議会概要
2021年(令和3年)12月議会定例会は、12月1日から12月20日までの20日間の会期で開催されました。
開会日には、補正予算議案3件、条例議案7件、専決処分1件など合計26議案が上程されました。主な条例は、福岡県職員の特殊勤務手当に関する条例及び福岡県職員の給料の調整額に関する条例の一部を改正する条例、福岡県住民基本台帳法施行条例の一部を改正する条例、福岡県都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条例の一部を改正する条例などで、専決処分1件の内容は財産(排水ポンプ車)の取得に関する議案でした。
12月6日に本会議が開催され、辞任された十中前副議長の後任として、仁戸田元氣議員が新副議長に選出されました。
12月7日には人事委員会勧告に基づく給与改定関係4条例と補正予算の5議案が追加上程され、同日関係常任委員会で審査のうえ、翌12月8日の本会議で議決されました。
更に12月17日に、国の経済対策に伴う補正予算追加議案等2件が上程され、各常任委員会での議案審査を経て、定例会最終日の12月20日にいずれの議案も議決されました。
代表質問
12月7日に行われた民主県政クラブ県議団の代表質問の登壇者は山本耕一議員(北九州市若松区選出)でした。
次期総合計画、新年度予算編成、行政改革委大綱への基本的な考え方、新型コロナウイルス感染症対策、男性の育児休業の取得推進、児童相談所の体制整備、教職員の労働条件の改善など、緊要な行政課題について服部知事、吉田教育長、野村警察本部長に対し質問を行いました。
代表質問の内容
1 県政推進の基本姿勢について
① 次期総合計画、来年度の予算編成及び行政改革大綱について
② 新型コロナウイルス感染症対策について
③ コロナ禍で疲弊した地域公共交通機関への支援について
④ 男性に育児休業の取得促進について
2 新県立美術館の整備と文化芸術振興について
3 児童相談所の体制整備について
4 気候変動に対する本県の施策について
5 教職員の労働条件改善について
代表質問の概要
人財育成、ジェンダー平等など知事の選挙公約を次期総合計画、来年度予算編成、行政改革大綱へどう反映するか方針を質したところ、それぞれに盛り込む旨回答を得ました。新型コロナウイルス感染症対策としては、今後の感染拡大に備え、医療スタッフを含めた医療体制の整備、自宅待機者への支援、ワクチン接種を推進するとともに、保健所職員の過重労働の軽減に努めることが示され、更に、コロナ禍で疲弊した地域公共交通機関支援のため広域の旅行需要の喚起を目指すことや非接触型決済機器(ICカード)導入を促す旨を表明されました。
知事は、新県立美術館について、その独自性の発揮と福岡市美術館との連携を目指し、更に若手芸術家の活動の場の拡大を検討すること、児童相談所職員の専門性の向上を図り、一時保護所での子どもの学習指導を工夫することが示されました。また、地球温暖化に対し、気候変動に応じた農業、漁業支援、更に、電力の広域融通を可能とする地域間連携線の拡充と再生可能エネルギーの普及拡大に努めるとされました。
男性の育児休業取得促進のため、知事、教育長、警察本部長から職場環境整備を進めるとの回答を得、超過勤務が多い教員の勤務時間管理の厳格化と学校行事の精選、部活動指導員の導入などに努めると教育長が発言されました。また、知事から、三六協定が締結されていない私立小中高校への指導を行う旨発言を得ました。
一般質問(登壇者8名)
佐々木允議員(田川市)
一、骨髄バンク制度の充実について
一、県立高校における魅力化及び地域との協働の推進について
渡辺美穂議員(太宰府市)
一、 教職員の未配置問題と働き方改革について
中嶋玲子議員(朝倉市・朝倉郡)
一、福岡県の農業を守る足腰の強い農業、稼げる農業について
後藤香織議員(福岡市早良区)
一、放課後の子供たちの命を守る取組の強化について
一、「情報Ⅰ」正規教員の配置体制と授業支援について
新井富美子議員(久留米市)
一、福岡県の「グリーフケア」の取組について
大田京子議員(福岡市南区)
一、医療的ケア児及びご家族への支援について
一、子供ホスピスの必要性について
中村香月議員(久留米市)
一、森林の保全と林業振興について
民主県政県議団 代表質問 登壇者 山本耕一
民主県政クラブ県議団の山本耕一です。会派を代表して質問をしてまいります。
質問に入ります前に、まず、先月2日に亡くなられた小川洋前知事に、心からの哀悼の意を表します。福岡県民を幸福にするため力を尽くされた小川前知事の遺志をしっかりと受けとめ、我が会派としてその思いに応えるべく、全力を尽くすことをここにお誓い申し上げます。
来年度の予算編成及び行政改革大綱について
それでは質問に入ります。
最初に、次期福岡県総合計画、来年度の予算編成及び行政改革大綱について質問します。
まず次期総合計画についてお聞きします。
服部知事が本県で実現したい思いは、選挙公約である「『未来を拓く』はっとり誠太郎政策集」に記されています。その冒頭には「三つの挑戦」とあり、「次代を担う『人財』の育成」、「世界の舞台で勝負できる福岡県」、「ワンヘルスの推進」を掲げられています。更に知事は、各地でご自身の政策を述べられるときに必ず『人財育成』の重要性を述べられており、強い想いを感じます。
人財育成について、知事は政策集の中に、「未来ある少年が、様々な経験・体験を通じて、自らの可能性に気づき、能力を磨き、大きく羽ばたいて欲しいと思います。夢に向かってチャレンジする青少年を応援してまいります。また、県内各地域の活性化、産業・経済の発展、スポーツ、文化・芸術の振興を担い、活躍する人材を育成してまいります」と記されています。また、人財育成と関連があるジェンダー平等の推進も大きくクローズアップされており、的確な対応が求められます。
そこで1点目に、知事が特に重要視されている人財育成についてどのように次期総合計画に盛り込んでいこうとされるのか、知事の方針についてご披瀝ください。
2点目に、総合計画に取り入れられる人財育成の中に、ジェンダー平等の視点はどう盛り込まれるのか、また、その理念を県の様々な施策に反映していくためには、外部の意見も取り入れていく必要があると考えますが、知事の見解をお伺いします。
来年度予算編成に関する基本方針について
次に、来年度の予算編成に関する基本方針をお聞きします。
現在、執行部では新年度予算に向けた編成作業が行われています。基本的には収束宣言がまだ出されていない新型コロナウイルス感染症に対する対応や、この2年で停滞した経済活動の再興などが中心となってくると思われますし、福岡県を支える人、労働者、生活者一人一人を大切にする施策の展開も検討されていることと思います。
服部知事は小川県政の継承を標榜されていましたが、来年度予算は、知事が陣頭指揮を執る初めての予算編成となり、新型コロナウイルス対策については新年度予算においても盛り込まれるとは思いますが、人財育成に取り組まれる服部カラーが反映されるものになるものと期待しているところです。
そこで質問です。知事が強い想いを持たれている人財育成に関する予算も含め、来年度予算の編成に関する基本的な考えをお示しください。
行政改革大綱について
次に、行政改革大綱についてお聞きします。
過去の行政改革大綱では、行政の効率化を目標に、人と予算を減らすことを主眼として取り組まれてきました。しかしながら、そのことにより、今般のコロナ禍で保健所機能の脆弱さなどの課題が明らかになりました。
そこで質問です。行政改革にあたっては、新たな行政課題への対応を含め、どのように人を配置し、予算を配分するのか、また必要であれば行政組織を見直す観点も必要です。次期大綱策定にあたって、行政改革に対する知事の基本的な考えをお聞きします。
新型コロナウイルス感染症対策について
新型コロナウイルス感染症対策について質問します。
国内で最初の新型コロナウイルス感染症の感染者が2020年1月16日に確認されて2年近くが経とうとしています。その新型コロナウイルスの感染者数が10月半ばから急激に減少してきました。しかし、海外では再び増加している国もあり、ワクチン接種者においてもブレークスルー感染の恐れがあります。更にオミクロン株も日本に侵入してきました。私たちはここで気を緩めることなく感染防止に努めることが緊要との思いは知事と同じであります。
さて、今年の夏、第5波により感染者が急増した際、本県の医療提供体制も大きく逼迫しました。今後第6波が懸念される中、第5波の経験を踏まえて、医療提供体制、宿泊療養体制について、十分な対策をとることが大切だと思います。
そこで1点目に、第5波における医療提供体制及び宿泊療養体制の課題について知事のお考えをお示しください。
2点目に、第6波の始まりとピークの時期やその際の新規陽性者数について、県はどう分析し、想定しているのか、第5波と比較し、お示し下さい。その上で、第6波のピーク時における病床数、宿泊療養施設の部屋数、自宅待機者はどの程度を想定されているのでしょうか、知事の考えをお聞かせください。
医療提供体制の整備について
次に、医療提供体制の整備に関して、お聞きします。
10月15日、政府は「ピーク時に即応病床と申告されながらも使用されなかった病床」を「幽霊病床」と称し、今後のその把握と病床の確実な稼働のためコロナ病床の使用率を8割以上にすることなどをとりまとめました。
そこで3点目に、本県における幽霊病床の実態をどの様に把握しているのかお示し下さい。また、その実態を踏まえた上で、幽霊病床に関する知事の認識もお聞きします。その上で、第6波に備え、病床使用率を国の示す8割以上とすることができるのか、それぞれお答え下さい。
療養体制の整備について
次に療養体制の整備についてお聞きします。
第5波のピーク時には本県の自宅待機者は9127人にのぼりました。9月定例会の我が会派の代表質問で、この点について、服部知事は「今回のように爆発的に陽性者が増加すると、症状に応じて自宅療養していただくということもやむを得ない」と述べた上で「基礎疾患を有し、重症化リスクのある方に優先的に宿泊療養施設に入所していただき、重症化リスクがなく、症状の軽い方については、医療支援、生活支援の充実を図った上で、自宅で療養をしていただいている」と述べています。
