2021年(令和3年)6月定例県議会 報告 1

2021年(令和3年)6月議会定例会は、6月4日から6月22日までの19日間の会期で開催されました。

開会日に上程された議案は、開会日に令和3年度補正予算議案2件、福岡県税条例の一部を改正する条例、福岡県婦人保護施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例などの条例議案10件、契約議案13件、その他の議案5件、合計30議案が上程され、更にコロナ対策関連の追加予算議案が6月15日に1件、最終日には更1件が提案されました。

開会日には、緊急を要する新型コロナウイルス感染症対策の補正予算議案1件の審査を行い議決されたのち、日程に従い、代表質問、一般質問、常任委員会を経て、定例会最終日の6月22日に採決が行われ、いずれの議案も可決されました。

民主県政クラブ県議団の代表質問の登壇者は冨田徳二議員(北九州市戸畑区選出)でした。選挙後初めて定例会を迎える服部知事の政治姿勢、新型コロナウイルス感染症対策、教育問題など喫緊の行政課題について、服部知事並びに先の4月臨時会で新たに選任された吉田教育長、警察本部長に対し質問を行いました。

代表質問の内容
1 県政推進の基本姿勢について
 ① 知事の政治姿勢について
 ② ジェンダー平等の推進について
 ③ 次代を担う人財の育成について
 ④ 児童虐待対策について
 ⑤ 子供の貧困ゼロに向けた社会づくり、社会的・経済的に厳しい状況を
  強いられている方の支援について
 ⑥ 災害対策について
 ⑦ 性暴力根絶に向けた更なる取組について
2 新型コロナウイルス感染症対策について
 ① 医療提供体制の確保と医療現場への支援について
 ② 感染封じ込め対策について
3 教育施策について

代表質問の概要

 4月に当選され新たに県政を担う服部知事の基本方針を確認しました。
 知事からは、「政治姿勢」として、県民を真ん中に置き何をなすべきか考えて県政を推進すること、選挙公約の「ジェンダー平等の推進」については、社会全体で性別役割分担意識や無意識の思い込みの存在が課題であり、性的少数者の方の意見も聞きジェンダー平等への理解を深めながら、施策へ反映を検討していくことが表明されました。「次代を担う人財育成」については、課題を自ら見つけ解決に向け行動できることが重要で、教育環境の整備をはじめ、地域の活性化、産業・経済の発展、スポーツ、文化・芸術などを担う人財の育成に全庁を挙げて取り組むと明言されました。
 新型コロナウイルス感染症対策としては、ワクチン優先接種対象者の検討、潜在看護師の復職支援、対策本部事務局体制の確保と事務事業の見直しによる県職員の負担軽減を図るとの発言を得ました。
 教育関係では、知事から、緊急時でも充実した教育が受けられるICT環境の整備が人財を育成する上で重要との回答を得るとともに、教育長からは、教職員の負担軽減、正規教職員率の向上、定数欠講師の縮小のため退職者を上回る新規採用に努めるとの発言を得ました。

一般質問(登壇者7名)

・佐々木允議員(田川市)
  一、地方振興及び人財育成について
  一、骨髄バンク制度の充実について

・中嶋玲子議員(朝倉市郡)
  一、今後の災害対策と流域治水について

・山本耕一議員(北九州市若松区)
  一、 福岡県美術展覧会(県展)について

・渡辺美穂議員(太宰府市)
  一、自立援助ホームについて

・後藤香織議員(福岡市早良区)
  一、防災対策の強化について
   1.室見川の浸水被害防止
   2.避難所運営のあり方

・中村香月議員(久留米市)
  一、ミカン等の果樹苗木生産について

・川﨑俊丸議員(糸島市)
  一、脊振山系への風力発電所建設計画について

民主県政県議団 代表質問 登壇者 冨田 徳二

一、県政推進の基本方針について
1.知事の政治姿勢
問 今後の県政運営について
 私は、常に県民の皆様を真ん中に置き、県民の皆様のために何をなすべきか、しっかりと地に足をつけて考え、県政を推進していきたいと考えている。
 小川前知事は県民生活の安定、安全、安心を第一に、各分野に目配りのきいた堅実な取組を進められた。これにより、本県は元気に発展してきたと思っている。この小川県政のバトンをしっかり受け継ぎ、本県をさらに発展させていく、これを基本と考え、引き続き、地方創生の基本である「誰もが住み慣れたところで働き、長く元気に暮らし、安心して子どもを産み育てることができる」地域づくりを着実に進めてまいる。
 その上で、「次代を担う『人財』の育成」、「世界の舞台で勝負できる福岡県」の実現、「ワンヘルスの推進」といった、本県の将来の発展につながる新しい施策に挑戦してまいる。
 
