2021年(令和3年)9月定例県議会 報告 1

2021年(令和3年)9月議会定例会は、9月10日から10月14日までの35日間の会期で開催されました。

上程された議案は、補正予算議案4件、決算議案20件、条例議案10件、専決処分3件など合計54議案が上程されました。条例議案は、福岡県税条例の一部を改正する条例、福岡県個人情報保護条例の一部を改正する条例、福岡県暴力団排除条例の一部を改正する条例などで、専決処分3件の内容は新型コロナウイルス感染症の拡大局面における一般会計補正予算でした。また、決算議案20件の内訳は令和2年度福岡県一般会計決算1件のほか特別別会計及び企業会計など19件となっています。

開会日に新型コロナウイルス対策に関する補正予算1議案が可決され、その後日程に従い9月16日から代表質問、一般質問、常任委員会が行われ、9月30日の本会議で提出議案のうち決算議案を除く33議案の採決が行われ、いずれも可決されました。

決算議案については10月1日からの決算特別委員会で議案審査を経て、定例会最終日の10月14日に採決が行われ、いずれの議案も可決されました。

民主県政クラブ県議団の代表質問の登壇者は中嶋玲子議員(朝倉市・朝倉郡選出)でした。

服部知事の政治姿勢、豪雨による災害への対応、新型コロナウイルス感染症対策、ジェンダー平等、教育問題、九州北部豪雨からの復興など喫緊の行政課題について、服部知事並びに吉田教育長に対し質問を行いました。

代表質問の内容
1 県政推進の基本姿勢について
 ① 次期総合計画と財政問題について
 ② 頻発する災害への対応について
 ③ 新型コロナウイルス対策について
2 バス送迎を行う保育施設での子どもの安全について
3 ジェンダー平等について
4 教育機会確保法に基づく不登校児童生徒の支援拡充について
5 九州北部豪雨からの復興とまちの再生について

代表質問の概要

 服部県政で初めて策定する総合計画や行政改革大綱の内容を確認したところ、感染症対策も含めることや行政サービスの向上と財政健全化の両立が必要なことが示されました。毎年発生する豪雨対策としては流域治水事業の推進と営農継続へ収入保険制度の加入促進、湛水しない農地の斡旋を行うとされました。
 新型コロナウイルス対策として、知事から、感染者は入院又は宿泊療養を原則とすること、自宅待機者への生活支援の充実を図ること、感染者の増加に応じて臨時の医療施設として酸素投与ステーションの設置すること、感染した妊産婦へ的確に対応していくこと、ワクチン接種を加速化するため集団接種会場を設置すること、更には保健所機能の強化すべき内容を検討するとの発言を得ました。
 また、保育所の送迎バスでの園児死亡事故を受け、知事は、県独自の安全管理指針を作成し、子どもの生命を大切にした指導監督を行うとされました。さらに、会派として導入を求めてきた性的少数者のパートナーシップ宣誓制度について、本県として導入に向けた検討を行うことが表明されました。引き続きその具体化を求めていきます。
 教育長は、全国平均を上回って増加する不登校児童生徒の学びの場を確保し社会的な自立を目指すため、児童生徒の意思や個性に応じた多様な教育機会が確保できるように県、市町村、学校、民間団体等の連携強化が不可欠と示されました。

一般質問(登壇者8名)

・新井富美子議員(久留米市)
  一、久留米市の浸水対策について

・冨永芳行議員(糟屋郡)
  一、動物愛護の推進(ペットとの共生・適正飼養)について

・渡辺美穂議員(太宰府市)
  一、 カーボンニュートラルについて

・佐々木允議員(田川市)
  一、里親について

・後藤香織議員(福岡市早良区)
  一、投票率向上の取組について
  一、妊産婦に寄り添う支援の推進について
   1.コロナ禍での支援について
   2.不育症への支援について

・山本耕一議員(北九州市若松区)
  一、鳥獣の被害に対する本県の施策について

・井上博隆議員(大野城市)
  一、幼児の適切な生活習慣作りの重要性について

・堤かなめ議員(福岡市博多区)
  一、新型コロナウイルス感染症対策について

民主県政クラブ県議団 代表質問 登壇者 中嶋 玲子

答弁骨子
問 現総合計画の総括と次期総合計画への反映について
 現在の総合計画は、全体で157件の数値目標を掲げており、企業誘致や新たな製品の実用化などによる産業の振興、事故や犯罪の抑止による安全で安心な暮らしなど、現時点で約6割にあたる96件が順調に進捗していると判断している。昨年の同時期と比べると、順調に進捗しているものが30件減少しているが、多くは新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により進捗に影響が出たものと考えている。
○ したがって、総合計画に掲げられた施策の多くが着実に進展しているものの、コロナ禍の影響を踏まえ、ウィズコロナの取組やポストコロナを見据えた取組が必要であると考えている。
○ これら現総合計画の評価や課題を踏まえ、更に充実すべき取組や新たな取組について検討した上で、次期総合計画を策定してまいりたいと考えている。

問 次期総合計画の中核となるものについて
 私は、新しい時代の県政を進めるにあたり、世界を視野に、未来を見据えて、「次代を担う『人財』の育成」、「世界から選ばれる福岡県の実現」、「ワンヘルスの推進」、「デジタル、グリーンなど新たな動きを捉えた施策の展開」に取り組み、福岡県を飛躍、発展させていきたいと考えている。
○ そのためには、まずなにより、県民の皆様が安心して生活できる福岡県を目指し、感染症や災害に負けない強靭な社会づくりに取り組んでまいる。そして、地方創生の基本である「誰もが住み慣れたところで『働く』、長く元気に『暮らす』、子どもを安心して産み『育てる』」ことができる地域社会づくりを進めてまいる。また、福岡県の将来の発展を支える、空港、道路などの社会基盤整備を着実に進めてまいる。これらの取組により、県民の皆様と手を携えて、福岡県の未来への扉を開き、九州のリーダー県として、福岡県をさらなる成長へと導いてまいる。
○ 次期総合計画の策定に当たっては、SDGsを原動力とした地方創生を推進していくという考え方に基づいて、各施策を検討していきたいと考えている。新型コロナウイルス感染症のパンデミックという危機に直面している今、世界の持続可能性を見据えるSDGsの考え方は、一層重要なものとなっている。子どもの貧困対策や学校教育の充実、ジェンダー平等、気候変動対策など「誰一人取り残さない」社会の実現を目指したSDGsの理念を実践する施策の充実・強化に取り組み、大人も子どもも、安心して、たくさんの笑顔で暮らせる福岡県をつくってまいる。

