2022年(令和4年)9月定例県議会 報告 1

議会概要

2022年(令和4年)9月議会定例会は、9月9日から10月14日までの36日間の会期で開催されました。

開会日に、補正予算議案2件、条例議案5件、契約議案12件、経費負担議案6件の計25議案が提案されました。補正予算議案は「コロナ禍における原油価格・物価高騰等総合緊急対策」、「新型コロナ感染症対策」などに必要な経費が計上されました。

主な条例議案は、福岡県職員の育児休業に関する条例の一部を改正する条例、福岡県民生委員の定数を定める条例の一部を改正する条例などです。

また、9月16日に決算議案20件、更に9月29日に光熱水費等の高騰に対応をするための補正予算1件が追加提案されました。

いずれの議案も各常任委員会、決算特別委員会の審議を経て本会議で議決されました。

また、議員提案条例として提案された「福岡県議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数に関する条例」の一部を改正する条例案、「環境と人と動物のより良い関係づくり等福岡県におけるワンヘルスの実践促進に関する条例」案も本会議で議決されました。

代表質問

9月15日に行われた民主県政クラブ県議団の代表質問の登壇者は新井富美子議員(久留米市選出)でした。

新型コロナウイルス感染症対策、手話言語教育と手話通訳者育成、変革期を迎える自動車関連産業への対応、鳥類の被害対策、学校現場での性の多様性への配慮、教員の定数未配置と教員採用のあり方、久留米市内の浸水対策と河川管理に関して、知事、教育長に質問を行いました。

代表質問の内容

1 県政推進の基本姿勢について

  • ① 新型コロナウイルス感染症対策について
  • ② 最低賃金改定に伴う本県の対応について
  • ③ 育児休業制度の充実について

2 手話教育と手話通訳者の育成について
3 変革期を迎える自動車関連産業への対応について
4 鳥獣被害、とりわけ鳥類の被害対策について
5 学校現場における性の多様性への配慮について
6 教員の定数未配置と教員採用のあり方について
7 久留米市内の浸水対策と河川管理について

代表質問の概要

知事から、新型コロナウイルス感染の全数届出の見直しが開始された後、感染された方々へ新設する「健康フォローアップセンター」を案内し、健康面と生活面の支援を行うと発言されました。

最低賃金については早期に1,000円の達成を目指して国に求めていくこと、男性の育児休暇取得促進のため、フォーラムやセミナーを通じて積極的に発信すると表明されました。また、手話言語に関して、少人数研修を通じて手話通訳者の育成を行うと回答を得ました。

変革期を迎えた自動車産業に対応するため、中小企業の脱炭素促進、電動化部品製造への参入支援や水素・風力産業への参入支援を行うこと、更に水素ステーションの整備促進に努めるとされました。農林水産物の有害鳥類対策を強化するため、市町村への特別交付税措置の周知、狩猟者への指導強化を進めることとされ、また、久留米市内の浸水対策について、計画的な対策に取り組むこと、その情報発信も強化すること、県の河川維持管理予算の確保にも取り組むとの発言を得ました。

教育長から、教育現場で手話技術を持つ教員の育成支援を行うこと、制服・水着の選択制は県立学校の殆どで実施されており今後も不断の見直しを行うとの発言がありました。また、教員の未配置の解消のため精度の高い推計に基づく採用を行ったが、志願者の減少、合格者の辞退によって目標を達成できず、今後大学や企業との連携を深め、質の高い教員の確保を進めるとされました。

一般質問(登壇者7名)

佐々木允(田川市)

  • 一、浄化槽の適正管理について

山本耕一(北九州市若松区)

  • 一、生活困窮者等の実態把握と自立支援について

冨永芳行(糟屋郡)

  • 一、循環型社会の推進、とりわけ、使用済紙おむつのリサイクル推進について

後藤香織(福岡市早良区)

  • 一、女性の健康について
  • 一、森林の無断伐採対策について

中嶋玲子(朝倉市・郡)

  • 一、「こども基本法」と「こども家庭庁」に対する本県の対応について

原中誠志(福岡市中央区)

  • 一、青少年犯罪の抑止に向けて児童虐待防止対策について
  • 一、いわゆる霊感商法に係る県消費生活相談体制の強化について

渡辺美穂(太宰府市)

  • 一、コロナ禍における採用試験のあり方について

民主県政県議団 代表質問 登壇者 新井富美子

 まず新型コロナウイルス感染症対策について質問していきます。
 7月に入り、新型コロナウイルス感染症の陽性者が急増し、全国の新規感染者は8月2日の約26万8千名をピークとし、その後盆明けから次第に減少傾向を見せ、「第7波」も大きな山を越えたとみられています。
 本県では、新規感染者が8月19日に最大の1万5,723名を数え、自宅療養者は8月26日に10万8千名へと急増しました。本県においても感染状況はその後減少傾向となっていますが、今月初めに感染者の累計は100万名を越え、県民の5名に一人が感染したことになります。また、第7波の拡大後に死亡者が急増し、9月1日には過去最多の24名が亡くなられ、県内で昨日までの死亡者の累計は1,872名となっています。
 医療・福祉機関においては、現在も陽性者の対応に忙殺されており、コロナとの闘いは2年半を超えるものの、未だ収束が見通せません。
 このような中、岸田総理は9月6日に、ウィズコロナという新たな段階へ移行することを公表し、全数届出の簡略化を今月26日から全国一律に導入すること、療養期間の短縮化を行うことなどしました。陽性者の発生の全数届出を見直すことに対しては、医療体制の崩壊を防ぐべきとの意見と、陽性者の生活支援が必要だとの意見から、国の考えも二転三転し、こういった国の対応に地方自治体は翻弄されてきました。
 そこで、1点目に、このような国の対応について、知事の認識を伺うとともに、全数届出の見直しにおいて、医療関係者、保健所、陽性となった方に対し、どのような改善が図られるべきか、お尋ねします。
 また、知事は全国知事会において、全数届出を見直すことによって、発生届の対象外となる方を置き去りにするようなことがあってはならないと発言されました。実際に、症状が悪化した場合にどうすればよいのか、生活支援がどのようになるのか、という不安の声も聞かれます。
 そこで2点目に、今後全国一律の見直しが行われた後、新たに発生届の対象外となる方に対して、健康面の支援や生活支援物資の提供をどうされるのか、方針を伺います。

 次に入院と救急搬送の問題についてお聞きします。 自宅療養を余儀なくされた方々からは「病院から診療・検査を断られた」。「陽性と診断された後の対応などの情報が少なく、どうしてよいかわからなかった」などの声が多く上がっています。

 そこで、まずお聞きします。本県では、入院、宿泊療養、自宅療養の判断基準はどのように行われているのかお聞きします。
 また、容態が悪化した方々で、救急搬送を依頼したにもかかわらず、病院への搬送が困難となる事例が多発していることが報道でも明らかとなっています。やむを得ず自宅療養をせざるを得ない場合、療養環境が整っていない自宅では生命の危機につながる場合もあると危惧します。また、長時間の救急車待機によって、他に必要な救急搬送の運営にも大きな影響が出ていると容易に想像できます。