しかし、本来は入院、もしくは宿泊療養施設へ入所することが原則であり、その点は知事もたびたび発言されています。
そこで4点目に、第6波においても、陽性者は入院・宿泊療養施設への入所が原則なのか、お聞きします。また、第6波における宿泊療養施設の運営に必要となるスタッフの確保は十分に整っているのか、あわせてお聞きします。
5点目に、自宅待機者が発生した場合の対応について、9月定例会の代表質問において、知事は市町村へ自宅待機者の情報提供を行うとともに、生活支援の充実を図ることを答弁しています。その後の取組状況についてお聞きします。
ワクチン接種について
次にワクチン接種について質します。
まず、6点目にワクチン接種は11月末までに接種希望者全員に対して完了する目標を立てられましたが、それは完了したという認識なのでしょうか、お聞きします。
未接種者のワクチン接種促進について
次に、未接種者のワクチン接種のさらなる促進についてです。
7点目の質問として、10月から11月における新規陽性者のうち、ワクチン未接種者の割合は何%なのか、お聞きします。また今後の感染拡大を抑えていくためにも、ワクチン未接種者の接種促進は大きな課題だと感じますが、その対策についてお聞きします。なお、ワクチン未接種者で今後新たに接種を希望する方への対応も含めお聞きします。
3回目のワクチン接種について
8点目に、3回目のワクチン接種についてお聞きします。
現在、本県では、3回目のワクチン接種に関して、対象者はどのようになっているのか、どのような接種体制で行うのか、ワクチンの確保も含め、知事の考えをお聞かせください。
後遺症対策について
次に後遺症対策についてお聞きします。
コロナ感染から回復した人の中には後遺症で苦しむ方が多いとの報道があります。国立国際医療研究センターの調査では感染者の4人に1人が半年後も後遺症に悩んでいるとのことです。本県では11月までに約7万5千人の感染が確認されていることから、統計的には2万人弱の方が新型コロナの後遺症を抱えていると推測されます。県医師会は後遺症についての相談窓口を整備したい旨を示されました。県としても後遺症の状況を把握し、適切な医療に結びつける支援をすべきです。また後遺症で苦しむ人たちの中には周りの理解不足に苦しむ人もいます。
そこで9点目に、後遺症に関する相談窓口の設置に関しては県医師会と協議・連携して整備すべきと考えますが、知事の方針をお示しください。
保健所の充実強化について
次に感染対策の窓口となる保健所の充実強化についてお聞きします。
保健所は感染対策の窓口となるとともに、自宅待機者の健康観察も行ってきました。先ほど申した通り、第5波ピーク時の保健所の業務は多忙の上に多忙を極めたと聞いています。
そこで10点目に、第5波における8月の保健所職員の時間外勤務状況、またその中で保健師はどうだったのか、時間外の平均と厚生労働省が過労死ラインとしている直近1か月の時間外が100時間超の人数と割合も併せてお示し下さい。またその際の過重労働を含めた保健所業務の課題について、知事はどのようにお考えなのか、お聞きします。
また、第6波、さらにその後の感染が拡大した際に第5波における保健所業務の課題を踏まえ、今後どのような対策を行うのか、特に過重労働に対して、その軽減を図るための具体的な取組を行うべきと思いますが、知事の考えをお示しください。
地域公共交通機関への支援について
次に、コロナ禍で疲弊した地域公共交通機関への支援についてお聞きします。
約2年にわたる新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの公共交通機関はコロナ前と比較し、乗客数が大きく減少しました。
鉄道やバスといった地域公共交通機関は、自動車での移動が難しい交通弱者、高齢者や若者、コロナ後に再び増加するであろう外国人観光客の皆さんの生活・経済活動を支える重要な役割を担っていますが、コロナ禍で経営がますます厳しくなり、路線廃止といった衰退を招く可能性も大いにあり、その結果、所により交通弱者が増加し、地域間格差がますます広がることが懸念されます。我が会派は、今こそ、より一層の公的支援が必要だと考えます。
そこで1点目に、コロナ禍における公共交通機関における現状をどう分析しているのか、知事の認識をお聞きします。またそれらに対する支援の取組についても併せてお示し下さい。
2点目に、コロナ禍における公共交通機関へのさらなる支援についてお聞きします。
観光需要の回復などを狙った「福岡避密の旅」は、ホテル宿泊に大きなメリットがあるものの、県民を対象とした県内の旅行に限られるため公共交通機関への恩恵がほとんどない、と言っても過言ではありません。
そこで、広域の旅行需要喚起策を早急に構築し、疲弊した公共交通機関の利用を促進する取組を行うべきと思いますが、知事の考えをお示しください。また、今回、宿泊割引の対象に近隣5県の県民を加えるとのことですが、九州全体での展開を進めるべきではないでしょうか。知事の前向きな答弁を期待します。
公共交通機関が実施する感染対策の取り組みについて
次に、公共交通機関が実施する感染対策のさらなる取り組みについてです。
コロナ禍では感染予防に資する非接触型を目的とした店舗の改装などが数多くされてきました。それを公共交通機関でみると、最も非接触型で貢献できるのがICカードの普及ではないでしょうか。
群馬県では、非接触型決済機器導入を推進するため、昨年度交通系ICカード導入の補助率を大幅に拡充し、これまで交通系ICカードが使えなかった公共交通機関や駅などについて、普及を図っています。
本県でもJRでは、久大本線、後藤寺線や日田彦山線で、また平成筑豊鉄道や一部路線バスなどでは交通系ICカードが未対応となっています。
そこで3点目に、非接触型決済機器導入を推進するための支援を、本県としても行うべきだと思いますがいかがでしょうか。知事の今後の取組をお聞きします。
男性の育児休業の取得促進について
次に男性の育児休業の取得促進について、お聞きします。
昨年5月、国は、男性の育児休業取得率を2025年には30%まで引き上げる目標を閣議決定しました。更に、その実効性を確保するため、本年6月、改正育児・介護休業法が国会で可決し「出生時育児休業」いわゆる「男性版産休」の導入など、新たな制度が追加されたところです。
労働力人口の減少やコロナで働き方が大きく変わった今、誰でもいつでも仕事とプライベートを両立できる社会の実現に向け、本県職員が男性の育児参加を率先し、牽引していくべきです。
そこで、はじめに男性が育児休業を取得する社会的意義と効果について、知事の認識をお聞きします。
2点目に、本県職員の特定事業主行動計画に基づく男性の育児休業取得の現状について、知事、教育長、及び警察本部長にお聞きします。
知事部局、教育委員会、福岡県警察における、2020年度の男性の産前・産後期間中の出産育児に関する休暇の取得率と育児休業の取得率の数値目標とその現状をお聞きします。また、数値目標に達していない場合、その要因についてどう分析しているのか併せてお伺いします。
ユニセフの調査では、給付金が出る男性の育児休業の期間では、日本は世界1位との評価を得ています。このように良い制度がありながら、その取得を言い出せない会社の雰囲気などが大きな壁となり、実際に取得する父親は非常に少ないのが現状です。
10月から佐賀県では、2週間以上の育休取得率100%を目標とし、子どもが生まれた県職員が気兼ねなく休めるよう、育休を取得できなかった場合、所属長が「不取得理由書」を提出する取組を始めました。このように組織のトップの意識改革や自ら推進する姿勢を発信することが大変重要です。
そこで3点目に、県では、男性育休取得率アップにどのような取組をしているのか、お聞きします。その上で「不取得理由書」といった新たな取組について、知事、教育長の見解をお聞きします。
市長自ら「イクボス宣言」をしている北九州市では、イクボスを人材育成の必須取組として位置づけ、様々な取組を行い、育児休業取得率が6年間で8倍以上、その取得日数も2倍以上になるなど、実践効果が表れています。本県の課長職以上の「イクボス宣言」が、形骸化していないか、この機に見直す必要があると考えます。
そこで4点目に、知事はイクボスとして、どのように仕事と子育てを両立できる県庁を作っていくのか、その具体的な取組を示してはどうでしょうか、お尋ねします。
新県立美術館の整備と文化芸術振興について
新県立美術館の整備と文化芸術振興についてお聞きします。
県は、先月11日の第6回新福岡県立美術館基本計画策定委員会で示された最終案をもとに基本計画を策定し、先月30日に公表しました。今後、現地調査、各種設計、建築工事を経て、大濠公園が開園100周年を迎える2029年度に開館されるものと承知しております。新県立美術館の整備は、本県の文化芸術の振興はもとより、地域活性化や観光振興に資することから多くの県民が注目しています。以下、お尋ねします。
まず1点目に、基本設計についてお聞きします。新県立美術館は魅力的で、長く県民に愛される建物でなければなりません。そこで、できるだけ多くの提案の中から設計者を選定するのが望ましいと考えますが、知事の見解をお聞かせください。また、現在の県立美術館の建物の活用方法についても併せて考えをお聞かせください。
2点目に福岡市美術館との連携についてお聞きします。新県立美術館の建設予定地からわずか200メートルのところに福岡市美術館があり、大濠公園内に美術館が2つあるという感覚を持たれる県民も少なからずおられると思います。だからこそ、新県立美術館の独自性をどう発揮し、また、福岡市美術館とどのように連携していくのか、早く方向性を明確にすることが大切ではないかと思いますがいかがでしょうか、お答えください。
本県の文化芸術の振興について
次に、本県の文化芸術の振興についてお聞きします。
2020年3月に制定された福岡県文化芸術振興条例では、文化芸術の振興に関する施策に関し、基本理念を定め、県の責務等を明らかにするとしています。また同条例に基づき、本年4月福岡県文化芸術振興基本計画を策定しており、今後、文化芸術の振興に向けてこれまで以上の取り組みが進められることを大いに期待したいと思います。