問 感染症対策と次期総合計画との関係について
○ 次期総合計画では、「感染症対策の推進」を施策の柱の一つとして掲げ、県民の皆様の命と健康を守るため、新型コロナをはじめとする感染症に対する様々な施策に取り組んでいきたいと考えている。
○ そして、コロナ禍により大きな影響を受けた県内の中小企業、農林水産業、観光産業等の振興に取り組み、地域経済の立て直しを図っていかなければならない。また、コロナ禍における人々の行動・意識や働き方の変化を捉え、ウィズコロナ、ポストコロナを見据えて、産業、地域社会、行政のデジタル化を進めるとともに、農林水産業など地域の基幹産業の振興やテレワークの推進による移住・定住の促進も必要である。さらに、県を新たな成長に導いていくためには、バイオ、ロボット、宇宙ビジネス、先端半導体といった成長産業の創出を図り、将来の発展の種をまき、芽を育てていく取組も重要である。
○ そして、我々は、次なる新興感染症、あるいは再興感染症に備えていかなければならない。このため、本県における人獣共通感染症対策等、ワンヘルスの取組をさらに加速させ、福岡県をワンヘルスの世界的先進地にしていきたいと考えている。
○ これらについて、総合計画審議会でご審議いただくとともに、議会とも相談させていただきながら、次期総合計画に盛り込んでいきたいと考えている。

問 策定後の見直しを柔軟かつスピーディに行える仕組みについて
○ 総合計画に掲げたそれぞれの施策の実施状況は、毎年度、総合計画審議会及び県議会に報告を行っており、数値目標については、達成状況に応じて、その都度、見直しを行っているところである。また、必要に応じて、施策の充実・強化や新たな施策を加えるなど、県政推進に向けた不断の取組を行っている。
○ 総合計画は、総合計画審議会での審議を踏まえた上で、県条例に基づき、議会の議決を経て策定するものであり、計画自体の見直しが必要となった場合には、議会にも十分相談のうえ、対応していきたいと考えている。

問 福岡都市圏の人口増加と他の地域の人口減少について
○ 次期総合計画では、現計画と同様、15の広域地域振興圏を設定することとしているが、福岡都市圏以外の地域は、人口減少が進むと予測している。このような中で、県内の人口移動を見ると、昨年は、福岡都市圏以外の地域は、福岡都市圏へ4,000人を超える転出超過となっており、福岡都市圏への人口集中による地域間格差の拡大が大きな課題であると認識している。
○ このような課題に対処していくためには、まず、各地域の経済と雇用を支える中小企業への支援、地域の基幹産業である農林水産業の振興、国内外からの企業誘致などに取り組み、住み慣れたところで「働く」ことができる地域をつくっていくことが必要である。また、長く元気に「暮らす」ことができるよう、医療・福祉サービスの充実、地域包括ケアの推進、地域公共交通の維持・確保などに取り組むことが重要である。そして、子どもを安心して産み「育てる」ことができるよう、子育て支援、ICT環境の整備による教育の充実、地域の次世代リーダーとなる人材の育成などに取り組む必要がある。さらに、都市と地域を結ぶ道路網を整備も進めていかなければならない。
○ このようなことを次期総合計画に盛り込み、地域の均衡ある発展に向け、各種施策に取り組んでまいりたいと考えている。

問 知事のアジア戦略と次期総合計画への反映について
○ 本県には、二つの国際空港、二つの国際拠点港湾及び二つの重要港湾、縦横に走る高速道路、新幹線といった充実した交通インフラがある。また、優れた技術を持つ多くの企業が集積し、教育機関も多く、豊富な人材に恵まれている。さらに、豊かな自然から生み出される魅力的な農林水産物もたくさんある。特に、アジアとの関係では、コロナ感染拡大前の昨年1月現在で、福岡空港はアジア・太平洋地域を中心に22都市を結ぶ国際線が就航、北九州空港は韓国・中国・台湾の4都市及び韓国に定期貨物便が就航するなど、人流、物流を支えるネットワークが整っている。
○ こういった本県の持つ大きな優位性を活かして、大規模データセンターや台湾や韓国などからの半導体関連企業の戦略的企業誘致、「TEAM FUKUOKA」による香港・シンガポールなどからの国際金融機能誘致、中小企業のインドネシアやタイ、ベトナムなどへの海外展開支援、県産酒やあまおうをはじめとする農林水産物の香港などへの輸出拡大、デジタルマーケティングに基づく中国、台湾、韓国、タイなどからの観光誘客の取組を強力に進め、成長著しいアジアの活力を本県に取り込みながら、ともに発展していくことを目指していきたいと考えている。
○ このようなことを次期総合計画に盛り込んで、アジアをはじめとする世界から選ばれる福岡県、九州をリードする福岡県を実現していきたいと考えている。