 本県ではこれらに対して、入院前の待機ステーション20床での受入れを既に行っているところですが、十分に機能しているのか、検証も必要だと思います。
 そこで2点目に、発熱や呼吸困難の症状を有するコロナ感染の疑いがある患者の救急搬送において、搬送困難となった事例は、本年、何件発生したのかお答え下さい。
 3点目に、コロナ患者の搬送困難の現状にどのように対応しているのかお示しいただくとともに、待機ステーション20床の利用状況とその検証、また、今後の取扱方針をお聞きします。

 次に最低賃金改定に伴う本県の対応についてお聞きします。
 8月12日に開催された福岡県最低賃金審議会において、本年度の本県最低賃金を30円引き上げるとの答申がありました。これで10月8日から、本県の最低賃金は900円となります。
 しかし、この最低賃金では、仮に年間2000時間労働しても、年収では180万円、月収では15万円であり、いわゆる「ワーキングプア」といわれる年収200万円にも満たない状況です。
 この最低賃金は長らく4ランクに分けられ、本県はCランクとなっており、全国加重平均の961円に比べ低い金額に甘んじています。このランク分けによって、全国で最も高い東京都は1072円、最も低い沖縄など10県では853円と、219円もの地域間格差が生じています。
 また、昨年の最低賃金の改定では、ランクに関係なく、引き上げ額の目安は一律28円と示され、ランク制度そのものの意味がなくなってきています。
 これらの問題を鑑み、県議会でも2020年12月定例会において最低賃金引き上げに関する意見書を全会一致で採択し、着実な最低賃金引き上げの継続と地域間格差の是正を図ることを国に求めました。
 最低賃金引き上げに関しては、2010年に麻生知事が、最低賃金800円以上の目標額を掲げ、続く小川知事も最低賃金を800円以上とすべきであると、全国の知事で唯一提言してきました。
 しかし、800円を達成した後の目標については、2017年9月定例会の我が会派の代表質問に対して、当時の知事職務代理者であった現在の知事である服部知事が「今後検討してまいる」と述べつつも、金額の明示等はその後行われていません。
 また本県の非正規雇用労働者の割合が2017年時点で40.0%である現状からも、最低賃金の引き上げは多くの労働者に大きな影響を与えます。そこで以下3点について知事に質問します。
 1点目に、最低賃金の引き上げ額についてです。本県以外の九州・沖縄各県は国の目安を上回る32円、33円の引上げとなる一方、本県は国の目安通りの30円の引上げにとどまりました。また、本県の賃金は全国でも低いレベルに固定されています。この点について、知事はどのように認識しているのか、お聞きします。
 2点目に、そもそも最低賃金の引き上げにおけるランク分けについては、本県と全国との賃金格差の固定化を招くことから、廃止に向け取り組むべきと考えます。知事はどのように認識しているのか、国に廃止を提言すべきと思いますが、知事はどう取り組まれるのか、お答えください。
 3点目に、麻生・小川両知事同様、服部知事も最低賃金の具体的な金額を指し示し国に提言すべきと考えますが、知事の見解をお尋ねします。

 次に、育児休業制度の充実について伺います。
 改正育児介護休業法の施行に伴い、本年4月より職場の環境整備と育休取得の意向確認の義務化がスタートしました。来月10月からは、子どもが生まれた直後に取れる「産後パパ育休」制度も始まります。
 我が会派は2021年12月定例会の代表質問において、労働力人口の減少やコロナで働き方が大きく変わった中、誰でもいつでも仕事とプライベートを両立できる社会の実現に向けて、本県職員が男性の育児参加を率先し、牽引していくべきとして、男性の育児休業取得の推進について質問しました。その中で、育休を取らない男性職員には、その理由を記載した「不取得理由書」を提出する制度を設けてはどうか、との提案も行ったところです。それに対し知事からは「今後は男性職員に育児休業をはじめ、より長期の休暇、休業の取得を促す観点からも、他県の事例も参考にしながら、より効果的な取組を行っていく」との答弁がありました。
 そこで1点目に、その後の県庁における男性の育児休業取得促進に向け、どのような取組を行っているのか、「不取得理由書」の件を含めお答えください。また、10月からスタートする「産後パパ育休」制度の利用に向けた取組みについてもお聞かせください。
 次に、育児休業、という名称についてです。本年4月、東京都は『「育児休業」を「仕事を休む期間」と捉えるのではなく「社会の宝である子どもを育む期間」であり、「子どもが親とともに過ごす大切な期間」と認識を変えることが必要だ、として、「育児休業」のイメージを一新するための「愛称」を募集し、「育休」を「育業」とすることと決定しました。ドイツでは、すでに2001年に、それまでの育児休業という意味の名称から「両親の時間」に変更しており、その結果、男性の取得が以前に比べ3割増えたということです。これは、名称変更が意識の変化を促した成功例であり、意識の変化と制度の充実の両方を目指すことが重要です。
 そこで2点目に、本県でも「育児休業」の独自の愛称を提案してみてはいかがでしょうか、知事の認識を伺います。
 次に、育児休業取得の現状についてみていきますと、「平成29年度仕事と育児の両立に関する実態把握のための調査研究事業報告書」によれば、「男性・正社員」では、「3日以内」の割合がもっとも高く(43.1%)、次いで「4〜7日」(25.8%)となっています。一方、「女性・正社員」では、「7ヶ月〜1年以内」の割合がもっとも高く(39.2%)、次いで「1年〜1年6ヶ月以内」(29.3%)となっていいます。このように、本来は性別に関係なく取得できるはずの育休が現実には女性の取得に偏ったものとなっています。
 また、このことは、少子化や待機児童などの大きな社会問題と強い関連性があることから、男性育休を推進することが、これらの社会問題解決に、大きく貢献すると考えます。
 そこで3点目に、福岡県の男性の育児休業取得に関する目標値、またその取得日数の目標値について企業や県民に広く周知することで、男性が育児休業を取りやすい福岡県を目指して頂きたいと考えますが、知事の見解をお尋ねします。

  次に手話教育と手話通訳者の育成について質問します。 わが会派は4月、久留米聴覚特別支援学校を視察しました。同校は2004年、県内の聴覚特別支援学校に先駆け「言葉の森宣言」を行い、手話を取り入れた教育に取り組んでいます。赴任当時に手話を習得していない教員もいることから、毎月教員向けに手話の研修会を開催し、現在は教員全員が手話を使えるということです。しかし県全体では手話を使える教員は限られています。また、現在久留米聴覚特別支援学校に聴覚障がい当事者の教員は5名勤務しており、当事者としての経験を教育に生かし、活躍されています。そこで1点目に教育長に伺います。県内政令市を除く県域の公立学校における、聴覚障がい当事者の教員数をお示しいただき、聴覚障がい当事者の教員や手話のできる教員を配置する必要性についての教育長の認識をお答えください。また、手話技術を持つ教員の育成について、その取り組みをお答えください。
 次に、手話通訳を担う人材育成について知事に伺います。現在、知事会見や国政選挙の政見放送など、多くの行政活動や地域の活動の際、手話通訳が行われるようになりました。今後は、これまで以上に手話通訳が一般化していくべきですし、その人材も必要となります。現在、福岡県手話の会連合会に登録され県内で活動している手話通訳者は142名おられますが、60歳以上の方が半数を超え、今年の新規登録者はわずかに3名です。そこで知事に伺います。
 本県のこれまで行ってきた手話通訳者育成の取組みについてお答えください。また、手話通訳が一般化することが望まれる一方で通訳の担い手が少なく、かつ減少していく見通しであるこの現状をどう認識しているのか、その原因への認識と共にお答えください。また、育成への新たな取り組みについてもお答えください。