その一方で、本年6月定例会の一般質問において、私が福岡県美術展覧会の出品数が直近の20年で4割以上減少していることについて質したところ、教育長は「今後は若い世代の芸術家の掘り起しに努める」と答えています。
コロナ禍で文化芸術活動も停滞しているとお聞きしており、条例はもとより、新県立美術館開館に向けて、文化芸術振興を、県としても強く後押しする時期に来たのではないかと思います。私たちは、デジタルアート、現代アート、更に前衛的な芸術作品を目にする様になりました。その担い手の多くは若い人たちです。
そこで3点目に、若い芸術家を支援するため、まずは特に目にするようになったデジタルアートに対する支援を進めるべきと思いますが、知事の考えをお聞かせください。
児童相談所の体制整備について
次に、児童相談所の体制整備について伺います。
先日、我が会派は福岡児童相談所を訪問し、児童相談所の現状を調査してまいりました。
まず、一時保護所では、保護している子供に職員の目が届きにくい、風呂が男女共同となっているなどの問題点がありました。一時保護所の更新にあたっては、デザイン面ではなく、保護を目的とした機能面を最大限重視すべきことを指摘しておきます。
さて質問です。
政令市を含む本県の児童相談所が対応する虐待の相談件数は、年々増加を続け、2020年度は10,272件と初めて一万件を超え、2016年度の4,194件と比べて約2.5倍に増加しております。最前線で対応にあたる児童相談所の職員は、夜間、休日を問わず、児童を保護し、保護者から相談を受けるなど、大変な業務を担っておられる実態がありました。
県では、増加する児童虐待相談に対応するため、児童相談所の児童福祉司を、児童福祉法が改正された2016年度からこれまで、73名から113名に増員するなど、6月議会の我が会派の代表質問に知事が答弁されたように、計画的に体制強化を進めておられることは承知しております。
しかしながら、それは、勤務経験が浅い児童福祉司が増加したとも考えられます。厚生労働省が行った全国の児童相談所に対する調査では、今年4月時点で経験年数が3年未満の児童福祉司が全体の約51%と、半数を超えることが明らかになっております。
そこで1点目に、県所管の児童相談所における児童福祉司の勤務経験年数の状況はどうなっているのでしょうか、お示し下さい。
また、経験年数が浅い職員に対しては、中堅やベテラン職員の高い相談援助技術でしっかりフォローしていくことが重要です。また、子どもや保護者と向き合い、虐待から子どもの命を守るためには、経験の浅い職員も含め、職員全体の専門性を向上させることが急務と考えますが、県ではどのようにレベルアップを図っていかれるのか、知事に伺います。
次に、虐待相談を受けた児童相談所は、子どもの安全を迅速に確保する必要がある場合など、子どもを保護者から分離する一時保護を行うこととなります。
2020年度には、延べ2084人の子どもが、県所管の児童相談所の一時保護所等で保護されています。子どもの心身の状況や環境、家族の状況などにより、一時保護の期間は変わってくると思います。
一時保護された子どもたちは、虐待の状況などにより、学校に通うことができない場合は、一日中、一時保護所で生活することになります。学齢期の子どもは、一時保護所の中で学習することになり、我々の福岡児相の視察の際も、子どもが机を共有スペースに出して、職員の方に見てもらいながら学習しているという状況がありました。もちろん第一義的には、一時保護所から学校に通えることが望ましいのですが、現実的には施設内での学習が中心となっているのが現状です。保護期間が長くなった場合など、学習の遅れなどが懸念されます。
そこで2点目に、本県では、一時保護所で保護された子供は、一人当たり平均でどれくらいの期間在所しているのか、お示し下さい。
また、一時保護所に保護され、学校に通うことができない子どもに対して、県では、どのように学習支援に取り組んでいかれるのか、お伺いします。
気候変動に対する本県の施策について
続いて気候変動に対する本県の施策について伺います。
本県では大雨特別警報が全国で唯一5年連続して発表されるなど数十年に一度の大雨が常態化し、福岡市の平均気温がこの100年で約2.5度も上昇して雪の降る日が極端に減少するなど、地球温暖化に伴う気候変動は九州内でもとりわけ福岡県に大きな影響を及ぼしています。このことについて個人的にも気象予報士資格を持つ者としてたいへんに憂慮いたしておりますし、気候変動に対する県の施策についても注視をしているところです。
今年のノーベル物理学賞は、二酸化炭素の増加による地球温暖化について1967年にいちはやく指摘した真鍋淑郎(まなべしゅくろう)プリンストン大学上級研究員をはじめとする3人の科学者でした。かつてほとんど注目されることのなかった、この地球温暖化に伴う気候変動は、いま世界で最も注目を集める人類共通の大きな課題となっています。
そこで1点目に知事に伺います。県として把握している本県においての気候変動の特徴について、将来予測も含めて具体的にお示しいただき、地球温暖化とそれに伴う気候変動について、知事はどのような所見をお持ちか、お答えください。
さて、先月英国で開かれた国連気候変動枠組条約第26回会議=COP26では最終日に「世界の平均気温の上昇を1.5度に抑える努力を追求することを決意する」との成果文書が採択されました。
一方、国内においてはこれに先立ち、2050年までに二酸化炭素の排出を実質ゼロにすることを目指す政府の総合計画「2050年カーボンニュートラル」が提言されました。本県においても今年度末に新規の「地球温暖化対策実行計画」を発表することをもって、県としての「2050年ゼロカーボンシティ宣言」になるものと、9月議会で我が会派の渡辺美穂議員の質問に知事が答えています。
これまで述べたように、総合的な計画策定や宣言、そして当然、二酸化炭素等の温室効果ガスの排出削減は大切なことですが、一方で気温の上昇は今後も続くことが予想されることから、気候変動へ適応する取組も重要と考えます。
知事は先の9月定例会で、気候変動により人々の生活に様々な分野で影響が出ており、今年度改定予定の「地球温暖化対策実行計画」に気候変動の影響を防止、軽減するための適応策を盛り込む旨を発言されております。
新たな「地球温暖化対策実行計画」に係る環境審議会の答申案については、現在パブリックコメントが実施されております。この答申案には、「農林水産業」、「自然災害」、「健康」、「県民生活」の4分野において優先的に取り組むと記載されています。このうち、特に農業や漁業への影響、例えば農産物の収量や品質の低下といったものは、食をはじめとする私たちの日常生活に直結する大きな問題となります。
そこで2点目に、農業や漁業においての、気候変動への適応策として、これまでの具体的な取組と、今後どのように取組を進めていこうとされているのか、お答えください。
この項の最後に伺います。脱炭素社会を目指すうえで、再生可能エネルギーの活用は欠かせない要素です。折しも私の地元、北九州市若松区沖の港湾区域では、いよいよ来年度から洋上風力発電の建設工事が始まり、2025年度には運転が開始され、現時点の予定では25基の風車が稼働する見込みです。
九州では、全国で唯一、再生可能エネルギーの出力抑制が行われており、その回数は、2020年度で60日になりました。本年10月末現在、再生可能エネルギーの接続済が1479万キロワットのところ、更に承諾済が564万キロワットに上ります。そのため再生可能エネルギーを本県で推し進めても、出力制御が頻発しかねないものと危惧されます。
その解決には、全国で電力の融通をスムーズに行うことが必要であり、その具体策として、関門連携線の容量拡大を我が会派はたびたび取り上げてきました。2019年6月定例会の代表質問において、当時の小川知事は「国に対し系統制約解消のため、既存の地域間連系線の弾力的運用について働きかけを続けていく」と答えています。
そこで3点目に、関門連携線の拡充について、知事に改めてその考えをお聞きするとともに、本県から「国への働きかけ」の結果どのような取組が行われてきたのか、その成果及び今後の本県としての取組をお聞きします。
最後に、脱炭素社会実現に不可欠な再生可能エネルギーの普及拡大、主力電源化について、知事の考えをお示し頂いた上で、実現に向けて具体的にどのように取り組むのか、お聞きします。
教職員の労働条件改善について
次に、教職員の労働条件改善について知事及び教育長にお聞きします。
教職員の労働実態については、長らくその厳しい状況がマスコミ等でも報道されており、我が会派も代表質問において、たびたび取り上げてきました。6月定例会における我が会派の代表質問に対して、吉田教育長は、働き方改革取り組み指針において緊急に取り組むべき課題として、月80時間を超える超過勤務の解消を掲げ、統合型校務支援システムの導入・定着、部活動の負担軽減を図っていることを披瀝されております。
さて、こういった中、教員の時間外労働に残業代が支払われていないことは違法だとして、公立小学校教員が県に未払い賃金を求めた訴訟の地裁判決が10月1日出されました。請求そのものは棄却されたものの、判決のまとめとして、残業代を支払わない代わりに月給の4%分を一律支給するとした教職員給与特別措置法について「もはや教育現場の実情に適合していないのではないか」と異例の指摘をしています。また、「給特法を含めた給与体系の見直しなどを早急に進め、教育現場の勤務環境の改善が図られることを切に望む」と締めくくられています。
教員の給与については、私立や国立の教員にも労働基準法が適用され、残業代を支払う必要がありますが、公立校教員のみ給特法によって適用除外されています。我が会派は、まずこの給特法の早期改正を図ることを、国に強く求めていきたいと思っています。
そこで1点目に、教育長は給特法の課題をどのように認識しておられるのかお聞きします。
また不合理な給特法については、教職員の働き方改革に照らして、国に早急に改正を行うよう県教委として声を上げるべきだと思いますが、いかがでしょうか。それぞれお答え下さい。
2点目に、本県公立学校教員が公務員と同じように残業代が出ると仮定した場合、いくら支払われることになるのか、新型コロナウイルス感染症の影響のない2019年度において県教委が把握できる県立学校の教諭について、その金額を明らかにして下さい。