問 令和2年度決算について
○ 令和2年度は、新型コロナウイルス感染症対策の実施により、歳入歳出ともに、初めて2兆円を超え、過去最大の決算額となった。
○ 歳入については、感染拡大の影響により、法人二税が減少したものの、令和元年10月の地方消費税の税率引上げの平年度化により、地方消費税が増加し、県税収入全体では増加となった。コロナ対策の財源として、地方創生臨時交付金や包括支援交付金を最大限活用したことや中小企業向け制度融資の拡充により、国庫支出金や諸収入が大幅に増加した。
○ 歳出については、コロナ対策として、「感染拡大の防止」、「医療提供体制の強化」、「事業継続の支援」、「地域経済の活性化」等に取り組む一方、イベント・大会等の中止や延期などに伴う事業費の減額を行い、その財源の確保に努めた。また、引き続き豪雨災害の復旧・復興や防災減災を進めてきた。
○ この結果、実質収支は73億円と45年連続の黒字となったが、
・歳出面では高齢化の進展に伴う社会保障費や豪雨災害の復旧・復興対策に伴う公債費が増加していること
・歳入面では新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、県税収入が、令和2年度当初予算と比べ、234億円の大幅な減収となったこと
などにより、財政調整基金等三基金を取り崩しながら財政運営を行わざるを得ず、令和2年度末の三基金残高は平成以降最少の315億円となり、令和2年度末の県債残高についても、減収補填債や豪雨災害の復旧・復興対策のための県債の発行等により、過去最大の3兆7,755億円となるなど大変厳しい財政状況にある。

問 次期行政改革大綱の基本的な方針について
○ 県を取り巻く状況に大きな変化が生じる中、新たな行政課題に的確に対応し、限られた予算・人員で最大の政策効果を上げていくことが求められている。
○ このため、人員・組織・財政面の見直しに加え、組織の活性化、デジタル技術の活用や働き方改革による業務の効率化・生産性の向上を図り、県民ニーズにかなった行政サービスの提供と財政健全化を両立させていく必要があると考えている。
○ こうしたことを踏まえ、
 ①県庁デジタルトランスフォーメーションと働き方改革の推進、
 ②生産性の高い業務推進体制の構築、
 ③歳入・歳出の改革とガバナンスの強化、
 ④民間活力の活用と多様な主体との協働・連携の推進
の4項目を、次期大綱の改革方針としている。
○ この方針について、行政改革審議会に諮問し、現在議論が進められているところであり、その意見も伺いながら、次期大綱の策定を進めてまいる。

問 財政調整基金等三基金について
○ 財政調整基金等三基金の残高は、令和2年度末で平成以降最少の315億円となり、今年度末は現時点で332億円と見込まれており、財政改革プランの見込額450億円を大幅に下回る額となっている。5年連続となる災害からの復旧・復興事業や新型コロナウイルス感染症の影響に伴う県税収入の悪化など、プラン策定時点には見込むことができなかった要因により、令和3年度の見込額の達成は難しい状況にある。
○ 三基金をどの程度確保しておく必要があるかについては、確立された考え方があるわけではなく、国による一律の基準も設けられていない。しかしながら、頻発する豪雨災害や感染症の影響に伴う税収減に対しては、原則として三基金の取り崩しにより収支均衡を図らざるを得ないことから、その残高確保は益々重要になっていると認識している。
○ このため、次期財政改革プランにおいても、歳入歳出両面からの改革措置を講じることで、計画的に財政健全化を進めるとともに、将来の産業や経済発展のための種をまき、芽を育てていくことで税源を涵養する好循環を生み出し、基金残高の回復を図ってまいりたいと考えている。

問 流域治水プロジェクトの実施体制の整備について
○ 一級水系については国が水系ごとに、二級水系については県が圏域ごとに、国、県、市町村からなる「流域治水協議会」を設置している。
○ この協議会では、参加する全ての関係者間で、事業実施にあたっての課題の解決に向けた協議、広域的な調整、進捗管理を行うことにより、プロジェクトの実効性を高めてまいる。
○ 浸水対策の担当部署については、久留米県土整備事務所において、災害事業室を設置し、人員を5名増員するなど、浸水対策を集中的に実施する体制の強化を図っている。
○ また、筑後川下流域の農地の湛水対策を担う筑後川水系農地開発事務所では、技術職を2名増員し、関係する農林事務所と連携しつつ、今年度から流域一体で取り組むクリークの先行排水などを進める体制を整備した。
○ 今後も、事業量や業務量に応じ、必要な体制を整備するとともに、流域内のあらゆる関係者と一体となって、流域治水の推進にしっかり取り組んでまいる。

問 筑後川における浚渫の進捗状況と堤防の低い地域の整備について
○ 筑後川本川の浚渫については、流下能力が低下しないよう、必要に応じて国が実施しており、今年の出水期前には、久留米市、朝倉市において、実施されたと聞いている。
○ 県としては、浚渫を求める地域の声を、国・県からなる事業連絡会などを通じて、国にしっかり伝えるとともに、再度災害防止の観点から浚渫などの維持管理が適切に行われるよう、国に働きかけを行ってまいる。
○ また、筑後川の堤防整備については、国において、計画的に堤防嵩上げや堤防拡幅工事が実施されている。堤防整備は、筑後川の洪水に対する安全性を確保するうえで重要であり、地域の安全安心のため、早期に完了するよう国に対して働きかけを行ってまいる。

問 収入保険制度への加入促進について
○ 県では、これまで、制度の実施主体である農業共済組合と連携し、加入を呼びかけてまいりましたが、8月1日時点の加入率は、加入の要件である青色申告者の約16%と、未だ低い状況にある。農業者からは、
 ① 平均収入の最大81%が補填されるが、保険料が高い
 ② 被災した経験がないので必要性を感じない
といった声が寄せられているほか、地域によっては、コロナ禍の影響に加え、度重なる豪雨災害により、資金繰りが厳しく、加入できないといった農業者もいると認識している。
○ 収入保険制度は、自然災害に加え、市場価格の低下など、農業者の経営努力では避けられない収入減少を補填するものである。コロナ禍で先行きが見通せない状況の中で、今後も災害がいつどこで発生するかわからず、県内全域で収入保険制度への加入を早期に進めていくことが重要である。このため、新たに、農業者の方が来期の収入保険に加入する際の保険料の一部を県が助成することを検討しており、必要な予算を、今後速やかに追加提案をさせていただきたいと考えている。
○ また、今回の災害を踏まえ、生産者の皆さんが加入しやすい制度となるよう、議長とともに野上農林水産大臣に直接要望を行ったところである。今後とも、市町村や関係団体と連携し、収入保険制度への加入を一層推進してまいる。