 次に、変革期を迎える自動車関連産業への対応についてお聞きします。
 北部九州における自動車産業は、154万台の生産能力を有しており、開発・設計から生産までを一貫して担うことができ、本県は、愛知県に次いで我が国を代表する自動車生産の一大拠点へと成長してきました。また、自動車産業はすそ野が広いことから、製造業への経済波及効果のみならず、労働者雇用の面にも大きく貢献しており、本県の基幹産業として今後も持続的に発展していくことが望まれています。
 一方で、世界に目を向けると、脱炭素化や、CASEと呼ばれる新しい領域での技術革新が進むなど、自動車業界は今「100年に1度の変革期」を迎えているといわれており、北部九州を取り巻く環境も同様に大きく変化しています。
 こうした流れを受け、本県は、昨年度に学識経験者や地元自動車メーカーの代表等からなる「北部九州自動車産業新構想検討委員会」を設置し、本年3月に提言を受けるとともに、5月には「北部九州自動車産業グリーン先進拠点推進構想」を策定しております。
 ただ、これは文字を見る限り、2021年まであった「北部九州自動車産業アジア先進拠点推進構想」の「アジア」から「グリーン」に文言を変えただけのようにも思われます。
 そこで、1点目に、「北部九州自動車産業アジア先進拠点推進構想」についての総括を答えください。併せて、今回新構想を策定されることになった経緯や新構想の目指すところについてお答えください。
 次に、脱炭素化に取り組む中小企業の支援についてお伺いします。
 これからの自動車関連産業においては、運転時のCO2排出量の削減だけでなく、製造から、運輸、廃棄・リサイクルなど、各段階に応じたトータルでの脱炭素化が必要であると言われています。
 一方で、現状では、中小企業がそれらを実現していくには多くの課題を乗り越える必要があり、全国有数の自動車生産県である本県にとって、至上命題であります。また、脱炭素化は、自動車関連産業に限らず、全ての産業において求められており、脱炭素化に取り組む他の中小企業に対しても支援が必要だと考えます。
 そこで2点目に、自動車部品等を生産する中小企業も含め、中小企業の脱炭素化に対して、県としてどのような支援を行うのか、知事のお考えをお聞かせください。
 次に、下請け中小企業への救済策についてお伺いします。
 今後生産が拡大される電気自動車は、製造過程において普通自動車と比べて部品数が2/3となることから、これまで部品製造を請け負ってきた下請け企業への影響が考えられます。
 また、水素燃料電池車は、新規に高度な技術力を必要とすることから、下請け企業が新たな技術力を確立していくための支援が必要です。加えて、今後不必要となる部品を、現在製造している中小企業を他の事業分野へ誘導するなどの支援が必要であると考えます。
 そこで3点目に、このように自動車の電動化への対応を目指す中小企業をどのように支援するのか、また、他の事業分野への参入も考えている中小企業をどのような分野へ誘導していくのか、知事の考えをお聞かせください。
 4点目に、水素ステーションの整備についてお伺いします。
 現在本県には11基の水素ステーションが設置されていると認識していますが、地域偏在があり、FCVやFCトラックなどの燃料電池モビリティが福岡県にあまねく普及するには、困難な状況にあると考えます。
 こうした課題を踏まえ、今後、どのように水素ステーションの整備を促進していくのか、知事の考えをお聞かせください。

 次に、鳥獣被害、とりわけ鳥類による被害への対策について伺います。
 2021年度において、鳥獣による農林水産物被害は総額7億4千万円あまり、そのうちカラスやヒヨドリ、ハト、カワウなど鳥類による被害は2億7千万円以上で、全体の37%を占めています。
 鳥獣対策は基本的に基礎自治体である市町村が行い、捕獲補助金や罠、侵入防止柵などへの補助金は国からの交付金を主な原資としていますが、多くの自治体ではイノシシ、シカなど「獣類」への対策を重点化しています。
 しかしカラスなどの鳥類による農林水産物被害は、先に述べたように金額ベースで全体の4割近くにのぼり、加えてカラスがゴミステーションを荒らしたり、ハトがフンにより街を汚すなど、多くの県民にとって、鳥類による被害は、時には、イノシシやシカによる害以上に強く感じられるものとなっています。さらに、市街地で有害鳥類を駆除することは難しいため、農地や山間部にある鳥類のねぐら周辺での捕獲や駆除となり、困難を極めます。
 沖縄県の本島北部で、近年カラスによる果樹被害が深刻化した際、捕獲したカラス1羽あたりの市町村の補助金500円に、2013年から県が500円を上乗せすることで、捕獲率が上昇しました。いっぽう、県内のカラス1羽の捕獲補助金は、北九州市など多くの市町村で、国の捕獲補助金のみのわずか200円に過ぎず、猟友会の方によれば猟銃の弾丸代のほうが高くつくとのことです。
 そこで1点目に、現在、イノシシやシカなどの獣類への対策費が多く分配されていますが、カラスやヒヨドリ、カワウ等の鳥類への対策費を増額し、市町村の取り組みを推進する必要があると考えます。知事の認識と今後の方針をお聞かせください。
 また、鳥類は移動範囲が広く、結果的に被害は広範囲にわたります。他県の例ですが、鳥類被害のあった農園で鳥の追い払い対策を実施したところ、その農園の被害はおさまったものの、近隣の農園の被害が急増したとのことでした。本県のイノシシおよびシカについては、県策定の5か年計画に基づいて広域的な駆除等の対策を実施していることは承知していますが、鳥類対策においても、県が主導しながら自治体の枠を超えた広域的な対策を実施していくことが必要と考えます。
 先に挙げた沖縄県では2014年に本島北部9市町村とJA、猟友会、沖縄県で広域協議会を設け、カラスの一斉捕獲や追い払い活動を連携して行うことで効果的な捕獲や被害軽減を実現しています。
 そこで2点目に、行動域の広い鳥類による被害対策について、沖縄本島北部のカラス対策のように、本県でも圏域ごとに市町村や猟友会と連携して一斉に捕獲を行うなど、県が主導しての総合的な鳥類対策が必要と思われます。知事の考えをお聞かせください。