問 県総合計画改定に向けてのビジョンとスケジュールについて
 次期総合計画では、只今申し上げた地方創生の基本である地域づくりを着実に進めるとともに、「世界を視野に置き」、「未来を見据えて」目指すべき福岡県の姿を明らかにし、施策の方向性を示していきたいと考えている。
 「世界を視野に置く」では、世界で活躍できるグローバルな人材を育てていくほか、輸出の拡大、国内外からの企業の立地、観光誘客の推進など、産業分野において世界と勝負し、選ばれる福岡県を目指してまいる。また、ワンヘルスの世界的な先進地を目指してまいる。
 「未来を見据える」では、コロナ禍における人々の意識や行動の変容、人口の減少・少子高齢化の進展、デジタル化、脱炭素社会の実現に向けた取組など、社会経済状況の変化を的確に捉え、時代を先取りした新たな施策を展開して福岡県をさらに元気に発展させてまいる。
 同時に、これからの福岡県を支える人材の育成に取り組んでまいる。
 これから、県民の皆様とともに福岡県の未来の扉を開いていきたいと考えている。
 スケジュールについては、先月31日、第1回総合計画審議会を開催し、次期計画の策定について諮問を行った。今後、検討の段階に応じ、総合計画審議会でご審議いただき、来年2月議会での議案の提案に向け、検討を進めてまいる。

問 「県民幸福度日本一」の評価について
 前知事は、幸福の考え方は人によって様々であり、これを的確にあらわすことは難しいことから、県民の皆様から直接、幸福実感や施策に対するニーズを把握し、目標の達成度を確認しながら、施策の充実・強化に努めてこられた。
 そのような考えのもと、様々な分野に目配りのきいた堅実な取組を進められ、県民生活の「安定」「安全」「安心」を向上させるための施策を総合的に展開され、福岡県を発展に導いてこられたと考えている。

問 政策目標やスローガンについて
 私が目指す福岡県をひとことで申し上げると、「県民の皆様が安心して、たくさんの笑顔で暮らせる県」である。
 
問 国及び県内市町村との関係強化について
 県では、従前から、国や、県内市町村と情報や意見の交換を行いながら、必要な施策を進めてきたが、県の人口の半分を占める両政令市とは、様々な課題がある中で、連携やコミュニケーションが不足しているとの指摘もあった。
 そのようなことも踏まえ、私は、知事に就任後、ただちに両政令市長と面談し、今後の連携、協力を確認した。その後も、両市長とは頻繁に連絡を取り合い、率直な意見交換をしている。また、その他の市町村長に対しても、電話やウェブ会議などを用いて、昼夜を問わず連絡を取り、様々な協議を行ってきた。これからも、トップ同士の連携を大切にしてまいる。
 そして、同様に大切なことは、県と市町村の職員同士が日頃からコミュニケーションを円滑にし、協力して仕事を組み上げていくことである。
 今後とも、県と市町村とのコミュニケーションを深め、より密接に連携することによって、チームとしての力を発揮し、課題の解決に向けて取り組んでまいる。
 国に対しても、副知事時代から私は、省庁の幹部や県選出国会議員の皆さんと県政に関する様々な分野の協議を行ってきた。引き続き、全国知事会や政府への提言・要望の場等も活用しながら、県の考え方を各省庁や国会議員の皆さんに伝え、さらなる関係の強化に努め、本県の発展につなげていきたいと考えている。
 
問 本県財政の現状について
 歳出面では、近年の急速な高齢化の進展により、社会保障費が増嵩するとともに、4年連続で発生した豪雨災害の復旧・復興対策に伴う公債費も増加している。歳入面では、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う県税の大幅減収が今年度も見込まれている。
 こういったことから、財政調整基金等三基金を取り崩しながら財政運営を行わざるを得ず、令和2年度最終予算ベースでは、三基金の今年度末残高は平成以降最少の231億円と見込まれるなど、大変厳しい財政状況にあると認識している。
 