問 営農継続のための支援策について
○ 県では、これまでの災害を踏まえ、今年度から内水氾濫が発生した山ノ井川や大刀洗川などの5河川において、農地の湛水による被害程度のシミュレーションを行い、リスクを評価することとしている。
○ この評価をもとに、湛水リスクが高いエリアにおいては、リスクが低いエリアへのハウス移転を進めることも必要であり、今後、移転を希望する農業者に対し、ハウスを設置するための経費を助成することとしている。さらに、市町村の枠を越えて広域的にハウスを移転する場合、農業者個々で対応することは難しいため、農地中間管理機構を活用して、農地を確保・斡旋する新たな事業を検討しており、必要な予算を、今後速やかに追加提案をさせていただきたいと考えている。
○ こうした取組に加え、引き続き、農業用ハウスへの浸水を防ぐために必要な排水ポンプや浸水防止壁の整備に対する経費の助成を行うとともに、湛水による影響の少ない品目への転換や作付時期への変更を進め、湛水被害の軽減を図ってまいる。

問 指定避難所について
○ 県では、今年4月、指定避難所の安全性を確認するため、市町村に再点検を要請した。
○ その結果、県内の指定避難所2,750施設のうち、災害が生じる恐れのある区域に所在する施設は、土砂災害警戒区域が249施設、浸水想定区域が964施設、土砂・浸水両方の区域が37施設、合計1,250施設ある。
○ これら全ての指定避難所について、市町村は、
 ① 国が定める基準を満たす鉄筋コンクリート造等の強固な建物や浸水想定
  以上の高さに避難スペースがある建物を指定する。
 ② 避難経路に浸水の可能性がある場合には、代替経路を確保する。
 ③ 浸水や土砂災害が生じる恐れがある場合には、別の安全な指定避難所の使用や市町村を越えた広域的な避難を行う。
といった対策により、安全を確保しているところであるが、県としては、市町村防災担当課長会議や防災担当者個別ヒアリングを通じて、指定避難所の変更やホテル等の民間施設を避難先として検討することを助言している。今後とも、民間施設を避難先として活用する協定を締結した先行事例を紹介する等、安全な指定避難所等の確保が進むよう、市町村を支援してまいる。

問 入院及び宿泊療養施設への入所について
○ 新型コロナウイルス感染症の陽性患者を受け入れる病床については、現時点で重症者向けの203床を含め1,475床を確保している。今回のいわゆる第5波における病床使用率は最大で69.4%、重症病床使用率は19.7%に留まっており、入院が必要な方は入院できている状況である。
○ また、宿泊療養施設は、現在10か所2,106室を確保しており、医師・看護師が24時間体制で常駐し、医療的ケアが実施可能な体制をとっている。
○ 県としては、治療が必要な方は医療機関に入院していただき、無症状者・軽症者については宿泊療養施設に入所していただくことを引き続き基本としたいと考えている。しかし、今回のように爆発的に陽性者が増加するような場合には、症状に応じ、自宅療養していただくこともやむを得ないと考えている。このため、基礎疾患を有し重症化リスクのある方に優先的に宿泊療養施設に入所していただき、重症化リスクがなく症状の軽い方については、医療支援や生活支援の充実を図った上で、自宅で療養をしていただいているところである。

問 自宅療養者の医療支援について
○ 県では、自宅療養中の方の外来受診や往診等に対応可能な医療機関として約500か所を予め把握しており、平日の日中は各保健所、休日・夜間は、福岡県メディカルセンターで、これらの医療機関を紹介している。
○ 福岡市医師会が行っているオンライン診療は、患者との接触がないため、感染のリスクを防ぐことができるというメリットがある一方、医師が得られる患者情報が対面診療に比べ限定的で、全身状態が分からず重症化の兆候を見逃す恐れがあるという課題もある。
○ 県としましては、まずは各地域における外来受診や往診に対応可能な医療機関のさらなる確保に取り組んでまいる。さらに、オンライン診療や、自宅療養者の重症化を防ぐための外来における中和抗体薬の投与について、県医師会と検討を進めてまいる。

問 自宅療養者への生活支援について
○ 県では、独り暮らしの方など、食料等の確保が困難な自宅療養者の方に対する生活支援を6月1日から実施しており、これまでに1,200件を超える利用があった。
○ また、独自に生活支援を実施している市町村もあるので、県保健所では、自宅療養者の方に、県の取組と併せて、これら市町村の取組についても情報提供し、利用いただいているところである。
○ 県としましては、自宅療養者の生活支援については、住民に身近な立場である市町村の協力も重要であると考える。このため、日用品等の買い物代行やごみ出し支援など、より生活に密着した生活支援を実施している市町村の事例を他の市町村に紹介し、そうした取組が行われるよう働きかけてまいる。
○ また、市町村と協議のうえ、希望する市町村に対し、自宅療養者の連絡先等の情報を本人の同意をいただいたうえで提供し、生活支援の充実を図ってまいる。

問 酸素投与ステーションの設置理由等について
○ 本県では、8月18日に新規陽性者数が過去最多の1,253人となり、その後も連日1,000人を超える状況が続いた。その結果、病床使用率も上昇を続け、8月26日には69.4パーセントまで上昇し、入院治療が必要な方の受入先の調整に時間がかかることが懸念されていた。このため、こうした入院待機者に対して、酸素投与等の処置を行う酸素投与ステーションを8月31日に設置した。
○ このステーションは、福岡市内の医療機関の休床病床を活用した臨時の医療施設として、最大50床を整備し、外部から派遣された医師1名、看護師4名、事務2名の人員体制で、24時間運用を行っていた。現在は、病床使用率が低下したため、ステーションの運用を見合わせているが、今後、病床使用率の動向を見ながら、再開を検討してまいる。
○ ステーションを設置する効果としては、入院調整中の患者に対して、直ちに酸素投与等の処置を行うことで病状の悪化を防ぐことが挙げられる。更に、感染が拡大した場合には、中等症患者を受け入れる入院病床としての機能も果たせるものと考えている。