 次に、学校教育現場における性の多様性への配慮について、とりわけ、ジェンダーレス制服、学校指定水着について、知事及び教育長にお伺いします。
 県立学校における制服などの指定については、教育委員会が主体性を発揮しなければ難しいと思います。2020年度より福岡市内、北九州市内の公立中学校も、「選べる制服」が採用されています。学生服で有名なメーカーであるトンボは、ジェンダーレス制服をHPで掲載し「選択の自由」をアピールすべきとしています。
 また、水泳用品メーカーのメーカーであるフットマークは、学校現場でも広がる「ジェンダーレス」の動きに対応して、男女兼用で、肌の露出の少ない長袖の上着とハーフパンツのセパレート型水着を開発し、話題になりました。LGBT等児童生徒の生きづらさをなくすために制服や学校指定水着に対して、配慮が必要と考えます。
 そこで1点目に、制服を指定している県立学校及び私立学校における制服、水着の指定の現状とそれぞれの選択制導入の校数について、お示し下さい。
 そこで2点目に、制服および水着の選択制について、私立学校を所管する知事の認識と、県立学校の設置者である県教育委員会の今後の方針について、教育長はどのようなお考えか、お聞かせください。

 次に教員の定数未配置、いわゆる定数欠問題と教員採用のあり方についてお聞きします。
 本件について、我が会派は、度々教育長に対して、定数欠の早期解消を質すとともに、教員採用について抜本的な見直しを提言してきました。
 具体的には、2021年度までに小中学校の正規教員率を93.2%に増加させるとともに、新規採用年齢の上限撤廃、常勤講師の給与改善などを提言し、いずれも現在取り組みが進められています。しかしながら、定数欠の問題は毎年のように発生しています。
 また、文部科学省が初めて行った教師不足の実態調査によると、2021年5月1日時点において教師不足が発生した学校は小学校で61校、中学校で41校にのぼり、また、不足教師数でも、福岡県は小学校で69人、中学校で59人にのぼり、不足率も全国平均を大きく上回る、という極めて厳しい状況になっています。
 そもそも教員定数は、その学校において必要な教員数を示したものであり、その人数が足りないことに対し十分な対策を講じないことは、児童・生徒の教育を大きく阻害することにほかならず、決して看過できない問題です。
 そこで1点目に、今年度県内の小中学校、および県立学校において、5月1日時点の定数欠講師の未配置が生じた学校の割合、および、その人数はどのようになっているのか、近年の傾向も含め、お答え下さい。
 また体育教員の方が、臨時免許状を発行され理科を教える、また、本来担任を持たない主幹教諭の方が担任を行うなどで、定数欠が解消されたとしている現状もあるやに聞いています。県内において、このような事例はどれほどあるのかもあわせてお答え下さい。
 2点目に、採用計画に関してです。採用予定数の推移をみると、小学校では2016年の390名から660名へ、中学校でも同じく210名から290名へ大幅に増員していますが、今年度の正規教員率は小学校92.6%で目標に比べ0.6%低く、中学校は88.5%と、目標に比べ4.7%低いなど、目標に達しておらず、定数欠も解消していません。
 この正規教員率については、昨年6月定例会の我が会派の代表質問において、教育長は正規教員率が計画通りに進んでいないことを述べた後、「より精度の高い推計に基づき、新規採用を行ってまいる」と述べています。
 そこで、教育長に質問です。県教育委員会の採用計画に落ち度はなかったのか、推計方法を明らかにしたうえで、認識をお尋ねします。
 この項の最後に教員採用のあり方についてお聞きします。
 本県は、教員人事権を持つ、北九州市・福岡市と2つの政令市を有し、教員採用において不利な状況となっています。今こそ、採用のあり方について抜本的な見直しが急務です。教員採用に関する新たな取組みについて、教育長の決意もあわせてお答え下さい。
 また学校現場では、ICT教育や小学校の専科制度の導入に伴い、より専門性のある多様な教育人材が求められます。教育現場における多様な人材の活用を図るため、経験豊かな社会人を教員として積極的に採用するなど、抜本的に採用の仕組みを変えることが必要だと思いますが、教育長の認識をお聞きします。

 私の地元課題として、久留米市内の浸水対策と河川管理についてお聞きします。
 久留米市は、今や、大雨による浸水被害の多発地域として認識されつつあります。
 昨年の浸水被害以降は、大雨特別警報等の発令はなかったものの、今年8月24日の深夜から翌朝まで続いた大雨では、巨瀬川で氾濫危険水位を超える事態となり、久留米市の皆さんは不安な夜を過ごしました。
 現在、筑後川流域の浸水対策については、国、県、市による緊急対策事業が進められており、県や久留米市の広報などで適宜お知らせがあっていますが、やはり、雨が降ると多くの皆さんから、筑後川の浚渫を中心に、緊急対策事業の進捗状況や、その効果について問い合わせがあっております。
 久留米市の皆さんは、5年連続の被害を被っておられるわけですから、浸水対策の行方に対して大きな関心を寄せられるのも当然のこととして十分理解されます。
 そこで1点目に、久留米市内の河川に係る浸水対策の取組は、国、県、市とも計画通り進んでいるのか、進捗状況をお示し下さい。
 2点目に、先ほど述べたように、不安を抱える地域住民の声にこたえるためにも、事業について、これまで以上に、きめ細かな情報提供や広報を行うとともに、県がその中心的な役割を担うべきだと思いますがいかがでしょうか。お答えください。
 次に、筑後川流域における、本県の河川管理のあり方についてお聞きします。
 県は、筑後川を管理する国に対して、毎年、浚渫事業の推進について要望しているところです。川幅を広げるなど河川そのものを大きくすることは、極めて長い年月がかかる一方、堆積した土砂を撤去する浚渫や将来計画に基づき川底などを掘削する河道掘削によって流下能力を向上させることは、浸水対策に関して即効性のあるものとして、非常に重要な工事だとされています。
 しかし、県が行う浚渫や河道掘削を含む河川の維持管理予算は、県単独公共予算に含まれ、これは財政改革プランのもと、毎年2%程度の削減が行われています。国には河川の浚渫の推進を要望する一方で、その支川である県管理河川の浚渫等の予算の削減を行う県の姿勢は、矛盾していると考えます。
 そこで3点目に、国への要望と連動した対応を行うためにも、県単独の河川の維持管理予算を重点配分等により確保すべきと考えますが、知事の認識をお答えください。
 4点目に、本年2月定例会においても、県単独公共予算の一律削減の問題点を知事に質したところですが、平成29年度以降の当初予算における河川の維持管理予算はどのように推移してきたのかお示しください。
 特に水害対策として重要な河川の浚渫等をしっかりと行うことは非常に重要であると考えますが、久留米市内の県管理河川ではどの程度、浚渫等を実施してきたのかお示しいただきながら、県として、近年甚大な被害が続いている筑後川水系の県管理河川の予算の確保に、今後、どのように取り組んで行かれるおつもりなのか知事のお考えをお答えください。

