2012年9月議会・代表質問(9月21日)_1

原竹岩海 議員

豪雨被害対策について

はじめは、九州北部豪雨災害に関してお尋ねします。
7月に九州北部を襲った豪雨災害の発生から、2ヶ月を迎えます。この大規模災害による犠牲者は福岡、熊本、大分の3県をあわせ30人、被害総額は1655億円に達しています。このうち本県では、8月30日現在で死者・重傷者8名、家屋の全半壊・一部損壊604棟、床上浸水1014棟、道路の損壊1098件、橋梁の流失・損壊46件、河川の決壊111件、がけ崩れ992件、被害総額は670億円という、甚大な被害が出ています。会派を代表し、犠牲となられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。わが会派は、8月1日に柳川・みやま地域、八女、久留米・うきは地域を訪れ、被災状況を調査するとともに、被災者、被災地域からの陳情を受けてきました。今回の豪雨災害では、農林水産関係に深刻な被害がでています。被害を受けた農地や漁場を早期に回復させ、一日も早く以前の生活が取り戻せるよう、議会としても県行政と力をあわせ、全力で取り組まなければならないと考えています。そこで。

1点目に、国は今回の災害に際し、いち早く、今回の災害を激甚災害に指定し、農地や農業施設の復旧事業に対する国の補助率をかさ上げするとともに、その後、新たに道路などの公共土木施設の復旧事業などにも適用することを決めました。こうした国の素早い対応を評価したいと思います。また県においても、今回の補正で災害復旧・復興費としては戦後最大となる220億円が予算計上されています。この中には県単独の予算措置として、30年ぶりの災害見舞金の増額、被災者生活再建支援法適用外となる市町村の被災者に対する支援金制度の創設、果樹・茶などの植え替えに対する助成、漁場に堆積した土砂、ガレキの除去費用などが含まれています。とりわけ、生活再建支援法の適用外となる被災者に対する支援金制度の創設は、2009年7月に本県を襲った豪雨災害を受け、わが会派が同年の9月議会の代表質問で、創設の必要性を訴えたものです。こうした一連の災害復旧・復興対策を行なうため、知事が意欲的な予算編成を行なったことを評価したいと思います。そこで、今議会に提案されている補正予算の上に立って、今後、どのような決意で復旧・復興に取り組んでいくのか、知事の災害からの復旧・復興にかける思いをお聞きします。

2点目に、柳川市では7月14日の午前9時頃に沖端川の堤防が決壊、午後1時頃には矢部川の堤防が決壊しています。わが会派は決壊現場を視察しましたが、通常は決壊が起こりにくいとされる川のカーブの内側が決壊したことに、衝撃を受けました。国は現在、矢部川の堤防決壊の原因について調査を開始していますが、矢部川の支流である沖端川の堤防決壊カ所は県の管理区域であり、それぞれが管理する堤防決壊箇所だけを調査するのではなく、国と県が協力し、流域全体の調査を行ない、防災対策を確立することが必要だと思います。そこで、このことについて知事がどのように考えているのかお聞きします。

3点目に、今回の災害では、被害額の上からも農業、漁業関係の被害が顕著です。漁業については、漁場の漂流物や海底に沈んでいるガレキの回収が課題となっていましたが、今月からの本格的なノリ漁業の開始を前に、漁場の回復がどの程度、進んでいるのかお聞きします。また農業については、特に中山間地での被害が大きく、営農再開の見通しさえ立たない深刻な状況も見受けられると聞いていますが、災害から2ヶ月を経た現在の営農継続状況と、営農を継続していくために、県としてどのようなことに取り組んでいくのかお聞きします。さらに、今回の漁業、農業被害を広げた一因として、山林から大量の立木や間伐材が流れ落ちてきた問題が指摘されています。大雨からの防災を考える上で、間伐材を適切に処理していくことは重要な課題だと思いますが、このことに、どのように取り組むのか知事の考えをお聞きします。