さて、県立学校については様々な働き方改革に取り組んでいるのは承知していますが、市町村立学校の場合、教員の服務監督権限は市町村教育委員会となります。そのため市町村によって、その取り組みに大きな違いが生じ、特に残業、持ち帰り残業などについて十分に対策が打たれていない現状にあるとお聞きしています。
そこで3点目に、市町村教育委員会における勤務時間管理は、適切に行われているのか、現状についてお聞きします。また、広域行政を担う県教委として、市町村教委にさらなる働き方改革を促すためにも、持ち帰り残業などの課題について助言すべきだと思いますが、いかがでしょうか、お答え下さい。
我が会派は2020年6月定例会の代表質問において、学校行事等の精選や簡素化について質し、城戸前教育長も、継続的に取り組む旨の答弁をしています。そういった中、学校現場では来年度の学校行事等を決定していく時期に差し掛かっています。
そこで4点目に、学校行事の精選と簡素化を県教委として促し、その結果、どのような結果が出ているのか、またウィズコロナを見据えた学校行事の精選と簡素化について、県教委としてなんらかの方針を明確にしていくべきだと思いますがいかがでしょうか、それぞれお答え下さい。
部活動指導員について
5点目に部活動指導員についてお聞きします。
教職員の働き方改革において、部活動の負担軽減は大きな課題で、この点について我が会派は長年その改善を訴えてまいりました。
そういった中、国は新たに部活動指導員制度を2017年4月に創設し、部活動における外部指導の充実を図っています。
そこでまず、部活指導員をはじめ、これまでに県教育委員会が実施した、市町村立学校も含めた部活動における地域等の人材活用に係る 事業の変遷についてお示しください。
次に、直近の県立学校、市町村立学校それぞれの部活動指導員の配置状況、及び意義と評価についてお示し下さい。
最後に、県立学校における更なる配置、また全ての市町村教委において、部活動指導員を配置するよう促すべきだと思いますが、今後の取組をお聞きします。
この項の最後に、私立学校の労働基準法遵守についてお尋ねします。本県についても2019年6月定例会、我が会派の代表質問で質しています。ここでは三六協定を締結していない私立学校の実態が多数に上ること、本県私立学校の非正規率の高さについてそれぞれ質してきたところです。
なお当時の小川知事は三六協定締結については、「全て協定が締結されるよう引き続き指導を続けてまいる」と答弁されています。
そこで、6点目に、現在本県の小中学校を含む私立学校全てにおいて三六協定を締結できたのか、お答え下さい。また県の指導にも関わらず、未だに締結できていないのであれば、県は労働基準監督署への通告や、補助金の減額なども含め、強い態度で臨むべきだと思いますがいかがでしょうか、お答え下さい。
問 次期総合計画への人財育成の反映について
○ 私は、新しい時代の県政を進めるにあたり、挑戦していくものの一つとして、「次代を担う『人財』の育成」を掲げている。
- 私は人こそが宝だと思っている。これから様々な技術が発達したとしても、将来の福岡県をつくっていくのは、やはり「人」である。
○ まずは、青少年の皆さんが、県内どの地域に居ても、格差なくしっかり学ぶことができるよう、ICTの整備など、充実した教育環境の整備に取り組んでいく。
- その上で、様々な経験、体験を通じて、自らの可能性に気づき、能力を磨き、夢に向かってチャレンジする青少年を全力で応援していく。
○ こうした考えのもと、現在、策定中の次期総合計画では、「次代を担う『人財』の育成」を30の取組事項の最初に掲げ、まずは、学力・体力の向上、道徳教育・人権教育の推進、ICTの活用など、学校教育の充実を図っていくこととしている。
○ その上で、体験・交流活動の推進、次世代のリーダー、アスリートや芸術家の育成など、未来へはばたく青少年を応援する取組や、実践的な英語力を身に付け、グローバル社会で活躍できる青少年を育成する取組を推進していく考えである。
○ また、半導体・DXや新成長産業、観光産業、農林水産業などにおいて、産業発展の中核となる人材を育成し、本県の将来の発展につなげていきたいと考えている。
問 総合計画の人財育成の中でジェンダー平等の視点はどう盛り込まれるのか、また、ジェンダー平等の理念を踏まえた施策への外部意見の反映について
○ あらゆる人々が活躍する社会やジェンダー平等の実現など、世界の持続可能性を見据えた「誰一人取り残さない」社会の実現を目指すSDGsの考え方が一層重要となっている。
○ 次期総合計画は、このSDGsの理念と軌を一にしており、ジェンダー平等の視点を持って施策を着実に進めていくこととしている。
- 産業振興、地域づくり、防災、スポーツなど、それぞれの分野における人財育成についても、同様の視点を持って取り組んでまいる。
○ 県では、ジェンダーや教育、労働など各分野の有識者で構成する男女共同参画審議会において、社会情勢の変化を踏まえたジェンダー平等に関する課題や施策の新たな方向性について、幅広い観点から御意見を伺い、男女共同参画計画の策定や計画に基づく施策の実施に反映しているところである。
○ ジェンダー平等の理念を県の様々な施策に反映していくためには、私も含めて、幹部職員が、外部の有識者や当事者の御意見を伺いながら、ジェンダー平等について改めて正しく理解をすることが必要だと考えている。
○ このため、今年9月に、私をはじめ、3副知事、各部長が一堂に会して、国連女性差別撤廃委員会の委員を講師に招き、「SDGsにおけるジェンダー平等の位置づけ」や「ジェンダー視点の政策策定」に関する研修会を実施した。
○ また、11月には、性的少数者の方による実体験を交えた講義と意見交換を行い、性の多様性や当事者のおかれている状況についてお話を伺ったところである。
○ 今後も、有識者や当事者の方々からの御意見を伺いながら、ジェンダー平等の理念が県の様々な施策にしっかりと反映できるよう取り組んでまいる。
問 人財育成を含めた来年度予算の編成に関する基本的な考えについて
○ 私は「誰もが安心して、たくさんの笑顔で暮らせる福岡県」を目指してまいりたいと考えている。
○ そのためには、まず、新型コロナ危機の克服と災害に負けない強靭な社会づくりを進めていかなければならない。
- 次の感染拡大に備え、病床や宿泊療養施設の確保を中心とした医療提供体制だけではなく、保健所等による療養調整を含めた総合的な保健・医療提供体制の整備を進めるとともに、コロナ禍で大きな影響を受けた中小企業、農林水産業、観光産業等の振興に取り組み、地域経済を立て直してまいる。
- また、被災地の復旧・復興に全力を挙げるとともに、流域治水を推進し、防災・減災、県土強靭化に取り組んでまいる。
○ 今後、世界を視野に未来を見据えて、福岡県を新たな成長・発展に導いていかなければならない。
- そのため、バイオ、ロボット、宇宙ビジネス、ブロックチェーン、先端半導体、風力発電産業といった先端技術を活用した成長産業の創出を図ってまいる。
- また、本県の経済・雇用を支える中小企業や農林水産業の振興を図るため、DXを推進し、生産性を向上させてまいる。
- このようなデジタル社会を支えるインフラとなる大規模データセンターの誘致を進めるとともに、産業人財の育成にも力を入れてまいる。
- さらに、次の新興感染症に備え、「福岡宣言」の地として、ワンヘルスセンターの整備や世界トップクラスの研究者による国際会議開催などの取組を加速させてまいる。
- こうした本県の発展を担うのは「人」である。県内どこでも充実した教育が受けられる環境を整えるとともに、夢に向かってチャレンジする青少年を応援するため、外国語能力の向上に向けた取組を進める。また、自らが生まれ育った地域に誇りを持ち、地域の未来を担う人財を育てる取組を県内各地に広げていきたいと考えている。
○ そして、将来の発展基盤の充実である。
- 福岡空港の滑走路増設、北九州空港の滑走路延長、高規格道路の整備や産業用地の造成など、発展の基盤となる社会資本の整備に向けた取組を着実に進めてまいる。
○ こういった取組を進めながら、地方創生の基本である「住み慣れたところで『働く』、長く元気に『暮らす』、子どもを安心して産み『育てる』」ことができるジェンダー平等の地域社会づくりに取り組んでまいる。
問 次期行政改革大綱の基本的考えについて
○ 大綱策定に向け、現在、行政改革審議会で審議が進められている。その中で、
- ・ これまでは職員数や予算の削減などの量的な改革が行われてきたが、局面が変わってきており、これからは社会の変化や技術の進展等を踏まえた質的な改革を進めることが必要
・ 行政改革の枠組みの中で県庁のDX(デジタルトランスフォーメーション)と働き方改革を進めることが重要
といった議論が行われている。
○ このような議論をもとに、来月、行政改革審議会から答申が提出される予定である。それを受け、次期大綱案を策定し、令和4年2月議会に議案として提出することとしている。
○ 大綱の策定にあたっては、これまでの議論も踏まえ、
- ・ 「県庁DX(デジタルトランスフォーメーション)と働き方改革の推進」を中心的な取組として位置付け、業務の効率化・生産性の向上を図ること
・ 必要性の低下した事務事業や組織については見直しに取り組む一方、強化すべき分野には予算や職員配置の重点化、組織の機能強化を図るなど、スクラップアンドビルドを進めること
により、新たな行政課題に対し、限られた予算・人員で最大限の政策効果をあげることを基本的な考え方として、検討を進めてまいる。
問 第5波における医療提供体制等の課題について
○ 県では、第5波に備え、県医師会をはじめ医療機関等の皆様の御理解と御協力を得ながら、病床や宿泊療養施設を拡充するとともに、自宅療養者の症状が悪化した際に外来受診や往診等に対応可能な医療機関を確保するなど、医療提供体制の維持・強化に努めてきた。
○ また、陽性が判明した段階から直ちに血中酸素飽和度を用いたトリアージにより、個々の症状に応じて、入院、宿泊療養、自宅療養のいずれかを的確に調整し、重症化の抑制や病床の効率的な運用に努めてきた。
- このような取組の結果、病床使用率は7割を超えることなく推移し、医療提供体制のひっ迫を回避することができたと考えている。
