヘクタールを再生しても、2万4千ヘクタールの荒廃森林が残ることになり、こうした事実は「森林環境税に対する県民の理解と協力を得るために、丁寧に説明する必要がある」というものでした。

当時の「荒廃予測」に従えば、1年間で荒廃森林は約2千400ヘクタールずつ拡大することとなり、計算上は森林環境税導入後の4年間で9千600ヘクタールほど、拡大したことになりますが、これは、森林環境税を活用し、4年間に約1万ヘクタールについて荒廃森林の再生を行ったとしている事業実績とほぼ同じ数値となります。

そこで第1に、4年を経た荒廃の実態はどのような状況になっているのかお聞きします。また、荒廃森林の再生事業は、事業主体が市町村となっています。しかし、個別の市町村では歴史的にも森林との関わり方が様々であることから、再生事業の取り組みにもバラつきがあるように思います。そこで、県内の農林事務所管内ごとの再生事業の取り組み状況など、荒廃森林の再生事業を地域的に見た場合、どのような実施状況にあるのかお聞きします。

第2に、今述べた実施状況や、市町村ごとの取り組みの現状を加味した上で、これまでの事業成果を知事がどのように評価しているのかお聞きします。また、今後の森林環境税のあり方を検討する際には、こうした視点を加える必要があると思いますが、このことについて知事がどのように考えているのかお聞きします。

2点目に、「森林環境税事業評価委員会」は、今回の提言で、これまでの協定締結期間20年の主伐制限を見直し、林齢や植林などを条件に、主伐を認めるよう、事業内容の一部見直しを提言しています。20年の協定締結期間は、民有林に税を投入することに対する県民の理解を得るため、私的財産としての活用を制限し、森林の公益的機能を維持する期間として設けられたと思いますが、この「事業評価委員会」の提言について、その意図を含め、知事がどのように考えているのかお聞きします。

また、森林環境税を活用して間伐を行なった人工林を、その後どのようにしていくかについては、森林の多面的機能のうち、木材生産機能を重視し、「木材生産林」としていくという選択肢と、針葉樹と広葉樹を混在化させ、「生物多様性の保全」なども重視した「環境林」としていくという選択肢があると思います。今後の森林環境税を活用した事業のあり方として、森林の形状や木材の搬出条件などを考え、「生産林」としていくところと、「環境林」として残すところを明確に区分した上で、事業を進めていくことが必要だと考えますが、このことに対する知事の考えをお聞きします。

3点目に、これまで森林環境税を活用した事業は、森林の多面的機能のうち、主に水資源涵養、土砂災害の防止に重点を置き、山間部の人工林で取り組まれてきたと思います。「事業評価委員会」は、海岸林の整備についても、松くい虫被害が拡大しているとして、対策に森林環境税を活用すべきだと提言しています。古くからの人工林であるクロマツなどの海岸林は、毎年、台風被害を受ける本県にとって、高潮や潮風被害を防ぐ重要な役割を果たし、また美しい景観を提供するなど、永く県民に親しまれる存在となっていることから、整備に森林環境税を活用することは妥当だと考えます。

そこで、本県では、これまでにどのような被害対策に取り組み、被害の実態がどのような現状にあるのかお聞きします。また、その上で、森林環境税を活用した被害対策については、どの程度の規模を予定し、どのような方法で行なうのか、被害対策の具体的な中身についてお聞きします。

4点目は、放置竹林の問題です。竹は生長のスピードが速いため、容易に樹木を覆い森林の荒廃を招くこと、また根が深く入り込まないため、大雨や地震などで大規模な地滑りを起こす危険性があることなどから、放置竹林対策は重要な課題だと思います。しかし、竹は放置しておくと年に7%も面積が増えると言われるほど成長が早く、伐採するだけでは放置竹林の拡大を防ぐことは容易でなく、竹の利活用を産業化することが効果的だと言われています。本県では2011年度から3ヵ年計画で、竹をパルプ素材として活用し、その売却益と伐採費用との差額に森林環境税をあてて助成する「放置竹林対策モデル事業」が取り組まれています。そこで、このモデル事業のこれまでの成果と、今後、このモデル事業を含めて放置竹林対策を、どのように発展させていくことを考えているのかお聞きします。

5点目に、国は「木を使うことにより、森を育てる」という目的から、2010年に「公共建築物等における木材利用の促進に関する法律」を制定しました。同法は、全ての自治体が率先して木材需要の拡大に取り組むよう、「木材利用方針」を作成することを求めており、本県においても、今年1月に「木材利用方針」が策定されています。そこで、本県の「木材利用方針」では、県が整備する公共建築物等の木材利用目標を2010年度の6千立方メートルを、2021年度までの10年間に1.3倍の8千立方メートルにする目標数値が示されていますが、この目標数値の根拠と、目標実現のための具体策をお聞きします。また、最近建設された県管理の公共施設として、公文書館や特別支援学校などがありますが、これらの公共施設や公共土木工事において、木材がどのように使用されているのか、また、その使用量とその内、具体的に県産材がどれくらいの割合で、使用されているのかお聞きします。