4点目に、今回の災害が、「仮に夜間に発生していたら、大きな人的被害が出ていた可能性がある」との声を被災地で多く聞きました。このことからも、住民に避難を呼びかける防災無線の整備や、避難を支援する自主防災組織の組織化は防災上、重要な取り組みだと考えます。本県は今年5月の県防災会議で、「地域防災計画」の改訂にあたり、「減災」を基本方針に情報伝達と避難体制の強化を重点課題とすることを決めています。しかし、総務省の資料によると、防災無線の整備率は今年3月末で全国平均94.3%に対し、本県は85.0%、自主防災組織のカバー率は、昨年4月1日現在で、全国平均75.8%に対し、本県は63.1%と遅れている状況にあります。そこで、今回の被災地での防災無線の整備や自主防災組織の組織化が、どのような状況であったのか、今後、県下全域の防災無線の整備や自主防災組織の組織化に、どのような目標を設定して取り組んでいくのかお聞きします。また、「減災」を基本方針にする上では、県と市町村との間に、リアルタイムで情報が共有される仕組が欠かせないと思います。今回の災害では、県が管理する日向神ダムの放流状況やダムへの水の流入量を、流域自治体が情報収集するのに手間取ったと聞いており、こうした情報伝達の整備の遅れは、避難指示の遅れにもつながる重大な課題だと思います。そこで現在、災害時において、県が管理するダムの情報が、市町村にどのような形で伝達されているのかお聞きします。また、今回の指摘を受け、災害時におけるダムの情報を市町村とリアルタイムで情報共有するために、どのようなことに取り組むのか、知事の考えをお聞きします。

産業廃棄物対策について

次に、産業廃棄物対策についてお尋ねします。
飯塚市・内住(ないじゅ)地区に住む住民が、同地区にある産廃処分場に埋め立てられている廃棄物の撤去を求めた訴訟で、今年7月、最高裁は本県の上告を退ける決定を行い、これにより、処分業者に産廃撤去の措置命令を出すことなどを県に義務付けた福岡高裁の二審判決が確定しました。

この問題について、わが会派は本会議などを通じ、幾度となく県の産廃行政の在り方を質してきました。とりわけ、福岡高裁で住民側勝訴の判決が出た直後の2月議会では、「旧筑穂町の産業廃棄物処分場問題に関する決議」をほぼ全会一致で可決し、判決の趣旨を十分受け止め、県は上告を取り下げ、事態解決のための措置を早急に講じるよう、強く求めました。
しかし、当時の麻生知事は、こうした議会の意向や住民側の意向を汲み取ることなく、最高裁に上告し、敗訴する結果となりました。このような県の対応は、議会軽視、住民無視と厳しく指摘せざるを得ません。また、この問題に対する県の今後の対応は、知事の掲げる「県民幸福度日本一」、「県民生活の『安定』、『安全』、『安心』の向上」が、知事の本心からの政治信条なのか、それとも上辺だけの政治スローガンなのかを、明らかにするものになると考えます。そこで。

1点目に、この問題は、処分場周辺の住民が、産廃の撤去を求める義務付け訴訟を福岡地裁に提訴し、最高裁での判決が確定するまでに、およそ6年半。また処分場からの水質汚濁や悪臭、「安定5品目」以外の廃棄物の埋め立てが確認されてからは、およそ10年が経過します。この間、住民は悪化し続ける生活環境の中に、放置され続けてきたことになります。そこで、知事も先日、現場に行かれたようですが、県の敗訴が確定したことを受け、飯塚市・内住(ないじゅ)地区の処分場問題について、知事がどのような所見を持っているのか、また、とりわけ地元住民の方々に対しては、どのような思いをもっているのか、お聞きします。

2点目に、今回の裁判に至る過程において、県が業者の脱法・違法行為に対し、強い監視・指導を行なうことなく、改善が行なわれなかったという、住民の思いから、司法の場に救いを求めなければならなったという、これまでの県の産廃行政の実態を反映していると思います。そこで、住民が司法に訴えなければならないという、これまでの産廃行政を、どのように改善していくのか、知事の考えをお聞きします。