問 財政改革プランについて
 安定した財政を取り戻すためには、まずは、新型コロナウイルス感染症を早期に収束させ、県民の皆様の安全・安心を守り、地域経済を立て直す必要がある。その上で、将来の発展のための種をまき、芽を育てていくことで、税源を涵養し、ポストコロナ時代の好循環をつくっていくことが大事であると考えている。そのような考えの下、今年度の予算編成を行っているところである。
 今後もメリハリの効いた施策を打っていくためには、財源の確保が必要である。現在の財革プラン策定以降、4年連続しての豪雨災害や新型コロナウイルス感染症の流行など、社会経済状況は大きく変化している。こうした変化の中で、被災地の復旧・復興、コロナで打撃を受けた県民への支援、地域経済の立て直し、税源の涵養にもつながる新たな成長戦略などの施策の展開が必要になると考えられる。
 次期プランでは、このような対策が実施できるよう、リモート化・デジタル化など社会経済状況の変化を捉えた事務事業の見直しや、さらなる民間活力の活用などによる財源の確保に取り組んでまいりたいと考えている。
 
問 ワンヘルスの推進について
 新型コロナウイルス感染症をはじめ、SARS、MERSなど新興感染症の多くは人獣共通感染症である。これに対応するためには、人と動物の健康、そして環境の健全性は一つというワンヘルスの理念に基づく取組が重要である。これは、国連が掲げるSDGsの目標の多くにも関わっている問題である。
 本県では、平成25年に全国に先駆けて、福岡県獣医師会と福岡県医師会がワンヘルスに関する学術協定を締結されたほか、28年に「第2回世界獣医師会・世界医師会“One Health”に関する国際会議」が北九州市で開催され、ワンヘルスを実践する段階に進めることを決意する「福岡宣言」が世界に向け発信された。さらに、昨年12月には議員提案により、「福岡県ワンヘルス推進基本条例」が全国で初めて制定された。
 こうした動きを受け、県では、人獣共通感染症対策の推進や県民に対するワンヘルスの理念の普及啓発を図るため、ワンヘルスに関するシンポジウムや国際フォーラムを開催するとともに、このたび、ワンヘルスを総合的に推進する専任の室を新たに設置したところである。このように、本県はワンヘルスに先駆的に取り組んできた。
 コロナとの戦いに打ち勝った後も、次なる新興感染症、再興感染症に備えていかなければならない。そのためには、本県におけるワンヘルスの取組をさらに加速させることが重要であると考えている。
 これから、福岡県がワンヘルスの世界的先進地となることを目指し、ワンヘルスを実践する拠点の整備、世界トップクラスの研究者による国際会議の開催など、ワンヘルスの取組を実践していくことにより、県民の命と健康を守ってまいる。
 
問 福岡県ワンヘルス推進基本条例に基づく行動計画の策定について
 私は、本条例が全国で初めて制定されたことに鑑み、県の取組の指針となる行動計画を全国のモデルとなるようなものにしたいと考えている。
 具体的には、ワンヘルスの理念を実践する中核拠点として、保健環境研究所と動物保健衛生所とが連携した上で、根拠法令がない愛玩動物や野生動物に関する試験検査、分析測定、調査研究を実施するワンヘルスセンターの設置について盛り込むこととしている。
 また、今年度実施するアニマルセラピーなどワンヘルスに取り組む民間団体についての調査を踏まえ、人の心の健康づくりと生活の質の向上のために愛玩動物を活用する施策を掲げるとともに、教育委員会及び私立学校等の関係者と連携し、学校におけるワンヘルス教育の実施を促進してまいりたいと考えている。
 今後、計画案を取りまとめの上、条例第15条に基づく、県、国の関係機関、市町村、医師会、獣医師会等による協議会において、専門的な見地から議論いただくとともに、県議会のご意見も踏まえ、来年3月までに行動計画を策定してまいる。
 
問 「ワンヘルス宣言事業者登録制度」と「福岡県ワンヘルス認証制度」の創設について
 登録事業者におけるワンヘルスの取組及び事業活動への活用等を促進するため、「福岡県ワンヘルス推進基本条例」第16条に基づき、ワンヘルスの推進に取り組む旨を宣言した事業者を登録する宣言事業者登録制度を創設する。
 事業者に対し、県のホームページをはじめ県の広報媒体や事業者向けのメールマガジン、SNSなどのほか、市町村、商工団体など支援機関、関係団体を通じた個別の周知などにより、制度の趣旨を分かりやすく伝え、登録の呼びかけを行う。また、ワンヘルスの取組を「見える化」するための分かりやすいマークや制度の活用を促進する優遇策を導入してまいる。
 条例に定める基本方針の中では「環境と人と動物のより良い関係づくり」を掲げており、ここで目指すものは、「健康を支える食の安全・安心の推進」である。安全・安心な食の生産には、有害な物質に汚染されていない環境、家畜の健康、また、生産工程が直接確認できる地元での生産が重要であると認識している。
 これを推進するための認証制度を創設してはどうかとのご提案であるが、認証制度については、県民・事業者に登録制度との違いを理解してもらう必要があることや、審査項目をどのように設定するかなど検討すべき課題が多くある。
 このため、まずは、ワンヘルスの取組及び事業活動への活用等を促進する登録制度についてしっかり制度設計を進めてまいる。