問 全数届出の見直しについて

  • 〇 8月24日、国は、都道府県の判断で全数届出の見直しを実施できるようにすることを発表した。
    •  県では、この発表の直後から、医療現場の負担を軽減し、重症化リスクの高い方を守るため、北九州市、福岡市、久留米市の3市とともに見直しの方向で検討を進めていた。
  • 〇 その矢先に、国は、突然、見直しを全国一律で行うと発表したが、その内容や時期について、具体的な説明はなかった。
    •  県が見直しを行った後で、間を置かずに国が我々と違うやり方で見直しを行った場合、医療現場や県民の皆様に混乱を招くことから、大変困惑したところである。
  • 〇 現行制度では、陽性者を診断した医療機関は発生届の作成に、発生届を受理した保健所はその登録事務や重症化リスクが高い方の抽出に追われ、いずれも事務作業が大きな負担となっている。
    •  見直し後は、発生届の対象の方が限定され、これらの事務作業が大幅に軽減するため、医療機関は患者の診療に専念し、保健所は重症化リスクが高い方々の受診や入院調整、健康観察や相談等をより丁寧に行い、こうした方々の命と健康を守ることができるようになる。


問 発生届対象外の方への支援について

  • 〇 全数届出の見直しが実施されると、発生届の対象外の方は、保健所から医療支援や生活支援の情報が届かなくなることで、これまで通りに支援が受けられるのか、どこに相談すればよいのか、不安に感じることが懸念される。
  • 〇 このため、対象外の方にも安心して療養生活を過ごしていただけるよう、保健所等が担っている
    • ・療養中に症状が悪化した時の相談対応
    • ・宿泊療養施設の入所受付
    • ・食料品等が入手困難な方への生活支援
    • ・自己検査で陽性となった方の陽性登録
  • の各機能に、保健所に多数問合せが寄せられている
    • ・療養証明に関する相談対応
  • の機能を、福岡県独自に新たに加え、これらをまとめて「健康フォローアップセンター」として案内してまいる。
  • 〇 具体的には、医療機関で検査を受ける方には受診時に、県が配付した検査キット等で陽性者登録をされる方には登録時に、フォローアップセンターの各連絡先を案内し、その後の支援に確実につなげてまいる。
  • 〇 このように、発生届対象外となる方についても、引き続き、健康面の支援や生活支援を実施してまいる。


問 入院、宿泊療養、自宅療養の判断基準について

  • 〇 県では、コロナ陽性者の療養先の決定にあたり、重症度が高い方が確実に入院できるよう、酸素飽和度や病態に応じた県独自の判断基準を、通常時と感染拡大時に分けて設定している。
  • 〇 現在は、感染拡大時の基準に基づき運用しており、具体的には、「入院」は酸素飽和度93%以下、「宿泊療養」は94%~95%、「自宅療養」は96%以上を目安としている。
    •  さらに、例えば酸素飽和度94%~95%の方に基礎疾患の悪化等がみられる場合、「宿泊療養」から「入院」に病態を踏まえた変更を行っている。
    •  そのうえで、保健所において、陽性者の療養環境や受入先の状況等を考慮しながら、療養先を決定している。


問 コロナ患者の搬送困難への対応について

  • 〇 今年1月3日から9月4日までの救急搬送困難事案は2,234件である。その推移をみると、第6波での最多の週が160件となった後、一旦、一桁台まで減少したが、6月下旬には再び増加し、第7波では、8月8日から14日までの週が最多の234件となった。
  • 〇 このため、救急搬送を円滑に行えるよう、コロナ病床の空き情報をリアルタイムで関係者間で共有するシステムを、全ての消防本部に拡大した。
    •  また、夜間及び休日に救急患者を受け入れる重点医療機関の受入体制を確保するため、その他のコロナ患者受入医療機関に対し、平日の日中における入院調整に対し積極的に協力して頂くよう要請した。
  • 〇 このほか、緊急性が高い患者を優先的に搬送するため、コロナが疑われる方が119番通報に悩む場合は、通報前に、「受診・相談センター」に相談いただくよう県民の皆様に呼びかけを行った。
  • 〇 8月17日からは、入院の必要な方が自宅待機とならないよう、待機ステーションを開設した。開設期間中の利用は12名、一日最大で4名であり、設置規模は適切であったと考えている。
    •  9月2日以降、受入要請がなくなったことから、9月5日をもって閉所したが、今後の感染状況に応じて、再開を検討してまいる。

問 最低賃金の現状に対する認識について

  • ○ 今年度の地域別最低賃金の改定により、福岡県最低賃金は、今年10月8日から、30円引き上げられ、900円になることが決定された。
  • 〇 最低賃金の持続的な引上げは、すべての所得層での賃金上昇、消費の拡大、企業収益向上の好循環に資するものと考える。
  • 〇 本県の最低賃金については、福岡地方最低賃金審議会において、中央最低賃金審議会が示した目安額を参考とし、①労働者の生計費、②労働者の賃金、③通常の事業の賃金支払能力の3つの要素を考慮しつつ、公労使の委員により、地域の実情に応じて十分に調査審議を尽くした結果として、900円に決定されたものと認識している。


問 最低賃金改定におけるランク分けについて

  • ○ 地域別最低賃金の審議に際しては、公労使からなる中央最低賃金審議会が全都道府県を4つに分けて改定額の目安を示すランク制度を用いている。
    •  ランク分けの基準については、県民所得や消費、給与、企業経営の状況に関する19の客観的指標を基に、各都道府県の経済実態を総合的に勘案して設定されており、一定の合理性があるものと認識している。
  • 〇 一方で、ランク区分ごとに改定額の目安が示されていることから、県では今年6月に国に対し、これ以上最低賃金の地域間格差が拡大しないよう、必要な措置を講ずることを求めたところである。
  • 〇 現在、目安制度やランク制度などの在り方について、国の「目安制度の在り方に関する全員協議会」で議論されている。
  • 〇 県としては、国の全員協議会における議論を注視するとともに、より一層地域の実態に即した制度に見直しがなされるよう、この秋にも国に対し要望してまいる。


問 最低賃金の目標額について

  • ○ 県では平成19年度から、生活保護費との整合性を踏まえて、具体的な目標額を設定し、国に対し最低賃金の引上げを提言してきた。
  • 〇 平成30年度には、当時の目標額800円を達成し、その後は、国の骨太の方針に掲げられた全国平均で1000円以上という目標の達成を国に求めてきた。
  • 〇 現在も、政府においては同じ目標額を掲げているところであり、県としても、早期の1000円以上の達成を目指し、着実な引上げを行うよう国に求めてまいる。
  • 〇 同時に、その実現に向けて、県として、県内の雇用を支える中小企業・小規模事業者に対し、生産性の向上や取引条件の改善、さらには国の「業務改善助成金」の積極的活用など、総合的な支援に取り組み、最低賃金引上げの環境を整えてまいる。