○ 一方、宿泊療養施設では、感染拡大時には症状が悪化する入所者が増え、療養を継続するのか、入院へ移行するのか、的確な判断を求められるケースが増加した。
- このため、短期間で交代することが多い常駐医師や看護師でも、入所者の状態を的確に判断できるよう、観察項目を標準化した「クリティカルパス」を導入することとしている。
○ 引き続き、県民の皆様が安心して、症状に応じた適切な医療を受け、また療養することができるよう、医療提供体制の充実・強化に取り組んでまいる。
問 第6波で想定する新規陽性者数の想定等について
○ 感染の拡大には、新たな変異株の影響や人と人との接触機会の増加など、様々な要因が関係するため、次の感染拡大の有無や発生時期、ピークの時期を予測することは困難であると考えている。
○ 県では、次の感染拡大が生じないよう、県民及び事業者の皆様に基本的な感染防止対策の徹底等を繰り返しお願いしているほか、第三者認証店の拡大などに取り組んでいるところである。
- また、感染拡大に備え、病床や宿泊療養施設の確保を中心とした医療提供体制だけでなく、保健所等による療養調整を含めた総合的な保健・医療提供体制を構築することが必要です。このため、今後、第5波と同程度の感染拡大が生じることを前提に、県医師会をはじめ医療関係者や市町村の皆様と協議を重ね、先月末に「福岡県保健・医療提供体制確保計画」を取りまとめた。
○ 本計画では、1日当たりの最大新規陽性者数を第5波と同数の1,253人と想定している。
- 病床については、入院者数が第5波の2割増となっても全員を受け入れることができるよう、ピーク時に必要な病床数を1,460床と見込んでいる。現在、この数を上回る1,482床を確保しているが、さらなる感染拡大に備え、県医師会をはじめ医療関係団体や医療機関等の皆様の御理解と御協力を賜りながら、引き続き増床を図ってまいる。
○ 宿泊療養施設については、第5波の最大入所者数を上回る最大1,680人が入所できるよう、施設の稼働率も考慮し、現在の11施設・計2,234室に加え、新たに1施設を確保することにより、12施設・計2,400室体制を目指してまいる。
○ また、第5波ではピーク時に9,000人を上回った自宅療養者については、次の感染拡大時には最大8,600人程度と想定している。このため、自宅療養者の外来受診や往診等に対応できる医療機関を1,000機関に拡充したところであり、自宅療養中に症状が悪化した場合には、引き続き、平日の日中は保健所で、休日や夜間は福岡県メディカルセンターでこれらの医療機関を紹介することなどにより、自宅療養中の安心・安全の確保に努めてまいる。
問 幽霊病院を生まないような医療提供体制の整備について
○ 国は、次の感染拡大に備え、感染ピーク時に確保した病床が確実に稼働できるよう、県と医療機関との間で、病床を即応化するまでの期間や患者を受け入れることができない正当な理由等について、書面で確認するよう求めている。
○ 本県では、従前から医療機関との間で、病床確保計画のフェーズ毎の即応病床数や即応化するまでの期間等について書面で確認しており、入院が必要な患者を円滑に受け入れていただいている。しかし、第5波においては、担当医が当日不在であるといった理由等により、入院受入要請に応じていただけない例が数件あった。
○ 正当な理由なく入院受入要請を断ることは、円滑な入院調整の妨げとなる。
- このため、国の通知を踏まえ、患者を受け入れることができない正当な理由として認められるものを明示した上で、医療機関に対し、正当な理由なく入院受入要請を断らないよう改めて依頼するとともに、適切に入院受入を行っていない場合には病床確保料の対象とならないことなどを先月末に通知したところである。
○ また、医療機関毎の病床の使用状況等を毎月公表することにより、病床の「見える化」にも取り組んでまいる。
- このような取組を進めることにより、感染ピーク時において病床の稼働率が8割以上となるよう努めてまいる。
問 入院及び宿泊施設への入所への対応等について
○ 県としては、治療が必要な方には医療機関への入院、無症状や軽症の方は宿泊療養施設への入所を、引き続き基本として対応している。
○ しかし、第5波のように爆発的に陽性者が増加し、確保している部屋数を超えることが見込まれる場合には、症状に応じて自宅での療養もやむを得ないと考えている。
- このため、陽性が判明した段階から血中酸素飽和度を用いたトリアージを行い、個々の症状に応じて入院、宿泊療養、自宅療養のいずれかとするかを的確に調整し、重症化リスクがなく症状の軽い方については、自宅療養とし、必要な医療支援、生活支援を行っているところである。
○ また、これまで宿泊療養施設の運営については、県医師会の協力により派遣していただいた医師、人材派遣会社からの看護師や事務スタッフ、ホテルの社員、県職員や地元自治体からの応援職員等を確保し対応してまいった。
- 今後も、県医師会等の関係機関の協力を得ながら、運営に必要なスタッフを確保してまいる。
問 自宅療養者の生活支援について
○ 県では、独り暮らしの方など、食料や日用品の確保が困難な自宅療養者の方に対する生活支援を実施している。常温での長期保存が可能なレトルト食品などの食料品や消毒液などの日用品のパッケージを自宅療養者の方のご自宅まで配送しており、これまでに1,300件を超える利用があった。
○ また、定時配食サービスや日用品等の買い物代行、ごみ出し支援など、より生活に密着した生活支援を実施している市町村に対し、県では10月以降、本人の同意をいただいたうえで、自宅療養者の連絡先等の情報を希望する市町村に提供しており、これまでに17市町村に対し情報提供を開始し、さらに13市町村と情報提供に向けて協議中である。
○ 今後も、より生活に密着した支援を実施している市町村の取組事例を他の市町村に紹介し、こうした取組が広く行われるよう働きかけ、安心して療養できるよう生活支援の充実を図ってまいる。
問 ワクチン接種の進捗について
○ 本県では、先月末までに382万2,000人が2回接種を完了しており、対象者である12歳以上の83.37%が接種を受けている。
○ また、1回目の接種率は84.82%で、この1か月間は、ほぼ横ばいとなっており、2回目の接種率との差も非常に小さくなっている。
○ さらに、各会場の接種予約にも空きが生じていることから、接種を希望しているにもかかわらず、接種できない状態ではない。
- このため、希望される方全員に対する接種の目標は概ね達成されたものと考える。
問 未接種者のワクチン接種の更なる促進について
○ 10月から11月における県内の新規陽性者のうち、未接種者の割合は
64.3%となっている。国立感染症研究所の報告では、ワクチン2回接種14日以降で発症予防効果が87%程度とされており、引き続き、未接種の方に接種してもらうよう、広報啓発に努めていく必要がある。
○ 県では、これまで、ホームページやLINE、ツイッターなどを通じて、ワクチンに関する正しい情報を発信してきた。
- さらに、他の年齢層に比べて、若年層の未接種率が高いことから、若年層向けの特設Webサイトを開設し、イラストや動画によるメッセージを発信するとともに、接種に関する分かりやすい解説やQ&Aを掲載することで、若年層の接種を促進しているところである。
○ なお、その際には、ワクチンを接種できない方もいることから、ワクチン接種の有無による差別や同調圧力といったものが生じないよう、配慮している。
○ また、県では、接種を受けやすいよう、アクセスに優れた都市部で、平日の夜間や休日に接種できる会場を設置し、接種を促進しているところある。今後も、新たに接種を希望する方が受けやすい体制を整え、接種を実施してまいる。
問 3回目のワクチン接種について
○ 3回目のワクチン接種については、2回目の接種から8か月を経過した
18歳以上の方を対象に実施され、本県においては、約360万人が対象となる。
○ 3回目接種では、1・2回目に接種したワクチンの種類にかかわらず、ファイザー社ワクチンとモデルナ社ワクチンのいずれかを接種することになる。
○ 当面はファイザー社ワクチンを使用するとされているが、モデルナ社ワクチンについても薬事承認後は使用できるようになる。
- このため、市町村において、両ワクチンの接種体制を確保していただく必要があるが、円滑に接種が進むよう、県として必要な支援を行ってまいりたいと考えている。
○ なお、国は、両ワクチンを合わせて十分な量を確保しており、来年3月までに本県において使用する177万回分については、既に供給スケジュールが示されているところである。
○ 県では、全国知事会を通じて、自治体が希望する量のワクチンを確実に供給するとともに、長期的かつ具体的な供給スケジュールを示すことを国に要望している。
問 後遺症に関する相談窓口の設置について
○ 新型コロナウイルス感染症の後遺症については、様々な症状や、その症状が長引くことによる日常生活への影響などが指摘されているものの、その実態は明らかになっていない。
○ 現在、国の研究事業として、大学や専門の学会が複数の実態調査に取り組まれている。県としては、国に対し、その実態解明を早急に進め、これらの情報を広く国民に周知し、また、都道府県と情報共有するとともに、県が実施する後遺症に係る医療提供体制の整備に係る経費について財政措置をするよう、全国知事会を通じて求めている。
○ 県で設置している「福岡県新型コロナウイルス感染症一般相談窓口」においては、8月以降、110件の後遺症に関する相談が寄せられ、個々の相談に対しては、症状をお聞きした上で、かかりつけ医や症状に応じた診療科の受診を勧めている。
○ 先日、国から後遺症に関する診療の手引きが示されたところであり、今後、この手引きを活用して、後遺症に悩む方を適切な医療につなげられるよう、相談窓口の設置や診察を行う医療機関の選定などについて、県医師会と協議を進めてまいる。
問 保健所職員の過重労働の軽減について
○ 第5波においては、爆発的な感染拡大により、新規陽性者及び自宅療養者が急激に増加した。保健所においては、感染症対策業務が急増し、十分な体制の整備が追い付かず、保健師を中心に職員の時間外勤務も大幅に増大する状況となった。