一、県政推進の基本方針について
2.ジェンダー平等の推進について
問 ジェンダー平等社会について
 ジェンダー平等社会は、誰もが人権を尊重され、社会のあらゆる分野で自分に合った生き方を選択し、個人として持つ能力を発揮することができる社会であり、目指すところは男女共同参画社会と同じであると考えている。
 ジェンダー平等社会の実現に向けた取組みの対象には性的少数者も含まれている。一方、男女共同参画の取組みは、「男性」と「女性」だけを対象としているかのような印象を持たれる面もあるが、本県ではこれまで男女共同参画計画に、性的少数者に関する人権教育・啓発の実施やDV相談等における性的少数者専用の相談の実施を盛り込み、施策の対象として広げてきたところである。
 
問 「ジェンダー平等」の理念の政策等への反映について
 国連が掲げる持続可能な17の開発目標であるSDGsの1つに「ジェンダー平等を実現しよう 」が掲げられているなど、社会における「ジェンダー平等」という言葉に対する認知と理解が徐々に広がっている。
 一方、ジェンダー平等社会の実現にあたっては、働く場や地域・社会活動における様々な政策・方針決定過程への女性の参画が男性に比べて低いことや、社会全体における性別役割分担意識や無意識の思い込みの存在などの課題がある。
 今後、このような課題を踏まえ、性的少数者の方々や専門家、男女共同参画審議会の皆さんから幅広くご意見などを伺いながら、ジェンダー平等に対する理解を深め、私をトップとし、各部長を構成員とする男女共同参画推進会議において、他の自治体の先進的な取組みなども共有し、名称の使用も含めて、本県の政策への反映について検討してまいる。

3.次代を担う人財の育成
問 次代を担う人財の育成について
 私は人こそが宝だと思っている。これから様々な技術が発達したとしても、将来の福岡県をつくっていくのは、やはり「人」である。
 近年、情報化、国際化の急激な進行はもとより、これまで経験のない大規模災害や感染症の発生など、先を見通すことが難しい時代になってきている。こうした時代を生き抜くためには、自ら課題を見つけ、学び、考え、判断して、解決に向けて行動していくことが重要であると考える。
 まずは、青少年の皆さんが、県内どの地域に居ても、格差なくしっかり学ぶことができるよう、ICTの整備など、充実した教育環境の整備に取り組んでいく。その上で、様々な経験、体験を通じて、自らの可能性に気づき、能力を磨き、夢に向かってチャレンジしていく青少年を全力で応援していく。
 このため、こうした施策の基本となる新しい青少年プランを、1年前倒しで今年度策定することとし、4月23日、外部有識者による専門委員会議を立ち上げ、検討を開始しているところである。さらに、地域の活性化、産業・経済の発展、スポーツ、文化・芸術の振興など様々な分野で活躍し、福岡県の発展を担う人財の育成に、全庁を挙げて取り組んでいく。

問 次代を担う人財の育成について(教育長答弁)
 今日、デジタル化・オンライン化の急速な進展により社会の在り方が劇的に変わることが見込まれる中、未来を担う子供たちに、多様な他者と協働しながら社会的な変化を乗り越えつつ、持続可能な社会の創り手となるための資質能力を身に付けさせることが、今まで以上に求められている。
 このため、本県の学校において、社会の変化に主体的に対応するための思考力、創造力、情報活用能力に加え、文化や言語が異なる他者と協働するためのコミュニケーション能力等を着実に育成していくことが重要であると考えている。
 このような課題認識の下、ICTを活用した効果的な学習や、教科の枠に捉われない課題解決型の学び、英語によるコミュニケーションを実践する取組みなどを推進してまいる。
 私としては、学校をはじめ家庭や地域での教育が、これからの福岡県を担う人財の育成の基盤であることを肝に銘じ、全力を尽くしてまいる所存である。

4.児童虐待対策について
問 児童虐待死事案について
 本県では、近年、子どもが虐待等により亡くなる、大変痛ましい事案が続けて発生している。
 誠に無念であり、二度とこのようなことを起こしてはならない。子どもの命と権利を断固として守っていかなければならないと考えている。
 これらの事案については、現在、外部有識者で構成する「児童虐待事例等検証部会」において、発生原因の分析、児童相談所等関係機関の対応の検証を行い、7月を目途に提言をいただく予定となっている。
 