問 男性職員の育児休業取得促進に向けた取組について

  • ○ 県では、男性職員が育児に積極的に取り組むことができるよう、今年8月から、1か月以上の休暇・休業の取得を促す新たな取組を始めたところである。
  • ○ 具体的には、
    • ① 収入の減少を心配する職員に対して、有給の休暇や週休日等と育児休業を組み合わせた「1か月以上の休暇・休業の取得パターン」の紹介
    • ② 5日以上の出産・育児に係る休暇が取得できなかった場合に加え、新たに1か月以上の休暇・休業を計画しなかったり、計画したものの取得できなかった場合に、所属長がその理由を提出
    • ③ 家事や育児の分担を夫婦間で話し合うことができる「家族ミーティングシート」の配布
  • を行うとともに、私からのメッセージを添えた、男性の育児休業の取得促進を呼びかけるポスターを作成し、全所属に掲示した。
  • ○ 10月1日から、出生後8週間以内における育児休業の取得回数の制限が2回までに緩和され、より育児休業が取得しやすくなる。
    •  この制度の積極的な活用を促すため、先ほど申し上げたポスターにその概要を記載し、既に周知を行っているところだが、今後は、「仕事と子育ての両立支援ハンドブック」や庁内ネットワークにおいて制度の周知を図ってまいる。

問 「育児休業」に対する制度の充実と意識の変化、愛称について

  • ○ 今回の育児・介護休業法の改正では、男性の育児休業取得を促進するため、より柔軟に取得できる「産後パパ育休」の創設や、育児休業を取得しやすい雇用環境整備、個別の周知・意向確認の義務化等の改正が行われ、制度の充実が図られたところである。
  • ◯ 県としては、この法改正を契機に、事業者、県民の皆様に改めて男性の育児休業取得に対する意識を高めていただくため、今年10月から、2か月にわたり、「育休のススメ!パパ育フォーラム2022」の動画を配信する。
    •  フォーラムでは、法改正の内容を解説するほか、5児の父である「つるの剛士さん」の育児体験を紹介し、これから育児休業を取得する男性をはじめとして、県民の皆様に対し、育児のすばらしさを伝えている。
    •  また、サイボウズ株式会社の青野慶久(よしひさ)社長には私との対談を行っていただき、多様化する社会の中で、男性の育児休業取得促進をはじめ、様々な人材が働きやすい環境を作ることが企業の人材戦略にとって重要であることを語っていただいている。
  • ◯ 「育児休業」の愛称について、東京都においては、都民が育児休業を気兼ねなく取得できるように愛称を工夫したものと思う。一方で、「育児休業」「育休」という呼び名は、社会的に定着している。また、全国的に同じ制度を、自治体ごとに異なる呼び名にすることで、利用する方に戸惑いを与えかねない懸念もあることから、慎重に検討してまいる。


問 男性の育児休業取得に関する目標について

  • ◯ 今年3月に策定した県の総合計画においては、子育て応援宣言企業における男性従業員の育児休業取得率を、昨年度の21.4%から令和8年度までに34.7%に引き上げるという数値目標を設定した。
  • ◯ 育児休業の取得日数については、少なくとも1か月以上の取得を促していく取組が必要だと考えている。 現状では1カ月以上取得した人の割合は、年々上昇しているものの、約2割と、低水準にとどまっており、今回の育児・介護休業法の改正に伴い、取得しやすい環境を整え、より長期の取得を促していくことが必要だと考えている。
  • ◯ 男性の育児休業取得は、育児や家事の負担を夫婦で分かち合うことで、女性の出産意欲の向上や、出産や育児を機に退職することなく働き続けたい女性の希望を実現することにもつながる。
  • ◯ 今後も、先ほど答弁したフォーラムや経済界のセミナーなど様々な機会を通じて、男性の育児休業取得の先進事例等を企業や県民の皆様に対し積極的に発信してまいる。


問 聴覚障がいのある教員等の配置と手話技術を持つ教員の育成について(教育長答弁)

  • ○ 今年度、小学校に1名、中学校に1名、特別支援学校に21名、聴覚障がいのある教員が在籍している。
  • ○ 学校においては、手話のできる教員の配置により、児童生徒とのコミュニケーションの促進や授業内容の一層の理解が図られるものと考えている。特に、聴覚障がいのある教員には、教員全体の手話技術の向上や児童生徒に対するロールモデルとしての効果が期待できる。
  • ○ 聴覚特別支援学校では、教員の手話技術に応じた研修の実施により技術の向上に努めている。また、小中学校等からの要請に応じて手話のできる教員を派遣するなど、手話技術を持つ教員の育成を支援してまいる。


問 手話通訳者の育成について

  • 〇 手話通訳者については、県が実施している派遣事業だけでなく、民間企業が主催する講演会やセミナー等への派遣要請も増加しており、現体制では、全てのニーズに対応していくことは困難な状況である。
  • 〇 これまで県では、手話通訳者を育成するため、基礎、応用、実践の3段階で各5か月課程の研修を実施してきた。ほぼ定員どおり20人の受講があるが、研修後に実施する登録試験の難易度が高いため、直近の合格者は3名と少ない状況である。
    •   今後は、丁寧な実技指導ができる少人数研修を実施し、登録試験の合格率アップを図ってまいる。
  • 〇 また、報酬が低いことも、手話通訳者になろうとする方が少ない要因の一つである。このため、すでに登録された方に対し、毎年実施しているスキルアップ研修で、同時通訳などのレベルの高い技術習得を支援し、高い報酬を得ることができる人材の育成を進めてまいる。
  • 〇 さらに、若い世代の皆様の手話通訳への関心を高めることも重要である。今年度から、県内の大学で福祉を学ぶ学生の皆さんに、聴覚障がいのある方が、コミュニケーションに対する経験や思いを、手話通訳を通して伝える研修会を実施しているところである。

問 「北部九州自動車産業アジア先進拠点推進構想」の総括と新構想について

  • ○ この構想では、「生産台数180万台」、「地元調達率70%」、「開発機能の集積」などを目標に取り組んでまいった。
    •  その結果、県内には607社の自動車関連企業が集積し、構想策定時60%だった地元調達率は70%を超えた。また、トヨタ自動車九州のテクニカルセンターやダイハツの九州開発センターなど開発機能も集積し、北部九州は、154万台の生産能力を持つ、開発・設計から生産まで一貫して担うアジアにおける自動車の一大生産拠点へと成長した。
  • ○ 一方で近年、自動車産業は、脱炭素化にむけた「電動化」などへの対応や「自動運転」といったCASEと呼ばれる技術革新など、100年に一度といわれる大変革期を迎えている。
    •   これにいち早く対応していくため、地元カーメーカーや有識者など産学官からなる検討委員会を設置し、新たな構想の検討を行った。
    •  これを踏まえ、1年前倒しで、今年5月に従来の「生産台数拡大」から、「脱炭素化」や「CASE」に重点を置く「北部九州自動車産業グリーン先進拠点推進構想」を策定したところである。
  • ○ 今後は、この新構想の下、
    • ・地元サプライヤーの電動化分野への業態転換の促進
    • ・自動運転といった次世代技術への参入支援
    • ・生産工場のカーボンニュートラル化の促進
    • ・これらを支えるデジタル分野等での人材育成
  • などに取り組み、北部九州自動車産業のグリーン先進拠点化を目指してまいる。