問 酸素投与ステーションの更なる設置と臨時の医療施設の整備について
○ 県では、陽性者が最も多い福岡地域の医療機関に臨時の医療施設として、ステーションを設置した。今後の感染再拡大に備え、福岡地域に加えて、北九州地域及び筑後地域でも設置を目指しているところであり、県内で4か所、200床程度を確保したいと考えている。
○ 体育館などの公共施設にステーションを設置する場合は酸素ボンベの調達や頻繁な交換が必要となるため、酸素配管が整備されている医療施設を活用することが効率的と考えている。
○ また、本県では、これまでコロナ陽性患者の受入病床及び宿泊療養施設の確保を進めてきたことに加え、酸素飽和度を用いたトリアージによる的確な入院調整や宿泊療養施設における中和抗体薬の投与に取り組んだことなどで、重症化の防止や在院日数の減少が図られ、病床使用率が抑えられている。今後も、病床及び宿泊療養施設の更なる確保と重症化防止の取組を進めながら、必要な場合は、まずは臨時の医療施設である酸素投与ステーションを入院病床に転用するなど効果的な活用を図り、対応してまいる。

問 妊産婦の受入態勢について
○ 県では、新型コロナウイルスに感染した妊産婦については入院を基本としており、その受入先としてあらかじめ確保している21の医療機関において、妊娠週数や分娩の兆候、症状等に応じて受入れを行っている。受入れに当たっては、「災害時小児周産期リエゾン」の産科医等と連携し、県の調整本部や保健所が入院調整を行っている。
○ 小さいお子さんのお世話をする必要があるなどの理由により自宅療養となる場合は、保健所が毎日健康観察を行い、分娩の兆候などについても確認するとともに、不安を訴える妊産婦の相談にも対応している。その中で分娩の兆候などが見られる場合は、速やかに先ほど申し上げた入院調整をし、医療機関で受入れを行っている。
○ このように、本県では、新型コロナウイルスに感染した妊産婦の受入態勢を確保しており、千葉県と同様の事案はこれまで発生していないが、本県で同様の事案が発生しないよう、県産婦人科医会や妊産婦を受け入れる医療機関、消防機関などの関係者間で受入態勢の再確認を行っているところである。今般のような痛ましい事案が発生しないよう、引き続き、感染した妊産婦の適切な受入れに努めてまいる。

問 ワクチン接種の状況及び市町村への支援について
○ 市町村ごとの接種率は公表していないが、9月14日時点の2回目接種率は、最も高い市町村が73.01%、最も低いところが35.00%であり、その差は約40ポイントとなっている。
○ 県内の接種状況を見ると、高齢化率が高い市町村ほど接種率が高い傾向となっている。これは、限られたワクチンを高齢者人口に応じて配分し、優先的に接種したことが影響しているものと思われる。今後、若年層に対する接種が進むことで、市町村間の差は縮小していくものと考える。
○ 本県では、現在、1日あたり約4万回のペースで接種が進んでおり、このペースであれば、希望する方への接種は、概ね11月中には完了する見通しである。
○ 県では、県内9か所に優先接種会場を設置し、昨日から40歳未満の保育士や教職員等に対する接種を開始している。今後、これらの会場において、対象職種を限定せず、16歳以上40歳未満の全てを接種対象とし、若年層に対する接種をさらに加速化させることにより、接種率が低い市町村を支援し、県全体の接種率向上に努めてまいる。

問 中学3年生、高校3年生向けの優先接種について
○ 中学3年生を含む16歳未満の子どもへの接種にあたっては、原則、保護者の同伴が必要である。また、副反応が高齢者に比べ年齢の若い方により多く起こること、さらに、接種による心の負担が引き起こす「予防接種ストレス関連反応」が起こりやすい年齢であることから、保護者や本人への丁寧な対応が可能な個別接種を基本とすることが望ましいとされている。
○ このため、受験等を控えた中学3年生については、親子にとって身近な市町村で、早めに接種できる体制を整えていただくよう、受験生への配慮を求める国の通知と合わせて、市町村に促してまいる。一方、受験や就職活動を控えた高校3年生については、県の接種会場において、16歳以上40歳未満全てを接種対象とすることとしていることから、接種を受けることができる。この接種会場では、学校帰り等に接種できるよう、平日の夕方から夜間に接種時間を設けるとともに、学校が休みの土日に接種を実施するなど、高校3年生を含めた受験生等にも配慮しているところである。
 
問 県が実施する優先接種について
○ 県では、子どもに業務上接触する機会が多い保育士や教職員、生活衛生関連業に従事する方等を対象とした優先接種を、7月から実施できるよう準備を進めていた。ところが、6月23日に突然、国が、事前の予告なく、自治体からの接種会場の申請受付を停止したことから、本県にワクチンが供給されなくなり、接種会場が設置できなかった。
○ しかし、本県が優先接種対象とした職種は、できるだけ早く接種する必要があることから、全国知事会を通じ、早急にワクチンを供給するよう、国に要望していた。
○ こういった中、8月19日に、国が、自治体からの接種会場の申請受付を再開する方針を示したため、直ちに、県内9カ所に接種会場を設置することとし、円滑に接種できる体制を整えて、昨日から接種を開始したところである。

問 保健所の機能強化について
○ 保健所は、新型コロナウイルス感染症対策において、多くの役割を担っていますが、県民の命と健康を守る上で、「陽性者の病状把握」「疫学調査」「自宅療養者の健康観察」が、果たすべき重要な役割と考えている。
○ こうした役割を保健所が果たすためには、職員の負担軽減や体制の強化が課題となっている。このため、イベントや会議の延期・縮小等を行うほか、陽性者の搬送業務や自宅療養者の休日・夜間の相談業務等を委託し、保健所職員の負担軽減を図っているところである。加えて、保健師等の会計年度任用職員の任用や、保健福祉環境事務所全体での業務の分担、本庁及び保健所間での職員の応援、市町村保健師の応援により、体制を強化し、対応してきたところである。
○ 今後、更なる感染拡大に備え、会計年度任用職員の増員を図るため、本議会に補正予算を提案しているところである。さらに、感染症対策業務に従事する保健師も採用により増員する予定である。また、将来の新興感染症等に備えるため、保健所においてどのような機能強化が望ましいのか、検討してまいる。