問 児童相談所の体制強化について
 児童虐待の発生予防から自立支援まで一連の対策の強化を図るため、平成28年度に児童福祉法が改正され、県では、これまで6つの児童相談所の児童福祉司を73名から113名に大幅に増員してきた。本県における昨今の児童虐待件数の増加や事案の複雑困難化に対応するため、引き続き、計画的に増員を図ってまいる。
 また、保護者からの威圧的な要求等への対応や管轄警察署との連絡調整などを行うため、昨年度、警察官を2名から4名に増員したほか、法的な対応を要する事例に対応するため、今年度、常勤の弁護士を1名から2名に増員するなど、体制の強化を図っているところである。
 施設整備については、これまで、宗像児童相談所を移転新築し、新たに一時保護所を併設したほか、久留米児童相談所の一時保護所の新築、田川児童相談所の事務室拡充を実施してきた。今年度は、福岡児童相談所の一時保護所の個室化工事を行うとともに、新たに一時保護所を併設した京築児童相談所の移転新築に係る基本設計に着手してまいる。

一、県政推進の基本方針について
5.子どもの貧困ゼロに向けた社会づくり、社会的・経済的に厳しい状況を強いられている方の支援について
問 子どもの貧困ゼロの政策を掲げた背景と県内における子どもの貧困の状況について
 私は、今後、福岡県が発展していくためには、次代を担う「人財」を育成することが重要であると考えている。そのために、子どもの将来がその生まれ育った環境に左右されることなく、また、貧困が世代を超えて連鎖することなく、すべての子どもたちが夢と希望を持って成長していける福岡県を実現したいと考え、この政策を掲げたところである。
 本県の17歳以下の生活保護率や小中学校の就学援助率については、ここ数年改善傾向にあるものの、全国平均と比べて高い水準が続いていることから、本県の子どもの貧困状況は全国より厳しいと考えられる。
 コロナ禍における直近の状況については、生活に困窮している子育て世帯の相談窓口として県が設置している「子ども支援オフィス」には、昨年度、1,419件の相談が寄せられ、これは一昨年度の約2.5倍となっている。その相談の内容は、収入減のほか、食費、光熱水費、家賃やローンの支払いに困っているとの相談が急増していることから、経済的に困窮する子育て世帯が増加していると推測される。

問 子どもの貧困ゼロに向けた取組について
 貧困が世代を超えて連鎖することなく、すべての子どもたちが夢と希望を持って成長していけるよう、「教育の支援」、「生活の安定のための支援」、「保護者に対する就労の支援」及び「経済的支援」の4つの柱により、施策を総合的に推進してまいる。
 教育支援では、進学・就職のための相談支援の継続や家庭における学習支援のため、今年度からタブレットを貸与することとした。
 生活の安定のため、子ども支援オフィスの職員を増員し、町村役場での出張相談会を実施するとともに、「福岡県子ども食堂ネットワーク」との連携を進め、支援を必要とする子どもを早期に発見する取組を強化してまいる。
 保護者の就労を支援するため、医療事務等の資格取得支援を継続するほか、子育て等により時間的制約がある保護者に向けて、短時間、託児付きで学べる職業訓練の定員を拡充した。
 経済的支援としては、先日議決いただいた「新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金」等、コロナ禍において新設された制度の周知、早期支給に努めてまいる。また、今年度から、子ども医療費支給制度の助成対象を入院、通院ともに中学生まで拡大し、子育て世帯の医療費負担の軽減を図っている。

問 養育費相談の実績と今後の対策について
 養育費相談の実績については、県内3か所に設置している「ひとり親サポートセンター」に、「養育費について取り決めせずに離婚したが、どうしたらいいか」などの相談が、昨年度193件寄せられた。
 また、弁護士による月1回の集中電話相談「養育費・ひとり親110番」には、77件の相談があり、弁護士への相談が、相談者の都合の良い時間と場所で無料で受けられる「弁護士相談クーポン」は44枚配布した。
 今年度は新たに、「ひとり親サポートセンター」に多く寄せられる質問について、24時間365日対応し、養育費相談を含め適切な支援に案内できるよう、センターのホームページに、AIチャットボット機能を導入する。
 現在、国においては、協議離婚時の養育費に関する取決めの義務化や公的機関による立替払い制度の導入などについて、検討が行われている。県としては、養育費の確保を促進するため、国において制度的な対応が講じられるよう、提言してまいる。