問 脱炭素化に取り組む中小企業の支援について

  • ○ 県では、脱炭素化を促進するため、
    • ① 中小企業を対象とし、
      • ・環境経営について先進企業の事例紹介を行う「経営者向け講座」や
      • ・空調、照明などの機器の運用改善手法に関する「技術者向け講座」、
      • ・国の補助金活用に向けた工場、運輸、ビルなど業種別の「補助金講座」
    • などの各種講座や相談会を実施している。
    • ② また、事業場等に専門家を派遣して助言や提案を行う省エネ診断の実施や
    • ③ 制度融資による再エネ・省エネ設備の導入等への融資
    • を行っている。
  • ○ さらに、今年度から、県が実施する省エネ診断を受診した中小企業が、省エネ効果が期待できる空調、給湯設備などの更新やLED照明の導入等を行う際に、その経費の一部を補助することとしており、今年7月から申請の受付を開始しているところである。
  • 〇 これらの取組により、中小企業の脱炭素化に向けた取組を推進してまいる。


問 自動車産業の変化に伴う中小企業への支援について

  • ○ 自動車メーカー各社は、電動車の市場投入を相次いで進めているが、EVの場合、エンジンやトランスミッション、クラッチなどの部品が不要となるため、これらを生産する中小企業に影響が及ぶ可能性がある。
  • 一方で、バッテリー、モーター、インバーターなどの部品の需要は拡大すると見込まれることから、これらの部品に参入する中小企業を増やしていく必要がある。
  • ○ このため、県では、EVの構造や部品などの最新情報を提供する「自動車電動化部品研究会」やEVの分解部品を使った技術講習などを行う「自動車電動化技術道場」を開催している。
  • ○ さらに、今年7月には、地元企業の電動化部品への参入を支援する「自動車関連企業電動化参入支援センター」を県中小企業振興センタービルに開設し、電動化に関する相談や課題解決のための専門家派遣、さらには、工業技術センターと連携した製品開発支援などに取り組んでいる。
  • ○ 今後は、こうした電動化分野に加え、燃料電池や水素ステーションの部品など、水素関連産業への参入を促進してまいる。併せて、今後成長が見込まれる風力発電産業への参入についても支援してまいる。


問 水素ステーションの整備促進について

  • ○ 水素ステーションの整備を促進するためには、水素需要を拡大させることが必要である。そのため、FCVと比較して10数倍の水素利用量が見込まれるFCトラックの普及が、その「切り札」として期待される。
  • ○ このため、今議会において、県内物流事業者のFCトラック導入を支援する予算をお願いするとともに、業界全体の導入意欲を喚起するため、県トラック協会と連携して、運行データ等の情報を広く発信するほか、試乗会を県内各地で行うこととしている。
    •  今後、こうした取組を拡大することにより、広く県内全域の物流事業者への導入を促進し、FCトラックの先進拠点を目指してまいる。
  • ○ また、小規模な水素需要でも対応できる、従来の半額程度で整備可能な「小型水素ステーション」が開発され、注目を集めている。
    •  県では、水素需要の拡大と併せ、地域の需要に応じ、こうした小型ステーションも活用することにより、これまでステーションが無い地域に対しても、整備を促進してまいる。

問 有害鳥類対策の充実について

  • 〇 県では、国の交付金を活用し、市町村や狩猟者などで構成する協議会に対して、侵入防止対策として、防鳥ネットや爆音機の整備に対する支援を、捕獲対策として、捕獲した羽数に応じた捕獲補助金の交付を行っている。
  • 〇 この結果、鳥類による農林水産物の被害額は、ピークであった平成22年度の7億3,000万円から、昨年度は2億7,000万円まで減少しているものの、近年は横ばいで推移している状況である。
  • 〇 こうした中、「国の捕獲補助金では割に合わない」といった捕獲従事者の声や、「国からの予算配分が少ない」といった市町村の声があることから、県では、国に対し、捕獲補助金の単価の増額と、十分な財源の確保について、要望しているところである。
    •  また、鳥類についても市町村が国の捕獲補助金に上乗せして助成した場合は、特別交付税が措置される制度について、市町村に周知し、活用を働きかけているところである。
  • 〇 加えて、今年度からは、従来のイノシシ、シカに加え、カラスの被害対策についても研修会を開催し、専用の捕獲わなや防鳥ネットの張り方などについて指導を行ったところである。
    •  県としては、市町村に有害鳥類対策の重要性や手法を周知するとともに、鳥類に関する研修会の開催回数を増やすなど取組を強化し、有害鳥類対策の充実を図ってまいる。


問 行動域の広い鳥類の被害対策について

  • 〇 鳥類は行動範囲が広いことから、被害を減らすためには、広域的な捕獲対策が有効である。
    •  このため、県では、農林事務所ごとに市町村や狩猟者などで構成する広域協議会を設置し、市町村をまたいだ捕獲計画を策定したうえで、一斉捕獲を実施している。また、この際に狩猟者が使用した弾代や車の燃料代などを助成している。
  • 〇 捕獲数を増やしていくためには、全県下での狩猟者の育成も必要である。このため、県では、狩猟免許の取得者を対象に、わなの設置や猟銃の取扱いに関する研修会を開催してきたところである。
    •  これに加えて、今年度からは新たに、狩猟現場において、ベテランの狩猟者がマンツーマンで指導を行う取組を開始した。
  • 〇 県としては、こうした広域的な鳥類の捕獲対策を主体的に実施し、捕獲数を増やすなど、農林水産物被害の軽減に努めてまいる。


問 私立学校における制服及び水着の指定の現状について

  • 〇 制服を指定している私立学校において、選択制を導入している学校は、小学校8校のうち1校が導入済みで、3校が導入予定。中学校26校のうち9校が導入済みで、5校が導入予定。高等学校60校のうち37校が導入済みで、10校が導入予定となっている。
  • 〇 また、水着を指定している小学校は9校、中学校は25校あり、選択制を導入済み又は導入予定の学校はない。
    •  高等学校は45校が指定しており、このうち1校が選択制を導入済みで、導入予定の学校はない。


問 制服及び水着の選択制に対する認識について

  • 〇 県では、性的少数者の児童生徒へのきめ細かな対応の実施に関する国の通知を受け、各私立学校に周知を図ってきた。
    •  制服や水着について、児童生徒の選択の幅が広がり、自分らしく安心して学校生活を送ることができることは大切なことと考えている。
    •  県としては、公立、私立を問わず、県内の学校における選択制の取組状況について、私立学校に対し、情報提供を行っていく。


問 県立学校における制服及び水着の指定の現状について(教育長答弁)