- 最も感染が拡大した8月における保健所職員の時間外勤務は、平均47時間で、100時間を超えた職員は全体の14%の71名となっている。保健師については、平均79時間で、100時間を超えた職員は28%の37名となっている。
○ こうした保健所の業務逼迫により、重要な役割である「陽性者の病状把握」や「疫学調査」が遅れる事態が一部の保健所で生じた。
- このような事態が生じないようにするためには、感染拡大傾向がみられた段階で早めに体制を強化するとともに、業務の外部委託の推進等により職員の負担軽減を図ることが課題だと考えている。
○ このため、県では、保健師等の会計年度任用職員の更なる増員を行うほか、感染症対策業務に従事する保健師を来年度13名増員する予定であり、うち2名は早期採用したところである。また本庁職員や市町村保健師の応援などについて、今後は新規陽性者の増加傾向がみられる段階から実施してまいる。
- 加えて、陽性者の情報を一元的に管理するICTを活用したシステムを導入するとともに、感染拡大時においては、濃厚接触者等のPCR等行政検査や自宅療養者の健康観察業務について外部委託等を行う。また、県医師会と連携し、自宅療養者の外来受診や往診等に対応できる医療機関を確保し、有症時の受診体制を整備する。さらに、感染拡大時に保健所の求めに応じて、看護師が自宅療養者を訪問し健康観察が実施できる体制を整備してまいる。
○ これらにより、今後、急激な感染拡大がおきた場合においても、保健所が疫学調査等の重要な役割を十分に果たせるようしっかり取り組んでまいる。
問 コロナ禍における公共交通機関の現状と支援について
○ 県民生活や経済活動にとって必要不可欠な鉄道や乗合バスの輸送人員は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により大幅に減少し、昨年4月から今年の9月までの期間では、平均してコロナ前の概ね6~7割程度の水準となった。
○ 緊急事態措置が解除された今年10月以降、通勤・通学等の利用者は戻りつつあるが、昼間のビジネス利用や週末の観光・レジャーなどの利用者が十分に戻っておらず、輸送人員はコロナ前の8割程度にとどまっている。従来から人口減少や少子高齢化によって利用者が減少傾向にある鉄道・乗合バス事業者にとって、厳しい状況が続いていると認識している。
○ 県では、昨年度、平成筑豊鉄道・甘木鉄道・筑豊電気鉄道の地域鉄道3社及び県内で乗合バスを運行するバス事業者13社に対し、運行継続を支援するため、コロナの影響による減収額の一部を助成した。また、これらの事業に、タクシー事業者も含め、車内の消毒や感染防止に必要な経費を助成したところである。
問 公共交通機関の利用に資する広域の旅行需要喚起策について
○ 県では、旅行需要を喚起するため、現在「福岡の避密の旅」観光キャンペーンを実施しているが、県民の県内旅行を対象としており、公共交通機関を利用した旅行需要には限界があるところである。
○ こうした中、国は、先月、感染状況や都道府県からの要望等を踏まえ、①ワクチン・検査パッケージを活用した旅行であること、②支援対象とする都道府県が同意していることを要件に、隣県への拡大を認めた。
- これを受け、本県でも隣県と協議を進め、昨日発表したとおり、今月10日から本キャンペーンの利用対象者を山口県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県の各県民に拡大することとした。今後、公共交通機関の利用につながるよう、鉄道やバスを組み込んだ旅行商品の造成を促してまいる。
○ また、10月には、九州7県と九州観光推進機構の連名で、九州全域での観光キャンペーンができるよう国に要望したところである。国は、年明け以降「地域ブロック」まで対象を拡大する方針を示している。
- 今後、九州全域に利用対象者が拡大された際は、九州各県と九州観光推進機構、そして交通事業者、旅行事業者等と連携して、広域の旅行需要を喚起してまいる。
問 非接触型決済機器導入を推進するための支援について
○ いわゆる交通系ICカードについては、これまで、西日本鉄道全線、西鉄バス全線、福岡市地下鉄全線、JR九州鹿児島本線等をはじめ比較的利用者の多い路線において導入が進んできた。
○ 日常的な利用の利便性向上とともに、高齢者や障がい者をはじめとした公共交通利用のバリア軽減にもつながるICカードのさらなる導入のため、県では、県や市町村などで構成される福岡県地域交通体系整備促進協議会を通じ、JR九州など未導入の事業者に対し導入の要望を行っている。
○ 現段階では、導入の際の初期費用に加え、維持経費も毎年必要となり、費用対効果の面などから導入は難しいとのことであるが、非接触型ICカード導入は、①「ウィズコロナの下、感染防止にも有効であること」また、②昨年度改正された「地域公共交通活性化再生法」に基づく基本方針では、住民や来訪者の移動手段を確保するため、「交通系ICカード等の新しい技術を活用した利用者の利便性向上が求められる」旨が新たに付記されていること、
- これらを地域交通体系整備促進協議会を通じ、事業者にしっかりと説明し、改めて導入を働きかけていきたいと考えている。
問 男性の育児休業取得の社会的意義と効果について
○ 男性の育児休業取得を促進することは、取得を望む男性の仕事と家庭の両立の希望をかなえるとともに、男女問わずワークライフバランスのとれた働き方を可能とする。
- このことは、女性に偏っている家事、育児負担の軽減、出産を理由とした女性の離職防止につながり、女性の活躍推進にも資するものである。
○ また、企業にとっても、必要な人材の確保・定着が可能となり、ひいて
は、企業の成長、発展につながるものと考える。
○ 男性の育児休業を進め、社会全体で安心して働き結婚し、子どもを産み、育てられる環境をつくっていくことが、社会的課題である少子化対策に大いに寄与するものと考えている。
問 特定事業主行動計画に基づく男性職員の育児休業等の取得状況について
○ 昨年度、知事部局において子どもが生まれた男性職員は122人、このうち、出産・育児に係る休暇を5日以上取得した男性職員は112人で、計画に定める100%の目標に対し、取得率は91.8%と目標を下回った。
○ 一方、育児休業や育児短時間勤務、部分休業を取得した男性職員は52人で、計画に定める15%の目標に対し、42.6%と目標を大きく上回った。
○ 出産・育児に係る休暇の取得率は年々増加しているものの、昨年度に5日以上取得できなかった職員全員が「業務多忙」を理由としている。この休暇の取得期間は第1子の場合、出産後8週間まで、第2子以降は、出産前後8週間までと限られていることから、期間内での担当業務との調整が困難であったことが要因と考えている。
○ 国においては、今年6月の育児・介護休業法の改正にあわせて、妊娠・出産・育児等と仕事の両立支援のため、来年10月1日から育児に係る休暇の取得期間を子が1歳に達する日までに拡大することとしており、本県も同様に拡大を図ることで、より休暇が取得しやすい職場環境づくりを進めてまいる。
問 男性職員の育児休業等の取得状況について(教育長答弁)
○ 県教育委員会においては、職員の仕事と子育ての両立を促進するため、男性職員の出産・育児に係る休暇については、全ての職員が5日以上取得することを目標として取り組んでまいったが、昨年度の取得率は、69.5%であった。
- また、育児休業、育児短時間勤務及び部分休業についても、取得率の目標を15%以上として取り組んでまいったが、昨年度の取得率は、8.3%であり、いずれも近年増加傾向にはあるものの、目標を下回っている状況であった。
○ 男性職員の出産育児に関する休暇や育児休業の取得が進まない要因としては、業務に与える影響や収入減少に対する不安等があげられるが、特に学校においては、授業に穴をあけるとの思いから、休暇や育児休業の取得をためらう教員が多いと考えられ、職場における意識改革とサポート体制に課題があると認識している。
問 本県職員の特定事業主行動計画に基づく男性の育児休業取得の現状について(警察本部長答弁)
○ 平成28年に策定した「福岡県警察におけるワークライフバランス推進行動計画」において、「令和2年度までに男性職員の育児休業と父親育児休暇の取得率を合わせて30%以上とする」ことを目標として取り組んできた。
○ 具体的には、各種会議等を通じて、全職員の意識改革を図るとともに、対象職員に対する幹部職員による個別面談や、男性の育児参加を高めるための研修会の開催、さらには職場における職員間の業務分担の調整など、男性職員が育児参加しやすい職場環境の整備に努めてきた。
○ このような取組により、策定当初の平成28年度の取得率は、12.0%であったところ、令和2年度は、76.5%と向上し、目標の30%を達成している。
○ 県警察としては、引き続き、男性職員の育児参加促進に取り組んでいく。
問 男性職員の育児休業の取得率向上に向けた取組について
○ 男性職員の育児休業等の取得については、出産・育児の際に取得できる休暇等をとりまとめた「仕事と子育ての両立支援ハンドブック」を配布するなど、制度の周知を図るとともに、研修等を通じて、管理職をはじめとする職員全体の意識を変えていくことにより、子育てに理解のある職場環境づくりを進めてきた。
○ また、子どもが生まれた男性職員に対し、1か月以上の休暇・休業を促す「知事メッセージ」や「育児休業を取得した場合の収入に関するモデルケース」を交付するほか、上司が子どもが生まれる男性職員とともに「父親の子育て支援プログラム」を作成し、計画的な休暇等の取得を促進することで、昨年度の育児休業等の取得率は42.6%と目標を大きく上回った。
○ 佐賀県が今年10月から実施している「不取得理由書の提出」は、男性職員が個々の状況に応じて2週間以上の長期の休みを取得しやすいように、育児休業や育児休暇、年次休暇などの組み合わせによる複数の取得パターンを示した上で、職員が2週間以上の育児休業等を取得できなかった場合に、所属長にその詳細な理由の報告を義務付けるものである。
○ 本県でも、5日以上の出産・育児に係る休暇の取得促進に当たって、取得できなかった理由を所属長から報告させているところであるが、今後は、男性職員に、育児休業をはじめ、より長期の休暇・休業の取得を促す観点からも、佐賀県の新たな取組など他県の事例も参考にしながら、より効果的な取組の推進に努めてまいる。