6.災害対策について
問 防災対策の取組み状況について
 本県では、ハード・ソフト両面から防災対策の充実・強化に取り組んでいる。ハード面については、過去に被災した箇所をはじめ、道路、河川等の公共土木施設について、日常の巡視・点検を行うほか、出水期前にも再度点検を行い、護岸や路肩など対策が必要な箇所については、対応したところである。
 また、河川については、計画的な改修を進めているところであるが、昨年、浸水被害があった37河川については、河道掘削や堤防かさ上げなど実施可能な水害対策を完了させている。
 さらに、全県域において浸水被害を軽減するため、排水ポンプ車を、福岡・北九州・筑豊・筑後南部の4地域にそれぞれ1台、浸水被害が続いている筑後北部地域に2台目を配置した。
 ソフト面については、県民に防災意識をしっかりと持っていただくため、新聞広告や防災ホームページ、広報番組などを通じて、
 ①平時は、ハザードマップで地域の危険度やコロナ禍における避難の注意点等を確認すること、
②大雨や台風等の際には、避難指示が発令されたら危険な場所から必ず避難することを、
広く呼び掛けている。
 また、県民に、地図上で気象警報や避難情報を分かりやすくお知らせするため、防災ホームページの改修を進めている。改修後のホームページでは、新型コロナウイルスの感染防止対策を踏まえた、迅速で適切な避難行動をとっていただけるよう、避難所の開設状況に加え、避難所の混雑状況も掲載することとし、今月中旬に運用を開始する予定である。
 市町村に対しては、災害対策基本法の改正や避難所における感染防止対策の徹底等について、副市町村長会議や防災担当課長会議、防災担当者個別ヒアリングにおいて説明するとともに、市町村の広報紙やホームページなどを活用して、住民への周知を徹底するよう、繰り返し助言してまいる。
 
問 災害対策基本法改正の周知について
 今回の法改正により、避難情報が分かりやすく整理され、警戒レベル3では高齢者等避難、警戒レベル4では避難指示が発令されることになった。このような避難情報が発令された際は、危険な場所にいる方は、必ず避難していただくことが重要である。
 県では、この改正内容をお知らせする啓発ポスターを、本庁や出先機関に掲示するとともに、市町村、社会福祉施設、病院等、関係機関にも掲示を依頼した。併せて、新聞広告や防災ホームページ、SNS、ラジオスポット放送などを活用して、広く県民にお知らせするとともに、市町村に対しては、住民への周知を徹底するよう、助言しているところである。
 さらに、先月28日の私の定例記者会見において、避難情報が変わったことを説明するとともに、避難指示等が発令された際には、危険な場所から必ず避難していただくよう呼び掛けたところである。
 今後も、災害発生の恐れが高い場合にあらかじめ行っている県民への注意喚起の際など、あらゆる機会を捉え、避難指示等が発令されたら危険な場所にいる方は必ず避難することを、繰り返し周知徹底してまいる。
 
問 福祉避難所の設置状況と体制や物資の整備状況について
 本県では、すべての市町村において福祉避難所が指定されており、その数は本年3月末現在、669か所となっている。
 体制や物資の整備状況については、県では、「福祉避難所設置・運営に関するマニュアル」に、要配慮者に必要となる物資・器材や専門人材を示し、市町村に対しその確保を図るよう助言している。これを踏まえ、各市町村では、車いすやポータブルトイレ、紙おむつ、生理用品などを備蓄するとともに、関係機関との物資の調達や人材の派遣の協定を締結している。
 県としては、福祉避難所における物資・器材や専門人材の不足に備え、直ちに支援できるよう、福祉用具の事業者団体や災害派遣福祉チームDWAT(ディーワット)を構成する福祉関係団体との災害時協定を締結している。また、災害時に福祉避難所が円滑に機能するよう、市町村に対し、研修会において要配慮者の避難支援や福祉避難所運営の優良事例を紹介し、福祉避難所運営訓練を実施するよう、引き続き強く働きかけてまいる。

問 福祉施設等の福祉避難所への指定について
 高齢者施設や障がい者施設等を福祉避難所に指定することは、必要な設備や物資・器材、専門人材があらかじめ整っていることから、配慮を要する方の安全安心な避難に資するものと考える。市町村が指定する福祉避難所の本年3月末の現状は、669か所のうち、600か所が福祉施設等である。  
 一方で、避難にあたり配慮を要する方の数に比べ、福祉避難所での受け入れ可能者数は、まだまだ十分ではない。このため、県としては、市町村に対し研修会や個別訪問を通じて、避難者に身近な福祉施設等を活用した、福祉避難所の追加指定を働きかけてまいる。また、市長会、町村会と協議の上、多くの福祉避難所で、市町村域を超えた広域的な避難者の受け入れが進むよう仕組みの構築に努めてまいる。