問 増員に伴う保健所のハード整備について
○ 県では、感染の拡大状況に応じた職員の増員に対応するため、これまで執務室のレイアウトの変更や会議室の活用等、各保健所で工夫して感染症対策業務に必要なスペースを確保してきたところである。
○ 今後も、感染症対策業務に支障が生じないよう、引き続き、各保健所の実態に応じて業務上必要なスペースを確保し、円滑な業務遂行のため、無線LANの整備やコピー機の設置等、環境整備に早急に取り組んでまいる。

問 新型コロナウイルス感染症対策本部事務局の体制と時間外勤務の状況について
○ 対策本部事務局については、随時、新たな課題へ対応するための増員を図り、6月には、最大で105名まで体制を強化した。その後、新規陽性者数が減少に転じる中においても、約100名の体制を維持してきたところである。
○ その結果、5月に平均102.3時間であった事務局職員の時間外勤務は、6月以降、減少傾向となり、7月には平均63.2時間まで減少した。
○ しかしながら、7月下旬以降、新規陽性者数が再び急増し、患者情報の管理や宿泊療養施設への入所調整等の業務量が大幅に増加した。こうした中でも、職員の負担を軽減するため、
 ①対策本部での業務経験のある職員を1日交替で配置したほか、
 ②業務量に応じた事務局内での職員の配置換え、
 ③午後からの勤務を可能とする勤務シフトの変更
などを行ってきた。
○ これにより、第5波の新規陽性者数が第4波を大きく上回る中でも、8月の時間外勤務は平均84.2時間と、5月を2割ほど下回る結果となった。しかしながら、宿泊療養施設を担当する班において、5名の職員の時間外勤務が月200時間を超えるなど、過度な負担が生じたことから、今後も、感染状況や業務量に応じ、必要な体制をしっかり確保していくことが必要と考えている。
○ 10月1日には、県として、20名を超える新規採用職員を前倒しで採用する見込みであり、これにより、事務局を含む全庁的な執行体制を強化し、今後の感染拡大時の動員に迅速かつ柔軟に対応してまいる。

問 職員の負担軽減のための業務の見直しについて
○ 異動元所属における業務の見直しについては、6月議会の閉会日に開催した、江口副知事トップの「県庁における働き方改革推進本部会議」において、各部長に対し、具体的な事業見直しの事例を示しながら、積極的に見直しを行うとともに、定期的にその状況を把握し、改善を図るよう、あらためて指示を行った。
○ また、6月25日には、人事課から各部に対し、業務の中断・縮小等を行うことにより、所属職員の負担軽減に努めるよう重ねて指示を行った。さらに、7月19日には、行政経営企画課長及び人事課長の連名で各部主管課長あてに文書を発出し、職員の負担軽減につながる思い切った見直しを行うとともに、見直しの状況を把握し、報告するよう指示を行ったところである。
○ この結果、今年4月から8月までに対策本部事務局に職員を送り出した84の所属全てにおいて、会議、研修等のオンラインや書面による開催、啓発イベント等の中止や時期の変更、現地訪問や立入検査の回数削減など、767業務の見直しが行われたところである。この取組については、今後も継続し、異動元所属の負担軽減を図ってまいる。
○ 加えて、職員の働き方改革を目的とした業務見直しに全庁的に取り組んでいるほか、若手職員に「業務量の削減につながる見直し」を積極的に提案してもらう新たな仕組みを作った。こうした取組も併せて推進することで、異動元所属の更なる負担軽減につながる業務見直しに努めてまいる。

問 保育所等の送迎バスの運行について
○ 道路運送法では、公共の福祉を確保するためやむを得ない場合、実費を徴収の上、国の許可を得て、送迎バスを運行することが認められている。
○ 保育所のバス送迎は、平成8年の厚生労働省通知において、保育所の設置場所等の地域状況を勘案して行ってもよいこととされた。
○ 幼稚園のバス送迎は、幼児期の心身の発達を考慮し、特色ある教育を希望する幼児が遠方からでも安全に通園するために運行されている。
○ 運行費用については、実費相当額を保護者から徴収していることを、監査等で確認している。

問 保育園児の死亡事案の再発防止について
○ 保育所によるバス等での児童の送迎は、保育所と保護者との私的契約により実施する有償サービスであるため、国が示す保育指針等においては、車両送迎に係る安全管理の規定はない。
○ そのため、県において、バス等での児童の送迎の安全面の確認はこれまで行っていなかった。しかし、今回の事案を重く受け止め、外部有識者にも意見を伺いながら、車両送迎に係る県独自の安全管理指針を作成し、本日公表することとしている。
○ その主な内容としては、①送迎時は運転手以外に添乗員を1名以上配置すること、②乗降確認や降車後の園への児童の引渡しについて具体的手順を定めること等を盛り込んでいる。
○ 今後、今回の死亡事案を教訓に、県内すべての保育所を対象に研修を行い、改めて子どもの安全管理体制の点検を求める。その中で車両送迎を行う保育所にあっては、新たに作成した安全管理指針に沿った送迎の実施を指導してまいる。
○ 毎年度実施する監査においても、今申した、子どもの安全管理の実施状況について、バス送迎に関する本指針の適用状況も含め、重点的に監査してまいる。
○ 幼稚園についても、これまで具体的な安全面の確認は行っていなかったが、今回作成した指針は、幼稚園での対策にも有効であると考えている。今後新たに、その内容をすべての園に周知するとともに、先月24日に発表した「送迎バス等に係る実態調査」の結果、本指針の基準に満たない園や出欠確認などの業務に改善の余地がある園に対しては、これまでになかった現地での状況確認をはじめ指導を徹底してまいる。
○ この度のような事案は二度と繰り返してはならない。保育所及び幼稚園に対し、こうした取組を進めることにより、子どもを保護者からお預かりしお返しするまで、その安全が確保され、子どもの生命を大切にする保育が行われるよう、しっかり指導監督してまいる。特に、保育所については、常に安全管理等の確認を強く意識していただくよう、これまでの定期監査に加え、今後新たに、抜き打ち監査も実施してまいる。