問 男性職員の育児休業等の取得促進に係る取組について(教育長答弁)
○ 県教育委員会においては、これまで、職員への「仕事と子育て・介護の両立支援ハンドブック」の配布や、管理職員等が「子育て支援プログラム」を作成する取組を行ってまいった。
- 更に、今年度からは、男性職員の育児休業等の取得希望について、人事担当課が把握し、休業等の取得を組織的にフォローアップすることとしている。
また、男性職員が育児休業等を取得しやすい職場づくりの取組について、人事評価に適切に反映させることとしている。
こうした取組を通して、職員と管理職員の意識向上及び職場全体のサポート体制の整備を図りながら、男性職員の育児休業等の取得促進を図ってまいる。
○ なお、佐賀県における「不取得理由書」の取組については、育児休業等の取得に関して職場の意識改革を図る意欲的な取組であると考えている。
- 県教育委員会としては、こうした他県の取組事例も参考としながら、効果的な取組の推進に努めてまいる。
問 仕事と子育てを両立できる県庁づくりに向けた具体的な取組について
○ 県では、「全ての職員が、仕事と家庭生活の両立を図りながら、それぞれの能力を十分に発揮できる働きやすい県庁」の実現を目指し、今年3月、令和3年度から7年度までの5年間を計画期間とする新たな特定事業主行動計画を策定した。
○ この計画において、先ほど申し上げた男性職員の育休取得に関する取組のほか、仕事と子育ての両立ができる職場環境づくりのための具体的な取組として、
- 「育児プログラム」の作成による計画的な休暇等の取得促進、
- 育児休業からの復帰予定者が所属との連絡調整に活用できるモバイル端末の貸与や、仕事と子育ての両立に対する不安軽減を目的とした参加型セミナーの開催など、育児休業を取得した職員の円滑な職場復帰を支援する取組、
- 管理監督者向け手引きの作成・配布や研修の実施、職員向け啓発リーフレットの発行や毎月19日を育児の日とする定時退庁の推進など、子育てに関する職員の意識を高める取組、
- ICTの活用や業務の抜本的な見直し等による「働き方改革」など、職員のワークライフバランスを推進する取組
などを掲げたところである。
○ 私自身、知事就任後の今年6月に行った「イクボス宣言」において、働き方改革を進め、職員の仕事と生活との両立を支援しながら、自らも、仕事と生活の充実に取り組む「イクボス」となることを宣言したところである。
- 今後とも、特定事業主行動計画に定める取組を着実に実行し、仕事と子育てを両立できる働きやすい県庁づくりに努めてまいる。
問 新県立美術館の設計者選定及び現県立美術館の活用方策について
○ 新県立美術館は、文化芸術活動の場にふさわしい豊かな空間や美術作品を保護するという基本的機能のほか、時代の変化に合わせ進化し続ける技術や新たな芸術表現に対応できる機能を備えることとしている。
- また、大濠公園や日本庭園と一体となり、建物そのものが一つの芸術作品となる美術館を目指している。
これらを実現するためには、高い技術力と独創的なデザイン力をもった設計者を選定することが重要である。
○ 来年度早々に、建築、景観の専門家や美術館関係者などで構成する審査委員会を設置し、これからの活躍が期待される若手をはじめ、国内外から多くの設計者が参加しやすい応募要件や選定基準を設定する。
○ 須崎公園内にある現県立美術館については、様々な情報や人材が行き交う天神地区のメリットを活かし、例えば制作アトリエやギャラリーを備えた若手作家の交流スペースとしての活用などが考えられる。現在、福岡市が進めている須崎公園再整備の状況も踏まえながら、今後、検討していく。
問 新県立美術館の独自性と福岡市美術館との連携について
○ 新県立美術館は4つのコンセプトを掲げており、これらを実現していくことで独自性を発揮したいと考えている。
○ 一つ目は、「芸術の可能性を拡げ、挑戦する美術館」である。世界から芸術家が集い交流し文化芸術活動を展開するなど、新たな文化芸術の潮流を生み出す拠点となることを目指す。また、若手芸術家の創作や発表といった活動を支援し、次代を担う芸術家を育んでいく。
○ 二つ目は、「九州、福岡県の文化芸術の発展に貢献する美術館」である。福岡県の美術活動の過去・現在・未来を発信する拠点となるとともに、九州の文化芸術の発展をけん引していく。
○ 三つ目は、「県民が親しみ、誇りを育む美術館」である。県民の皆さんが本県を中心とした豊かな文化芸術や美術資産に触れ、学ぶことができ、郷土への誇りと愛着を育む拠点となることを目指していく。
○ 四つ目は、「公園と一体となった美術館」である。
- 四季折々に多彩な表情を見せる大濠公園と親和し、日本庭園や福岡市美術館、能楽堂とも連携して、人々が文化芸術を感じることができる広大なアート空間を創出していく。
○ 次に、福岡市美術館との連携についてである。
- 新県立美術館が大濠公園に整備されることで、本県にも全国有数の美術館エリアが誕生する。
例えば、美術館が集積する東京の上野公園や京都の岡崎地区では、共通のテーマで展覧会やイベントを開催することにより、多くの人が訪れ、賑わいが生まれている。こうした相乗効果を発揮していくためには、福岡市美術館との連携が重要である。
○ 福岡市美術館とは、新県立美術館基本計画の策定の際にも、意見交換を重ねてきたが、今後、具体的な連携方策について協議していく。
問 デジタルアートを支援する取組について
○ デジタルアートは、パソコンやタブレットなどを使って生み出されるプロジェクションマッピングや絵画などの新しい美術表現であり、本県でも、天神中央公園西中洲エリアリニューアルオープンの際に旧福岡県公会堂貴賓館をスクリーンとしてプロジェクションマッピングを投影し、多くの県民の皆さんに楽しんでもらったところである。
○ 県では、両政令市、九州大学などと連携し、2001年から国内外のアーティストの発掘・育成の場として、「アジアデジタルアート大賞展FUKUOKA」を開催している。
- また、九州芸文館では、今年初めてデジタルアート作品公募展を開催した。表彰した作品については、ウェブ上で日本語と英語による解説とともに公開し、国内外へ発信することにより作家のキャリア形成と作品発表の場としている。
○ このような取組を通じて、引き続き、多くの県民の皆さんにデジタルアートの素晴らしさを知ってもらい、アーティストの活躍を応援するとともに、デジタルアートに取り組む方々の活動や発表の場を広げるにあたって、どのような環境づくりが有効なのか、今後、芸術系の学科を持つ大学の関係者などとも協議していく。
問 児童相談所職員の専門性向上について
○ 本県の児童相談所における、勤務経験が3年未満の児童福祉司の割合は、今年4月1日時点で約47%となっている。
○ 県では、児童福祉法に基づき、新任の児童福祉司全員に、虐待を行った保護者への対応や一時保護の権限行使等について研修を行うとともに、5年以上勤務したものを対象に、指導力向上のための研修を実施している。
○ また、県独自に、全ての児童福祉司を対象として、立入調査を躊躇なく実施し、児童の安全を確保するための実地研修を警察と合同で行うとともに、保護者への指導技術を高めるための研修を県外の専門家を招聘し、実施している。
○ 県では、今年4月、虐待の早期発見、早期対応を図るため、「子どもの安全チェックリスト」や「緊急度アセスメントシート」を策定し、虐待疑いなどの事案の緊急性や重症度を把握する取組を始めた。
- これを、児童相談所と市町村で連携を強化し的確に運用するため、今年度から、乳幼児健診未受診者への対処など具体的なケースを想定した演習を、児童相談所毎に、市町村の虐待担当職員と合同で実施している。
○ こういった取組により、児童福祉司全体の専門性を高め、虐待を見逃すことなく、子どもの安全を確保する体制の充実を図ってまいる。
問 一時保護所における学習支援について
○ 本県の一時保護所における、昨年度の子ども一人当たりの保護期間は、約18日となっているが、保護期間が2か月を超える場合もあり、学習の遅れが懸念されるところである。
○ 保護期間中、虐待や家庭の状況等から、在籍校への通学が難しい子どもに対しては、各一時保護所に配置している、教員免許を持つ「学習指導専門員」が中心となって、児童指導員や保育士とともに、週6日、1日4時間の学習支援を行っている。
○ 支援にあたっては、担任の先生から提供されたプリント等を活用するなど、それぞれの子どもの学習内容や教材について在籍校と協議しながら、指導を行っている。
また、
- ・集団学習になじめない子どもには、居室で指導する
・学習習慣がない子どもには、興味を持たせるような教材を使用する
など、子ども一人ひとりの状況や特性、学力に配慮したきめ細かな指導に努めているところである。
○ 今後とも、子どもの学習の遅れを生じさせないよう、工夫しながら学習支援に取り組んでまいる。
問 福岡県の気候変動の特徴と気候変動に対する所見について
○ 福岡管区気象台の報告書によると、福岡市中央区の観測地点における平均気温は、1890年代以降百年あたり2.45度の割合で上昇しており、これは全国の1.26度よりも大きな上昇となっている。この要因としては、地球温暖化による影響に加え、都市部のヒートアイランド現象の影響が考えられる。年間降水量については、ここ100年あまりで大きな変化は見られないが、1時間降水量30mm以上の大雨の年間発生回数は、本県が位置する九州北部地方では、ここ約50年間で1.5倍に増加している。
○ 将来予測については、今以上の温暖化対策をとらない場合、平均気温は、20世紀末と比べて、今世紀末には4.1度程度上昇すると予測されている。
- 降水量については、年間降水量では今後も大きな変化はないものの、今世紀末には一日降水量200mm以上の大雨の発生頻度は約3倍に増加、1時間降水量50mm以上の雨の発生頻度は約2倍に増加すると予測されている。
○ 地球温暖化とそれに伴う気候変動は、本県においても、過去5年連続で大雨による災害をもたらしたほか、熱中症の増加、農作物の品質や収量の低下など、既にさまざまな分野で大きな影響をもたらしており、その対策は重要な課題と考えている。
問 農業や漁業における気候変動への適応策について