7.性暴力の根絶に向けたさらなる取組みについて
問 本県の性犯罪の動向及び認識について(警察本部長答弁)
 平成30年と令和2年を比較すると、性犯罪の認知件数については、381件から228件と、153件減少している。検挙件数についても、297件から219件と、78件減少しているが、検挙率は、78%から96.1%と、18.1ポイント上昇している。また、人口10万人あたりの認知件数は、全国と比較した場合、平成30年のワースト2位から5位、そして8位と年々改善傾向にある。
 しかしながら、性犯罪の根絶に向けては厳しい状況であることに変わりはないと認識しており、引き続き、各種対策を強力に推進していかなければならないと考えている。
 
問 全国の動向及び全国にさきがけて本県が条例を制定した意義について
 一昨年の2月議会で議員提案により制定された、性暴力根絶条例は、法令及び条例では全国で初めて「性暴力」を定義するとともに、
①被害者に二次的被害を生じさせる行為の根絶
②性暴力根絶及び被害者支援に関する総合的な教育の実施
③再犯防止に向けた加害者の社会復帰支援
などを規定している。
 これまで、国や他県から、条例制定の経緯や施策の実施状況に関する調査を受けるとともに、全国紙で報道されるなど、全国唯一の条例として注目を集めている。
 本県への調査後、国は、「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」を策定し、本県の取組みを参考とした子どもの性被害を防止するための安全教育の実施をはじめ、各都道府県のワンストップ支援センターに電話がつながる全国共通短縮番号の導入、SNS相談の実施など、性暴力根絶に向けた取組みを進めることとしている。
 こうしたことから、本条例は、性暴力を根絶する上で、先導的役割を果たしており、大変意義深いものと認識している。
 
問 さらなる取組について(警察本部長答弁)
 平成31年2月に「性暴力を根絶し、性被害から県民等を守る条例」が制定されたことに伴い、県警察では、性犯罪に対する警察の強い意志を示すため、令和2年から、三大重点目標を「性犯罪の抑止」から「性犯罪の根絶」に改め、予防・検挙・被害者支援対策を推進しているところである。県警察としては、多発時間帯における警戒活動の強化や科学捜査の推進等の各種対策を継続しつつ、
・ 防犯アプリ「みまもっち」のリニューアルによる普及促進、SNS広告を活用した啓発動画の配信等、被害の多い年代に重点を置いた広報啓発の推進
・ 性犯罪等の前兆と見られる声掛け・つきまとい等の事案を含め、連続発生の可能性を念頭に置いた客観証拠の収集等による被疑者の早期検挙の徹底
・ 被害者支援センターとの更なる連携によりカウンセリングなどを積極的に実施するなど、より充実した被害者支援活動の推進
といった取組の強化を図っている。
 今後も魂の殺人とも言われる性犯罪の根絶に向け、強力に取り組んでいく。

問 二次被害を生まない教育・啓発について
 県では、条例に基づき、小・中・高等学校などに性暴力対策アドバイザーを派遣し、性暴力となる行為、被害後の影響、性暴力にあったときの相談先のほか、性暴力に対する偏見や無理解による二次被害を生まないための心がけなどについて講義を行っている。今年度は200校程度にアドバイザーを派遣し、来年度は全校に拡大していく。
 また、教職員に対しては、二次被害を生まないよう、今年度から、県立学校の校長会や市町村教育長会議、県私学協会を通じ、被害にあった子どもとの適切な接し方を周知徹底する。
 現在、県民や事業者向けに、性暴力の加害者にならないことはもとより、二次加害者や傍観者にもならないよう、県のホームページなどで広報を行っている。これに加え、被害者の約7割を占める若年女性を対象としたSNS広報や事業所等の研修用動画の作成・配信といった啓発にも取り組んでいく。

二、新型コロナウイルス感染症対策について
1.医療提供体制の確保と医療現場への支援について
問 ワクチン接種の見通しについて
 本県では、4月12日以降、政令市を皮切りに、市町村において高齢者の優先接種が始まった。4月下旬までは、高齢者向けのワクチンが、人口規模に応じたものではなく、各都道府県一律に配分されたため、本県のように人口規模が大きい都道府県は、人口当たりのワクチン数が少量となり、5月上旬までは、1回目の接種率が低い状況だった。このため、3週間後の2回目の接種率が全国に比べて低くなっていると考えられる。
 高齢者の接種については、県としても県内2か所に広域接種センターを設置するなど、市町村を支援し、7月末までに完了する見通しである。
 また、医療従事者等の接種については、ほとんどの方が1回目の接種を受けており、また、2回目の接種を終えている方も約7割となっていることから、概ね今月中に完了する見通しである。
 それ以外のすべての方の接種については、昨日の党首討論で、菅首相が「10月から11月にかけて希望する国民全てに終えることを実現したい」旨、述べられたが、国からは、今後のワクチンの具体的な供給計画は示されていない。このため、具体的な供給計画を速やかに示すよう、これまで、私から全国知事会を通じて国に要望したところであり、今後のワクチン接種を円滑に進めるため、引き続き要望してまいる。