3点目に、県は最高裁判決を履行するため、「専門家委員会」を設置しています。第1回目の会合は、公開の場で行なわれ、事務局の説明に対し、委員長が住民側に意見を求める場面もあったと聞きますが、今後もこうした公開と住民参加が保障された委員会運営を行なってもらいたいと考えます。そこで、このことについて知事がどのように考えているのかお聞きします。また、この「専門家委員会」は、いつ頃までに、どのような結論を得ることを見通し、設置したものなのか、お聞きします。

4点目に、県は先月から、処分場の現地調査に着手し、ボーリング調査も現地での住民の要望に応え、当初、予定していた7箇所から13箇所に増やして行なうと聞いています。そこで第1に、現地調査の結果、「安定5品目」以外の違法な廃棄物が埋め立てられていることが確認された場合、どのように対応するのかお聞きします。第2に現在、県としては、年度内に措置命令を出すことを考えているようですが、廃棄物の放置が住民の健康に被害を与える恐れがあることを考えると、できるだけ早く調査結果を公表し、措置命令を出すべきだと考えます。そこで、このことについて、知事の考えをお聞きします。

人権施策の推進について

次に人権施策の推進について質問します。
人権をめぐる昨今の情勢を見ますと、女性、子ども、高齢者及び障害者への虐待、学校における「いじめ」などの深刻な人権侵害事象の増加、また、高度情報化社会の進展に伴うインターネット上の誹謗・中傷等の新たな人権侵害事象の発生など、様々な人権課題が発生しています。

本県においても、昨年9月、福岡市早良区において、ガードレールや学校の校門の看板などに人権運動団体の関係者を名指した極めて悪質な落書きが発見されています。その後、同様な内容の落書きが東区でも見つかり、合計50件を超える過去に例を見ない大量差別落書き事件として、地元自治体や関係者が対応に追われています。また、昨年11月には東京で司法書士、元弁護士などが、身元調査に関し偽造した「職務上請求書」を使用して、不正に戸籍謄本や住民票を取得したとして逮捕されていますが、この事件の関係者名で不正取得された戸籍・住民票等は本県内でも25自治体、400通を超える数であると聞きます。さらに、同和地区に対する予断と偏見に基づき、インターネット上の掲示板に、本県内の具体的な地名を書き込む事象も続発していると報告されています。

昨年、福岡県では人権を取り巻く状況が大きく変化していることから、今後の人権教育・啓発施策を推進するための基礎資料とすることを目的として、10年ぶりに人権問題に関する県民意識調査が実施されました。そこで。

1点目に、本県が人権施策を推進する上で、この調査から、どのような課題が見えてきたのか、知事の考えをお聞きします。
2点目に、「人権が尊重される社会の実現」は、知事が目指す「県民幸福度日本一」を達成するために不可欠のものであり、県総合計画の中でも重点的に取り組む施策の一つとして位置づけられています。これらの人権を取り巻く状況を踏まえて、今後の人権・同和行政をどのように進めていくのか知事の所見をお尋ねします。

景気・雇用対策について

次に、景気・雇用対策についてお尋ねします。
本県が7月に公表した「県内経済の動向」では、「福岡県の景気は、全体として緩やかに回復しつつある」としながらも、「ただし、雇用は依然厳しい状況が続いている」との基調判断が示されています。また、景気の先行きについては、ヨーロッパの債務危機の深刻化などを背景とした海外景気の下振れ、国内経済における円高やデフレの進行など、景気を下押しするリスクの存在に触れ、「地域の経済・雇用の悪化を招きかねない状況にある」との判断を示しています。こうした経済・雇用情勢の中で、県行政に対しては、国の経済・雇用対策と相まって、地域の特性や創意をいかした地域経済の活性化や雇用対策をさらに積極的に進めていくことが、強く求められていると思います。そこで。