○ 県では、農業分野において、近年の夏季の高温や大雨頻度の増加などに対応するため、品種の開発や温度上昇を抑制する装置などの導入を支援してきたところである。
○ 具体的には、「元気つくし」や「実りつくし」といった夏季の高温に強い米や、播種の期間が長く、降雨の合間に播種できる大豆といった品種を開発した。
- また、野菜や花などでは、日焼けや温度上昇を抑制するための遮光ネット、畜産では、畜舎の温度上昇を抑制する換気装置やミスト噴霧装置の導入を支援してきたところである。
○ 漁業分野においては、水温や潮流など海の状況の変化により、魚の生息場所やノリの生育に影響が生じる。
- このため、県では、筑前海において、3日後までの水温や潮流の予測情報を漁業者に提供し、漁場の選定に活用されているところである。
また、有明海においては、10分間隔の水温・塩分といった海の状況や、気象台の予報、ノリの生育情報などについて、漁業者がスマートフォン等で一括して把握できるシステムを導入しており、ノリの種付けや摘み取る時期の決定に活用されている。
○ 県としては、今後とも、こうした品種や技術開発、漁場の情報提供などを行うことで、農業者や漁業者の経営安定を図ってまいる。
問 関門連系線の拡充に関する知事の考えと国の取組について
○ 今後、脱炭素社会の実現に向けて、さらに再生可能エネルギーを導入していくためには、広域的な電力融通を可能とする地域間連系線の増強が必要であると考えている。
- そのため、県においては、これまで、国に対し、地域間連系線の制約解消に向けた働きかけを行ってきた。
○ 国においては、送電線の空き容量を有効に活用し、送電量を増やすため、
- 平成30年4月から、火力、太陽光等電源ごとにフル稼働を前提とするものではなく、過去の利用実態をもとに、空き容量を算定する見直しを行ったことに加え、
- 同年10月からは、緊急時用に確保しておいた枠を、事故時には瞬時に遮断する装置を用いることにより、平常時にも活用することとした。
○ 国のこの方針に従い、九州電力は、一昨年4月から、関門連系線における再生可能エネルギーの最大送電量を約105万kWから約135万kWへ30万kW程度拡大させたところである。
○ さらに、今年5月には、国が来年度策定予定の広域連系系統の長期方針の中間整理において、九州・中国ルートの地域間連系線の増強に向けた整備計画の具体化について検討を進めていくことが盛り込まれたところである。
○ 県においては、今後とも、国に対し、広域的な電力融通を可能とする、この整備計画の早期具体化について、働きかけを続けてまいる。
問 再生可能エネルギーの普及拡大、主力電源化への考えと実現に向けた取組について
○ 気候変動に影響を与える温室効果ガスについては、エネルギー部門からの排出が8割以上を占めていることから、温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーの普及拡大、主力電源化の徹底は、脱炭素社会の実現に不可欠であり、県が取り組むべき重要な課題であると認識している。
○ これまで県では、再生可能エネルギーの普及拡大に向け、県有施設への太陽光発電設備の導入をはじめ、本県が独自に開発した「再生可能エネルギー導入支援システム」の活用などにより、市町村や民間事業者による導入を積極的に支援してきた。
- その結果、県内各地で太陽光発電が導入されるとともに、苅田町の新松山工業団地における3社の大型バイオマス発電施設や、中小水力発電などの様々な施設の導入が進んできた。
再生可能エネルギーの導入容量は、平成22年度末の30万kWから令和2年度末には269万kWへと、約9倍にまで大きく拡大した。
○ 今後も、これらの取組を進めるとともに、響灘沖一般海域における洋上風力発電については、促進区域への早期指定を目指してまいる。
- また、先月、北九州市で運用を開始した、再エネの余剰電力から水素を製造、輸送し、各地で利用する実証事業の取組も進め、再エネの更なる普及拡大に努めてまいる。
問 給特法の課題について(教育長答弁)
○ 教育職員の給与特別措置法、いわゆる給特法においては、教員の業務の特殊性が考慮された結果、超過勤務の有無にかかわらず一律に4%が給料に上乗せされ、その一方で、緊急の場合等を除き時間外勤務を命ずることができないこととなっている。
- このため、教員の超過勤務がどれだけ増加しても、それは命令に基づかない自発的な勤務と位置づけられ、給与の対象とならないことが課題であると考えている。
○ 県教育委員会としては、こうした課題を踏まえ、来年度国が実施予定の勤務実態調査に基づき、給特法を含めた教員の給与体系や教職員定数等の在り方が、より教育現場の実情に適うものとなるよう、国に対しその検討を要望してまいる。
問 教員に関する時間外勤務手当の試算について(教育長答弁)
○ 県教育委員会において把握できている県立学校教員についてお答えする。
- 令和元年度、主幹教諭、指導教諭を含む教諭の人数は5,037名であり、正規の勤務時間を超える在校時間は一人当たり年間486時間となっている。
そのすべてが時間外勤務命令に基づくものと仮定した場合には、約76億円の手当が発生する試算となる。
問 市町村教育委員会における教員の勤務時間管理について(教育長答弁)
○ 昨年7月時点では、7市町村で勤務時間の把握ができておらず、また、ICカード等による客観的な計測は26市町村にとどまっていたが、現時点では、すべての市町村で把握ができ、44市町村で客観的な計測がなされている。
- 県教育委員会としては、残る16市町村に対し、自己申告によらない客観的な計測に移行するよう促してまいる。
○ また、いわゆる持ち帰り残業については、職員が超過勤務の上限時間を遵守するために、かえって持ち帰りが増大することがあっては本末転倒であると考えており、県立学校においては、これを行わないことを基本としている。
- 今後、市町村においても同様に、業務は学校内で行うことを原則としつつ、校外での業務を含めた超過勤務全体の把握とその縮減を図るよう働きかけを行ってまいる。
問 学校行事の精選と簡素化について(教育長答弁)
○ 学校行事の授業時数について、コロナ禍の影響がない平成30年度と令和2年度の状況を比較すると、小学校は全学年平均で47.7時数から21.4時数に、中学校は同じく44.9時数から21.1時数にと、約半分に減少している。
○ 学校行事は、児童生徒が協力して、体験的な活動をすることで、集団への所属感や連帯感を深め、社会の形成者としての資質・能力を育成することを目指す重要な学習活動であるが、常に時代に応じた見直しが必要である。
○ コロナ禍においては、感染拡大防止の観点から、学校行事について精選が行われたが、市町村や学校からは、従前は当然と思っていた運動会の種目を見直したり、複数の行事を組み合わせて実施したりしたことで、学校行事の本質を考え、効率化を促す契機となったとの声が聞かれた。
○ 令和3年3月に改定した「教職員の働き方改革取組指針」においては、「コロナ禍により縮小された会議や行事等について、その必要性を精査し、今後の業務改善につなげます」と明記している。
○ 各教育事務所では、各学校の教育課程編成の担当者となる教務主任を対象に、編成上の留意事項に関する研修会を開催しており、その中でも、学校行事について、常にその意義や在り方について問い直し、合理的かつ効率的に実施されるよう促すなど、引き続き、取組指針の趣旨を徹底してまいる。
問 部活動における地域等の人材活用に係る事業の変遷について(教育長答弁)
○ 本県においては、昭和63年度に「運動部活動指導者派遣事業」を開始し、地域等の人材を活用してきた。近年では平成27年度から全ての市町村立中学校及び県立学校を対象とした「中・高等学校運動部活動活性化プロジェクト」を実施した。
- その後、国の制度改正により、新たな職として部活動指導員が規定され、平成30年度から「部活動指導員配置事業」を実施している。
問 県立学校、市町村立学校における部活動指導員の配置状況、及び意義と評価について(教育長答弁)
○ 本年11月末現在、県立学校においては103校で289名、市町村立中学校においては70校で121名が配置されている。
○ 部活動指導員の配置は、生徒への技術的な指導の充実を図るとともに、単独での指導や大会引率を担うことにより、教員の負担軽減につながるものと認識している。
○ 部活動指導員配置事業開始時の平成30年度は、県立学校112名、市町村立中学校23名の配置であったことから、配置数は年々増加傾向にあり、部活動の活性化と適切な運営に一定の成果があったと考えている。
問 部活動指導員の配置促進に向けた今後の取組について(教育長答弁)
○ 県立学校においては、配置が進んでいない学校に対して、地域のスポーツ指導者をホームページ上で紹介する「スポーツリーダーバンク」の積極的な活用や、大学との連携などを指導してまいる。
- また、市町村教育委員会については、教育長会や指導主事研修会等で、部活動指導員配置に関する好事例について情報提供を行うとともに、配置していない市町村に対して個別の助言を行ってまいる。
問 私立学校の労働基準法遵守について
○ 36協定を締結していないにもかかわらず、時間外労働を行わせることは、労働基準法に違反する。
- 労働基準法が遵守されていない私立学校があることは大変遺憾であると思っている。
○ 本県は、これまで、私学団体が行う経営者向け研修や県が行う各校の労務管理責任者への研修などにおいて、法令遵守と協定締結の要請を繰り返し行ってきた。
- その結果、高校では、一昨年に比べ締結校が教員・事務職員それぞれについて2校増加した。しかしながら、県内私立小中高等学校97校のうち、教員については20校、事務職員については9校が未締結という状況である。
○ 未締結校に対する行政指導については、労働基準法に基づく監督権限が国にあることから、労働基準監督署が行うべきものと考えている。
- 一方で、本県としても、労使が協議中の学校も多いことから、個別課題に応じて労働基準監督署の相談窓口の活用を促すなど、状況に合わせて各校の取組を後押ししたいと考えている。
いずれにしても、全ての学校で協定が締結されるよう、粘り強く指導を続けてまいる。