  • ○ 本年度、制服を指定している県立学校110校のうち、スカートかスラックスかを選択できる学校は97校であり、来年度以降に導入予定の10校を含めると、全体の97%が制服の選択制を実施することとなっている。
  • ○ また、水着については、水泳の授業を実施している県立学校47校のうち、セパレート型や長袖の水着等を自由に選択できる学校は39校である。残りの8校においては、男女別に水着の形を指定しているが、個別に申し出があった場合には、その他の水着の着用を認めている。


問 制服等の選択制に関する今後の方針について(教育長答弁)

  • ○ 制服のあり方については、県教育委員会として、これまで、児童生徒が安全・安心な学校生活を送れるよう、温度調節や動きやすさ等の機能性、肌の露出を減らす防犯対策など幅広い観点から、その見直しを図るよう学校に促してきたところであり、現在ほとんどの学校で選択制が実施されている。
    •  御指摘の水着に関しても、同様の観点から、その弾力化を進めてまいる。
  • ○ 今後とも、各学校において、望ましい制服等のあり方が検討され、不断の見直しがなされるよう指導してまいりたいと考えている。


問 定数欠講師の未配置の状況について(教育長答弁)

  • ○ 今年度、必要な定数欠講師が確保できず未配置となっているのは、小学校の14.4%にあたる63校で66人、中学校の18.5%にあたる37校で56人、県立学校では、高校に未配置はなく、特別支援学校の20.0%にあたる4校で5人となっており、これまで減少傾向にあったが、昨年度から増加し、厳しい状況にあると考えている。
  • ○ また、定数欠講師のうち、臨時免許状により対応している人数は、小学校306人、中学校66人、高校16人、特別支援学校37人となっており、小学校で担任業務もしている主幹教諭等は31人となっている。


問 採用計画における定数の推計について(教育長答弁)

  • ○ 小中学校における正規教員率については、昨年度まで上昇してきているが、目標には至らなかったため、定数の推計をやり直し、過去3年間の特別支援学級の伸び率や、中途退職者の人数を反映させるなど、より精度の高い推計に基づき、今年度の新規採用を行ったところである。
  • ○ しかしながら、採用試験の志願者の減少や合格発表後の辞退が見込みを上回り、採用予定数より110人少ない840人しか採用できなかったため、目標を達成できなかったと考えている。


問 今後の教員採用のあり方について(教育長答弁)

  • ○ 多様な専門性を持つ社会人を教員として採用することは、学校教育における新たな課題への対応のため効果的な方策であると考えている。
  • ○ このため、採用試験の年齢制限を段階的に引上げるとともに、中学校及び高校の理科、英語、情報等の教科について、専門職経験者の特別選考を実施し、一次試験を免除することで、社会人が受験しやすくしている。
  • ○ また、教員を志望する者を増やすため、大学や企業と連携を深め、特別免許状の活用により社会人の受験を促す取組や、県内外の学生への情報発信を強化するとともに、大学の推薦による特別選考の実施を検討するなど、質の高い教員の確保に向けた取組を推進してまいる。

問 久留米市内の浸水対策の進捗状況について

  • 〇 久留米市内では、浸水被害が甚大であったことから、国や市とともに設置した「浸水対策検討会」において、「総合内水対策計画」を策定し、浸水対策に取り組んでいるところである。
  • 〇 この計画に基づき、県では、これまでに金丸川・池町川及び下弓削川の堤防嵩上げを完了させている。
    •  現在、池町川では地下調節池の工事に着手するとともに、地下放水路の工事を、本議会において契約議案として提出している。
    •  また、山ノ井川では、堤防嵩上げと橋梁架替を、大刀洗川では護岸の整備を、陣屋川では橋梁架替を進めている。
  • 〇 国においては、筑後川本川の浚渫工事を、合川地区ほか2地区で完了させ、大杜地区ほか3地区で予定しており、築堤工事を北野地区ほか2地区で進めている。
    •  また、下弓削川においては、枝光排水機場の増強を終え、今年の出水期から運用を開始し、金丸川においては、古賀坂排水機場の増強を進めている。
  • 〇 久留米市においては、大学のグラウンドを活用した雨水の貯留施設や市管理河川の堤防嵩上げ、雨水幹線などの整備を進めている。
  • 〇 今後も国や市と連携を図り、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の予算などを活用し、引き続き計画的に浸水対策を進めてまいる。


問 地域住民へのきめ細かな情報提供や広報について

  • 〇 県では、国や久留米市とともに、実施箇所や事業の内容、効果について、地元説明会や、ホームページでの情報発信、報道機関への情報提供などを行っている。
  • 〇 また、特に浸水被害の続いている地域では、災害への不安の声があり、事業への関心も高いことから、より丁寧に情報を提供するため、今年度から、チラシの各戸配布などを行ったところである。
    •  今後も、地域の皆様の声を聞きながら、必要に応じて情報提供の方法を見直し、よりきめ細かな対応に努めまいる。
  • 〇 県管理河川の流域で実施する浸水対策については、引き続き、国や市と緊密に連携を図りながら、県が中心となり、より丁寧に情報提供を行ってまいる。


問 県単独の河川の維持管理予算の確保について

  • 〇 県管理河川の維持管理に係る当初予算は、土砂の堆積状況や地元の皆様の要望等をもとに、治水上の安全度や緊急性、さらに近年の浸水被害の状況を勘案のうえ、筑後川水系の浚渫など、必要な箇所に重点的に配分している。
  • 〇 さらに、大規模災害の発生時などには、土砂の堆積等、被害状況に応じて、議会の承認を得ながら、必要な追加予算を確保してきた。
  • 〇 引き続き、国に対し筑後川の浚渫等の要望を行うとともに、流域全体の皆様の安全・安心を守るため、必要な事業が実施できるよう、予算の確保に努めてまいる。


問 筑後川水系の県管理河川の予算の確保について

  • 〇 河川の維持管理に係る県単独の当初予算は、平成29年度は43億8,000万円余、令和4年度は39億8,000万円余となっており、平均で1年あたり2%程度の減少で推移している。しかしながら、浚渫等の実施にあたっては、県単独予算に加え、財源面で有利な補助・交付金事業を最大限活用し、必要な事業規模を確保している。
  • 〇 こうした予算を活用し、近年浸水被害が頻発している久留米市内においては、令和元年度から昨年度までに、陣屋川、広川、巨瀬川など17河川において、約10万立方メートル、一般的な25メートルプール約330杯分に相当する規模の浚渫等を実施している。
  • 〇 引き続き、筑後川水系の浸水対策等に必要な予算の確保に努め、防災・減災・県土強靱化にしっかり取り組んでまいる。

民主県政クラブ県議団とは

立憲民主党14名、国民民主党2名、社民党1名、無所属3名で構成する総勢20名が所属する会派です。

県議会の会派の中で最も女性議員が多く、8名の女性議員が活躍しています。

第2会派として、格差をなくし誰もが活躍できる社会・ジェンダー平等社会の実現のため、地域の皆様のお声を最大限県政に反映できるよう一丸となり取り組んでおります。活動の内容をこのホームページで随時ご紹介していきます。

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