1点目は、県内中小企業の支援についてお尋ねします。来年3月末で、「中小企業金融円滑化法」が期限切れを迎えます。同法は、リーマンショック以降、業績悪化に見舞われた中小企業の資金繰り悪化を乗り切るための緊急措置として、中小企業の倒産を一定程度抑えるなどの効果があったと思います。しかし、多くの中小企業では、資金繰り悪化の原因が「事業不振」にあり、同法により返済猶予や新規融資が行われることで、一時的に倒産を防げても、問題の解決にはならず、返済猶予を与えられた企業が、その間に、いかに経営改善を行うかが、重要な課題だと言われてきました。このため、国は同法の期限切れを見据え、今年4月に、金融機関によるコンサルティング機能の一層の発揮、企業再生支援機構および中小企業支援協議会の機能および連携の強化、地域の支援機構などで構成する「中小企業支援ネットワーク」の構築、事業再生ファンドの設立促進などを内容とする「中小企業の経営支援のための政策パッケージ」を公表し、関係省庁、関係機関と連携し、早急に、その具体化を図るとしました。また8月には、「中小企業経営力強化支援法」を施行し、海外展開への支援や地域金融機関、民間コンサルタント会社、NPO法人などを認定支援機関として認定し、それらと専門家が「チーム」を組み、中小企業に対し専門性の高い支援や資金調達支援、海外展開への支援を行なうための体制整備を図ると聞いています。そこで、本県では「中小企業金融円滑化法」の終了後の課題として、どのようなことを想定し、対応することを考えているのかお聞きします。また、新たに施行された「中小企業経営力強化支援法」については、どのようなことに期待し、対応していくのか、知事の考えをお聞きします。

2点目は、若者の雇用対策についてお聞きします。今年5月の全国の完全失業率は、前月から0.2ポイント改善し、4.4%となっています。しかし、このうち15歳から24歳までの若年失業率は8.3%となっており、景気の後退にともなう雇用情勢の悪化は若年層に集中するとともに、雇用環境の改善が遅れ、厳しい状況が続いていることがわかります。若年層の深刻な雇用状況は、将来の労働力や社会保障の担い手が減少することを意味し、早急に対策を講じなければならない社会問題だと言えます。

そこで第1に、本県の若年層の雇用情勢に対する知事の基本認識をお聞きします。
第2に、若年層の雇用問題の重要な一因として、雇用のミスマッチが拡大していることが上げられています。本県では「若者しごとサポートセンター」を中心にミスマッチの解消に取り組んでいますが、知事はミスマッチの原因をどのように分析され、ミスマッチ是正するためには、どのような取り組みが必要だと考えているのかお聞きします。

3点目は、最低賃金についてです。7月に中央最低賃金審議会から、今年度の最低賃金を全国平均で744円とする目安が示されました。この額は前年度から、わずか7円の引き上げ幅にとどまっていますが、この目安に従い、本県の最低賃金は前年度から6円引き上げられ、701円になりました。この審議会での決定に先立ち、知事は国に対し、「できるだけ早期に最低賃金800円を実現すること」を内容とする意見書を提出しています。本県の「最低賃金の引き上げに関する意見書」提出の取り組みは2007年度から毎年度、取り組まれており、小川県政となってからも継続して取り組まれていることを評価したいと思います。本県が最低賃金800円の実現を求める理由は、これまでの本県の最低賃金額695円が、福岡市における生活保護水準を、時給換算で100円以上下回っていることにあります。全国では11都道府県で、最低賃金額が生活保護よりも低い「逆転現象」が解消されておらず、懸命に働いても、収入が生活保護以下となれば、就労に積極的な意味を見つけ出すことはできず、本県が取り組んでいる「生活保護からの就労を通じた自立」にも悪影響を及ぼすことが考えられます。また現在の不況は需要不足に原因があり、最低賃金の積極的な引き上げは、購買意欲を刺激し、デフレからの脱却と景気回復にもつながると考えます。そこで、意見書提出の取り組みも6年目に入りますが、「最低賃金800円」の早期実現に向けた知事の決意をお聞きします。