6点目に、県の「総合計画」では、県内製材工場の需要に占める県産材シェアを2010年度の25%から2016年度までに倍増させ、50%とする目標が示されています。昨年度の本県の「林業白書」によると、原木の総需要に占める県産材の割合は、ここ数年、頭打ちの状況にありますが、知事は県産材の需要動向をどのように分析され、具体的にどのような方法で目標数値を実現させるのかお聞きします。

暴力団対策について

次に、暴力団対策について、お尋ねします。
本県では「暴力団排除条例」を改正し、今年8月から飲食店に暴力団員の立ち入りを禁じる「標章」を掲示する取り組みを進めています。しかし、「標章」を掲示した飲食店の関係者を狙った傷害事件や放火事件、脅迫電話事件など、暴力団の犯行とみられる卑劣極まりない事件が、北九州市内で連続して起きており、断じて許すことができません。これに対して、県と北九州市は市内の繁華街を中心に、100台の防犯カメラを新設し、また県警も飲食店街の巡回や関係者の身辺警護の強化などに取り組んだことで、最近では事件の発生を一定程度、抑止する効果をあげているように思えます。

しかし、一連の犯行は解決にまで至っておらず、多くの県民が不安を抱えたままの状態に置かれています。間もなく年末・年始を迎えますが、毎年、この時期は犯罪や事故が増える傾向にあることから、取締りや捜査の隙を狙った暴力団の動きが活発化することも充分考えられます。こうした中で先月、改正暴力団対策法が施行されました。法改正は、国に対する本県の要望がきっかけになったと聞いており、法の施行を機に、行政と県警が総力をあげて、暴力団排除の取り組みを強力に展開していくことが求められていると考えます。そこで。

1点目に、本県では2010年4月、全国で初めて「暴力団排除条例」を施行し、県と警察、県民が一体となった暴力団排除運動を本格的に開始しました。条例施行から2年半が経過しましたが、この間の取り組みを知事ならびに県警本部長が、それぞれどのように総括されているのかお聞きします。

2点目に、「標章」を掲示する取り組みは、結果的に県民を暴力団の前面に立たせることになり、これを警察が守りきれず、県民に直接、被害が及ぶ事態になりました。「標章」の掲示は、福岡市内2ヶ所、北九州市内2ヶ所と飯塚市、久留米市、大牟田市の繁華街を「暴力団排除特別強化地域」に指定し、取り組まれていますが、北九州市内で飲食店関係者を狙った犯罪の発生後は、100軒近い飲食店で「標章」を外す動きが出るなど、深刻な状況にあると思います。暴力団排除運動では、警察が暴力団の前面に立ち、運動を進めることが基本だと思いますが、警察本部長は、県民に直接、被害が及ぶ事態となったことをどのように受け止め、これ以上、犠牲者をださないために、どのように取り組むのかお聞きします。

3点目に、改正暴力団対策法は、みかじめ料などを拒んだ事業者などへの報復の恐れのある暴力団を「特定危険指定暴力団」、対立抗争を続ける暴力団を「特定抗争指定暴力団」と指定し、規制を強化したことが柱となっています。特に「特定危険指定暴力団」については、不当な要求すると、行政命令を経ずに逮捕することが可能となりました。そこで警察本部長は、この改正法を新たな武器に、暴力団に対する捜査や取締りに、どのように臨むのかお聞きします。

4点目に、知事は、10月末の記者会見で、改正暴対法の施行に期待を寄せるとともに、「おとり捜査」や「通信傍受」などの新たな捜査手法の導入を、国に要請していく考えを示していますが、これは新たな捜査手法の導入によって、どのような効果をあげることを期待したものなのかお聞きします。

5点目に、改正暴対法が効果を発揮し、暴力団排除活動を前進させるためには、県民からの通報や相談などの協力が欠かせず、協力を得るためには、いかに警察が県民を守るための対策を取るかが、重要だと考えます。そこで、北九州市内で起きた一連の犯行に関係する容疑者の迅速な検挙と再犯の防止、暴力団排除活動の協力者に対する保護の徹底、改正暴対法に基づく対策の強化など、取り組むべき問題があると思いますが、これらに対する警察本部長の強い決意をお聞きします。


民主県政クラブ県議団とは

立憲民主党14名、国民民主党2名、社民党1名、無所属3名で構成する総勢20名が所属する会派です。

県議会の会派の中で最も女性議員が多く、8名の女性議員が活躍しています。

第2会派として、格差をなくし誰もが活躍できる社会・ジェンダー平等社会の実現のため、地域の皆様のお声を最大限県政に反映できるよう一丸となり取り組んでおります。活動の内容をこのホームページで随時ご紹介していきます。

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