問 パートナーシップ宣誓制度について
○ 性的少数者の方々は、例えば、同性カップルであることを理由に賃貸住宅の入居が困難となるなど社会生活上の障壁があり、生きづらさを感じている。
○ 性的指向や性自認は自らの意思に基づいて選択・変更できないものである。これらを理由とした偏見や差別をなくし、性的少数者の方々が安心して生活し、活躍できる社会を実現するための環境整備が重要と考える。
○ このため、パートナーシップ宣誓制度について、先進地を訪問するなど聴き取り調査を行い、他の都道府県や県内市町村等の動向を継続的に調査を行っている。現在、県内全市町村に対して、公営住宅の入居申し込みや公立病院における病状説明など、県が制度を導入した場合にどのようなサービスに利用可能か市町村の考えを調査しているところである。
○ 今年7月、8月には、県内の民間事業者においても、3つの金融機関で性的少数者向けの住宅ローンサービスが新たに開始されるなど、性的少数者を支援する動きが広がっている。
○ 今後は、先進事例や民間事業者の動き、県内市町村の考えを整理した上で、有識者で構成する福岡県人権施策推進懇話会の意見を聴きながら、パートナーシップ宣誓制度の導入に向けた検討を進めてまいる。

問 政治分野における「ジェンダー平等」の実現に向けた取組について
○ 女性議員の割合が増えることは、様々な価値観に基づく議論を通し、多様な視点が施策に反映されるという点からも非常に重要であり、誰もが暮らしやすい社会の実現に資するものと考えている。
○ 地方議会におけるハラスメントの実態については、議員活動や選挙活動中に、有権者や支援者、議員等から「性的、もしくはヤジを含む暴力的な言葉による嫌がらせ」、「性別に基づく侮辱的な態度や発言」といったハラスメントを受けたことがある議員は、男性が32.5%に対し、女性は57.6%と、女性の方がより多くのハラスメントを受けていることなどが、昨年度、国が地方議会の事務局を通じて行った調査により明らかになっております。こうしたハラスメントは、女性が政治に参画する上での障壁の一つとなっている。
○ 政治分野における男女共同参画の推進の取組は、政党その他の政治団体が自主的に取り組むほか、地方議会及び関係行政機関等が適切な役割分担の下でそれぞれ積極的に取り組む必要がある。
○ このため、県としては、県内市町村及び議会に対して、先ほど申し上げた調査で明らかになった実態を周知するとともに、男女共同参画の取組に資するよう、ハラスメント防止に関する規定の整備や研修等の事例を提供していく。
○ また、「男は仕事、女は家庭」といった固定的な性別役割分担意識の解消に向けた啓発や、男女共同参画センター「あすばる」の情報紙による県内の政治分野への女性の参画状況の周知などを通して、政治分野におけるジェンダー平等を推進していく。

問 教育機会確保法の立法趣旨及び基本理念について(教育長答弁)
○ 教育機会確保法の目的は、基本理念や国・地方公共団体の責務を明らかにして、不登校児童生徒等に対する教育機会の確保等に関する施策を総合的に推進することである。県教育委員会としては、学校における安心して教育を受けられる環境の確保、教育支援センターやフリースクールなどでの多様な学習活動を踏まえた個に応じた支援、関係者相互の密接な連携等といった、法律の基本理念にのっとり、教育機会の確保等に関して必要な対策を講ずるよう努めてまいる。

問 不登校児童生徒の実態の推移と、全国の状況との比較について(教育長答弁)
○ 本県の公立小中学校の不登校児童生徒数の推移は、平成28年度が5,082人、29年度が5,476人、30年度が7,215人、令和元年度が8,595人となっており、近年では毎年千人以上の増加が見られる。この状況を全国と比較すると、令和元年度における千人当たりの不登校児童生徒数では、全国の国公私立小中学校が18.8人であるのに対し、本県の公立小中学校は21.2人と、全国を上回る結果となっており、重大な課題であると認識している。

問 福岡県立大学の「不登校・ひきこもりサポートセンター」や民間フリースクールの取組の意義や県の支援について
○ 不登校の子どもたちに多様な教育機会を提供する取組は、学校復帰や社会的自立を図っていく上で重要であると認識している。
○ 県立大学のサポートセンターでは、電話や来所などによる相談に加え、学内の「キャンパススクール」において、不登校の子どもたちへの学習支援と心理的なサポートを行っている。利用した子どもたちのうち、再び学校に通学できるようになった割合は、直近3年間の平均で6割を超えている。
○ 今年度からは、朝倉市など4市町村のモデル校やフリースクールなどの関係者によるネットワーク会議を設置し、社会的自立に向けた支援プログラムや不登校の未然防止のための行動指針の策定などに取り組んでいるところである。県としては、県立大学が本県における不登校対策の拠点としての役割を担うことができるよう、必要な経費を助成してまいる。
○ 次に、フリースクールについては、全国に先駆け、運営経費の一部助成を平成19年度から開始し、当初は4施設であったが、令和2年度は14施設に対し助成している。引き続き、不登校の子どもたちの状況に応じた学習活動が行われるよう、支援してまいる。

問 不登校児童生徒の学びの場を確保するための関係機関との連携について(教育長答弁)
○ 不登校児童生徒の学びの場を確保し、社会的な自立を目指すためには、児童生徒の意思や個性に応じた、多様で適切な教育機会が確保されるような支援体制を作っていくことが重要であり、県、市町村、学校、民間団体等や、福岡県立大学の「不登校・ひきこもりサポートセンター」との連携強化が不可欠だと考えている。
○ そのため、まず、不登校支援の在り方について関係機関等との共通認識の形成に努める。その上で、不登校児童生徒への個別の支援においては、学校と教育支援センターや、多様な教育機会を提供している民間団体、そして家庭とが連携し、不登校児童生徒についての情報共有、早期からのカウンセリングや学習指導、そして進路についての相談までを切れ目なく支援できるようにすることを目指してまいる。そのためには、連携の中心となる教育支援センターの機能強化が期待されるところであり、県としてもそのための取組を検討していきたいと考えている。