本県のアジア戦略について

次に、本県のアジア戦略についてお尋ねします。
今日の世界経済の特徴は、一つ目に先進国の経済が競争力を低下させる中で、アジアを中心とする新興国が、かつては「貧困の象徴」と言われた「安い労働力と膨大な人口」を競争力に転化し、先進国の経済をしのぎつつあること。二つ目には、この「成長するアジア」との関係を強めようと、アメリカやEUも含めて多様な形で地域間統合や、地域間協力が急速に進展し、国の単位を超えた経済領域が形成され、発展を続けていることがあげられます。この代表的な例は、アセアンを中心とした多様な経済領域ですが、わが国の産業界にとって、「アセアン+3」、あるいは「アセアン+6」という枠組みの中で、今後、ビジネスチャンスが一層拡大することが期待されています。また同時に、本県に対しては、アジアの地域間統合や、地域間協力の進展を的確に捉えたアジア戦略の構築が求められていると思います。こうしたことを踏まえ、わが会派は今年7月に、近年、アセアンの中で海外からの新たな投資先として注目を集めているミャンマーを視察し、8月には本県が主催する中国・江蘇省との「福岡県経済文化交流団」に会派として参加してきました。そこで。

1点目に、最近の竹島、尖閣諸島をめぐる問題が、わが国と関係国との間で、急速な関係の悪化を招いていますが、知事は本県の「アジア戦略」を進める立場から、この問題について、どのような見解をもっているのかお聞きします。また現在、この問題をめぐり、本県の交流事業や、県内の経済活動が、具体的な影響を受けている事例があるのかお聞きします。

2点目に、アセアン最後のフロンティアと呼ばれているミャンマーに関し、お尋ねします。ミャンマーでは、長い間、軍事政権が続き、アメリカやEUによる経済制裁が続けられてきました。しかし、20年ぶりの総選挙を経て昨年、軍事政権が幕を下ろし、新政権の発足とともに、経済制裁の解除も段階的に進んでいます。わが国にとって、ミャンマーの魅力は「親日的」であることに加え、賃金が中国の5分の1と言われる低廉で良質な労働力が豊富であること、天然ガスやレアアースなどの鉱物資源に恵まれていること、人口が6200万人と多く消費市場としても期待できること、さらに地政学的にはアセアンからインドを中心とする南アジア経済圏への回廊に位置することなどが上げられます。この間、わが国は欧米の経済制裁に配慮し、ミャンマーへの投資では中国や韓国に比べ、大きく出遅れていると言われてきました。しかし最近では、政府がミャンマーにアジア有数の工業団地を建設する大型プロジェクトへの支援を決定するなど、開発支援に大きく動き出しています。わが会派は、この工業団地建設予定地のティラワ地区を視察したほか、同国の経済界の代表から、新政権が貿易・投資における制度上の課題の解決に、精力的に取り組んでいる様子や、開発と民主化の進展のために、わが国からの支援に期待を寄せていることなど、貴重な説明や意見を聴取することができました。そこで第1に、ミャンマーは近い将来、本県の「アジア戦略」にとって、有力な相手国となると思いますが、知事は、ミャンマーについて、どのような所見を持っているのかお聞きします。第2に、本県は県内企業のアジア展開を支援するため、「福岡アジアビジネスセンター」を今年1月に開設しており、センター開設は、時宜を得た取り組みだと評価します。そこで現在、投資・委託生産候補地として注目を集めているミャンマーについても、県内企業に情報提供できるよう、専門アドバイザーを確保するべきだと思いますが、このことについて知事の考えをお聞きします。

教育問題について

次に、教育問題についてお尋ねします。
昨年10月、滋賀県大津市の中学校で、同級生から「いじめ」を受けていた生徒が自殺するという、痛ましい事件が起き、現在、警察が捜査に乗り出す事態となっています。この事件の真相は、未だに解明されていませんが、事件が起きた学校現場や教育委員会の事件への対応が、強い社会的批判を浴びることになりました。本県においても、2006年に筑前町で、当時の中学生が「いじめ」を苦に自殺する事件が起き、それ以来、本県では「いじめ防止対策本部」を設置し、「いじめ問題の総合対策」に取り組んでいます。それだけに、今回の事件を他県での出来事として片付けるのではなく、事件を機に二度と悲劇を繰り返さないという、決意をあらたにし、総合対策の点検・強化を図っていく必要があると考えます。そこで。

1点目に、今回の事件を知事、ならびに教育長がどのように受け止めているのか、それぞれの見解をお聞きします。

2点目に、今回の事件を受け、文科省は全国の教育委員会に小・中、高等学校での「いじめ問題」を緊急調査するよう通知し、今月20日までに報告することを求めています。この緊急調査は、大津市の事件後、文科省に設置している「いじめ相談ダイヤル」への相談件数が急増したことから、「見えないいじめが多数存在する可能性がある」と、判断したために、実施されるもので、毎年実施されている調査とは別に、今年4月以降に把握した「いじめ」の件数や、「いじめの実態把握が的確に行なわれているか」などを、あらためて調査すると聞いています。そこで第1に、「いじめ」の認知件数や、その解消件数など、本県で行なった緊急調査について、結果の概要をお聞きします。第2に、本県での「いじめ」の認知件数は、公立小学校では2006年度の649件から2011年度の150件に、公立中学校では同じく、2006年度の963件から2011年度の325件に、数字だけを見ると減少していますが、それでも2008年度からは、小中学校ともに横ばいの状況にあります。そこで、今回の緊急調査の結果と、これまでの「いじめ」の認知件数の推移などとの比較から、本県が2006年から取り組んでいる「いじめ問題の総合対策」の成果や課題をどのように分析しているのか、教育長の考えをお聞きします。

3点目に、報道によると自殺した生徒が継続的に「いじめ」を受けていたことを多くの生徒が知り、教師に対応を求めていた事実や、さらには「いじめ」に当たるような事実を認識していた教師がいたにもかかわらず、中学校は当初、「いじめ」とは判断しなかったとされています。しかし、このことは「いじめ」を発見し、止めさせる体制に大きな問題があったことを示しています。教育の現場における「いじめ」は、子ども同士の葛藤、軋轢などを背景として、いつでも、どの子どもに対しても、起き得る現象であり、早期発見、早期対策が重要であると聞きます。そこで、現場の教師が生徒の異変に気付き、生徒からのサインを見逃さないようにするためには、「生徒と向き合う時間」の確保と、スクールカウンセラーの配置など、教育現場をサポートする体制が、必要だと考えますが、このことについて、どのように取り組むのかお聞きします。

4点目に、今回の事件をめぐって、大津市の教育委員会の対応が強い批判を受けています。批判は、同市の教育委員会が、事件の起きた学校の全校生徒を対象にしたアンケート調査から、「いじめ」に関する情報を得ながら、「アンケート結果からは、いじめとの因果関係は断定できない」と主張し、早々と調査を打ち切り、アンケート結果も公表しなかったことや、事件後に開かれた市教委の定例会では、教育委員から「いじめ問題」への質問や意見が出なかったことなどに対するものであり、教育委員会の閉鎖的体質や形骸化が強く指摘されています。この批判や指摘は、同市の教育委員会だけを指して行われているものではなく、現行の教育委員会制度自体のあり方を問うものだと考えます。そこで、こうした批判や指摘を真摯に受け止める必要があると考えますが、教育長は教育委員会に対する指摘や批判をどのように受け止められ、本県の教育委員会の活性化のために、どのようなことに取り組んでいくのかお聞きします。また教育委員会のあり方をめぐっては、大阪市の「教育行政基本条例」のように、教育行政への首長の関与を強める動きや、「地方主権改革」の中で、教育委員会の必置規制見直しの議論もありますが、知事は首長という立場から、教育委員会制度のあり方について、どのような所見をもっているのかお聞きします。

警察行政について

最後に、警察行政についてお尋ねします。
今年7月、本県の現職警察官が、暴力団関係者に捜査情報を漏らし、見返りに現金を受け取っていたという、耳を疑いたくなるような事件が起きました。本県は暴力団の犯行と見られる発砲事件が多発している事態を重く受け止め、全国に先駆けて「暴力団排除条例」を制定するなど、県民と行政、警察が一体となり、暴力団排除の県民運動に取り組んでいます。こうした中で起きた今回の事件は、これまで県民や関係者の努力で盛り上がってきた暴力団排除の気運を一気に冷めさせてしまう重大な背信行為だと受け止めています。そこで、警察本部長にお尋ねします。