問 平成29年7月九州北部豪雨の復旧工事について
○ 県が管理する道路、河川、砂防などの公共土木施設の災害復旧工事の進捗状況については、原形復旧を行う225箇所の全てで工事に着手し、全体の9割を超える211箇所において、工事が完成している。今年度までに、全ての箇所で工事が完成する予定である。
○ また、改良復旧を行う73件については、
・道路では、2路線3区間の全てで工事が完成している。
・河川では、13河川の全てで工事に着手し、1河川が完成しており、令和4年出水期前までに、さらに4河川が完成する予定である。なお、護岸整備が必要な延長のうち約8割で工事に着手し、5割を超える工事が完成している。
・砂防では、57箇所のうち49箇所で工事に着手し、30箇所が完成しており、令和4年出水期前までに、さらに7箇所が完成する予定である。
○ 次に、農地・農業用施設についてである。原形復旧を行う977箇所のうち851箇所で工事に着手し、うち676箇所の工事が完成している。今年度中には、さらに159箇所が完成予定であり、これを含めた割合は、全体の8割以上となる見通しである。未着手の箇所については、隣接する他の復旧事業との調整を行っており、調整が整ったところから順次着手してまいる。
○ また、被害が甚大で原形復旧が困難な河川沿いの農地については、朝倉市が区画整理型の復旧を進めており、9河川15区域のうち10区域で工事に着手している。未着手の5区域のうち、4区域については、現在、朝倉市が発注準備を行っているところであり、残りの1区域についても、国や地元との調整を行っており、調整が整い次第、着手する予定である。
○ 県としては、引き続き、用地の取得や関係者との調整を進め、着実に工事の進捗を図り、一日も早い被災地の復旧・復興に取り組んでまいる。

問 朝倉市における営農再開に向けた支援について
○ 農地の復旧については、被災から4年が経過し、山間部や河川沿いの農地を除き、復旧工事を終えたところである。復旧を終えた農地では、被災した376戸の担い手のうち、360戸が営農を再開している。
○ 県では、営農再開にあたり、ハウス施設や省力機械の導入を支援しており、果樹農家がイチゴやアスパラガスなどを新たに導入したり、地区外からの参入者によりイチゴ栽培が開始された事例も出ている。
○ しかしながら、今後、復旧が本格化する山間部等においては、小規模な農家が多いことに加え、被災から時間が経過し、高齢化や離農が進んでいることから、担い手の確保が課題となっている。
○ このため、普及指導センターが中心となって、朝倉市やJAとプロジェクトチームを立ち上げ、まずは復旧が進んでおり、水稲を主体とする黒川(くろかわ)地区を対象に、機械の共同利用を行う営農組織の設立や、農地中間管理事業を活用した地区外からの担い手確保について検討を進めている。
○ 県としましては、今後、赤谷川(あかたにがわ)地区や北川(きたがわ)地区などでも、担い手の確保に加え、収益性が高い園芸作物の導入による複合経営や、水田農業を担う法人組織の育成などを進め、朝倉市の産地復興に努めてまいる。

問 朝倉市の地域コミュニティ再生に向けた支援について
○ 朝倉市では、被災した住民の転出により過疎化、高齢化が加速し、地域コミュニティの存続が危惧される地域がある。このような厳しい状況にある地域コミュニティを再生するためには、担い手となる人材の育成を図るとともに、コミュニティの絆を深める取組を進めていくことが必要である。
○ これまで、県では、コミュニティ活動を担う人材を育成するため、市町村職員や自治会役員等を対象に、研修会や活動事例の報告会を開催してきた。
○ さらに、今年度から、朝倉市が実施する、被災地のコミュニティ再生に向けた取組に対する助成制度を新たに開始した。具体的には、地域コミュニティ組織やNPOが行う、
 ① 地元の住民と被災して転出された住民との、田植えや、ちまきづくりなどを
  通じた交流、
 ② 地域の祭りなど、中断している地域行事の復活、
 ③ 農業体験など、地域資源を活用した被災地域の交流人口の拡大
などの取組に対し、支援を実施しているところである。
○ 県としては、このような取組を通じ、朝倉市と力を合わせて、被災地域のコミュニティ再生を支援してまいる。

問 国道322号の整備について
○ 国道322号は、北九州市から朝倉市を経由し、久留米市までを繋ぐ広域的な幹線道路である。県では、道路ネットワークの強化及び円滑な交通の確保を図るため、平成29年度から朝倉市内において甘木バイパスとして事業に着手している。
○ 事業着手後、平成29年豪雨災害が発生し、県・市ともに災害復旧に最優先で取り組んでいるところであるが、当工区の早期整備は、依然として必要なものと認識している。

問 朝倉市との連携・協議について
○ 国道322号甘木バイパスは朝倉市の市街地部で交差点が近接した屈曲部があり、円滑な交通に支障が生じている。県としては、早急に屈曲部を解消することが必要だと考え、事業着手前から継続して朝倉市と協議・調整を行っている。
○ 早期整備のためには、市のまちづくりと一体となって事業を進めることが必要であると考えており、引き続き、市と連携・協議を行いながら、事業を進めてまいる。


民主県政クラブ県議団とは

立憲民主党14名、国民民主党2名、社民党1名、無所属3名で構成する総勢20名が所属する会派です。

県議会の会派の中で最も女性議員が多く、8名の女性議員が活躍しています。

第2会派として、格差をなくし誰もが活躍できる社会・ジェンダー平等社会の実現のため、地域の皆様のお声を最大限県政に反映できるよう一丸となり取り組んでおります。活動の内容をこのホームページで随時ご紹介していきます。

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