1点目に、今回の事件は、県警に対する県民の信頼を大きく裏切り、暴力団排除に関する県民からの協力が、これまでのように得られるのか懸念されます。警察本部長は、先月17日に開かれた「北九州市暴力追放総決起大会」のあいさつの中で、今回の事件に触れ、現職警察官の逮捕は、「自浄作用が機能していることの『証』、県警の健全性は保たれている。」と、発言されていますが、参加者は、この時の「本部長あいさつ」に、強い違和感を持ったと、聞いています。そこで、今回の事件に対し、一般の県民と警察本部長との間で、認識にズレがあるように思えてなりませんが、「総決起大会」での発言の真意を含め、警察組織の最高責任者としての警察本部長が今回の事件を、どのように受け止められているのかお聞きします。

2点目に、本県では2000年から2002年にかけ、暴力団関係者への情報提供の見返りに、現金を受け取ったとして、警察官4人が逮捕される事件が起きています。この時の事件後に、再発防止対策を行ったにもかかわらず、今回の事件を引き起こしたことは、再発防止策が有効であったのかが問われ、「他にも情報の漏洩が起きているのではないか」との疑念を持ちます。そこで、このことを踏まえ、警察本部長が事件の再発防止に、どのように取り組むのかお聞きします。

3点目に、先月から、本県の暴力団排除条例に関する改正条例の施行に伴い、飲食店などへの暴力団の入店を禁止する「標章制度」が始まっていますが、これに対し「標章」を掲示する店側への「いやがらせ」と見られる放火事件や、最近では「標章制度」との関連を疑わせる卑劣な傷害事件や、脅迫電話事件が連続して起きています。しかし、こうした状況にあっても、暴力団の威嚇に屈することなく、県民の「標章制度」への理解と協力は着実に進んでおり、県民の勇気の現われだと、認識しています。しかし、こうした事件が続発していることに対し、暴力団排除に立ち上がる県民の安全を確保する体制は充分取れているのか、また応援を受けている他府県の警察との連携を含め、暴力団の活動を封じ込める体制が充分取れているのか、疑問を持ちます。そこで今後、県民の安全確保と暴力団の封じ込めに、どのような体制で取り組んでいくのか、本部長の考えをお聞ききします。また本県では、昨年から起きた発砲事件22件のうち、容疑者が逮捕された事件は2件にとどまると聞きます。改正「暴力団排除条例」の実効性を高めるとともに、今回の事件によって損なわれた県警の信頼を回復するためには、先に述べた放火事件や傷害事件、脅迫事件の容疑者を早急に逮捕するとともに、未解決のままとなっている暴力団の犯行とみられる発砲事件などの容疑者を逮捕し、事件を早期に解決させることが、何よりも重要だと考えます。そこで、このようなことを踏まえ、今後、県警として暴力団排除にどのように取り組むのか、本部長の強い決意をお聞きします。

この項の最後に、「飲酒運転の撲滅」についてお尋ねします。
今月から、「県飲酒運転撲滅運動の推進に関する条例」が本格施行されました。この条例は6年前、県内で飲酒運転によって、幼い3兄弟が死亡する事故があったにもかかわらず、その後も飲酒運転による死亡事故が続いたことから、議員提案により、全国で初めての罰則付き「飲酒運転防止条例」として成立したものです。県内の今年1月から6月までの上半期に起きた飲酒運転による人身事故は、95件で前年同期よりも大幅に件数が減少しているものの、まだまだ、最悪に近い水準にあります。そこで、条例の本格施行を機に、改めて知事ならびに県警本部長の「飲酒運転の撲滅」に向けた強い決意をお聞きします。


民主県政クラブ県議団とは

立憲民主党14名、国民民主党2名、社民党1名、無所属3名で構成する総勢20名が所属する会派です。

県議会の会派の中で最も女性議員が多く、8名の女性議員が活躍しています。

第2会派として、格差をなくし誰もが活躍できる社会・ジェンダー平等社会の実現のため、地域の皆様のお声を最大限県政に反映できるよう一丸となり取り組んでおります。活動の内容をこのホームページで随時ご紹介していきます。

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