問 ワクチンの優先接種の対象について
 県では、ワクチン接種の対象外となっている子どもに業務上接触する機会が多い方や、クラスターが発生した場合の影響が大きい施設等の職員を、優先的に接種することとしている。具体的には、保育士や教職員、放課後児童クラブの職員、消防団員のほか、介護サービス事業所や障がい福祉サービス事業所、児童養護施設の職員などを対象に検討を進めている。

問 潜在看護師の復職支援について
 県では、「福岡県ナースセンター」において、医療機関等に対する看護師の無料職業紹介を行っている。
 その結果、6月3日現在の新型コロナウイルス感染症に関連した求職者は613人で、求人51施設278人に対し、宿泊療養施設43人、PCR検査センター26人、ワクチン接種会場18人等、合計127人の方が就職している。
 また、看護協会において、潜在看護師が不安なく復職できるよう、ワクチン接種の手法を学ぶ講習会を6月に計8回実施することとしたところ、定員を大きく超える受講希望があった。
 このため、県では、より多くの方が受講できるよう、7月中に同様の講習会の開催を、大学に委託して計画しているところである。これにより、多くの潜在看護師の早期復職を支援し、ワクチン接種に従事する医療従事者の確保を図ってまいる。

2.感染封じ込め対策強化に向けた体制整備について
問 対策本部事務局における職員の勤務の状況と人員の増員について
 4月中旬以降の新規陽性者数の急増に伴い、宿泊療養施設の更なる拡充や県独自のワクチン広域接種センターの開設など、新たな課題への対応のため、事務局の業務量は大幅に増加した。
 そうした中で、土日や休日においても、患者情報の管理、宿泊療養施設や病院との調整など、平日と同様の業務に当たる必要があるため、在籍者の3割から5割程度の職員が出勤している。その結果、事務局職員の時間外勤務は、本年4月の平均が86.3時間、5月の平均が102.3時間となり、5月には、12名の職員が200時間を超えるなど、大変厳しい状況となった。
 こうした状況を踏まえ、5月中旬には、新たな宿泊療養施設の開設準備や飲食店の認証制度の導入等に対応するための増員を行うとともに、市町村が行うワクチン接種を支援するための班体制の拡充を行った。さらに、6月1日には、高齢者以外の方へのワクチン接種に関し、県による広域接種センターの更なる設置を検討するため、25名体制の「ワクチン接種推進室」を新たに設置した。この結果、年度当初に確保した71名体制から、過去最大の105名まで人員を拡充したところである。
 今後も、新型コロナウイルス感染症を封じ込めるため、感染状況や業務量に応じて、必要な体制をしっかり確保してまいる。

問 職員の負担軽減のための業務の見直しについて
 今年度実施した対策本部事務局の体制強化に当たっては、異動元の所属において新たに欠員が発生することから、人事課から各部に対し、会計年度任用職員の任用や業務の中断・縮小等を行うことにより、所属職員の負担軽減に努めるよう指示を行った。
 加えて、5月21日に開催した「県庁における働き方改革推進本部会議」において、江口副知事から各部長に対し、大変厳しい状況にある所属については、思い切った事業の見直しや実施時期の調整等を行うようあらためて指示したところである。
 これを受け、各部では、係内の事務分担の見直しや係を超えた業務調整にとどまらず、Web会議システムの活用や会議時間の短縮などの事務改善に取り組んでいる。 また、各種啓発イベントや説明会、調査事業等の中止や実施時期の変更、審議会等の開催回数の見直しや書面開催などの工夫を行いながら、職員の業務負担の軽減に努めているところである。
 今後も、職員の声に耳を傾けながら、業務の見直しの状況を把握し、改善を図ることで、職員の負担軽減を図ってまいる。加えて、今年度は、大卒程度が対象のⅠ類行政の職員採用試験に、初めて早期採用枠を設けたところであり、当該試験合格者20名程度を10月1日付けで採用する予定である。これにより、必要な人員を確保し、全庁的な執行体制の整備・強化を図ってまいる。

問 保健師の人員確保について
 県では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い増大した疫学調査等の業務に対応するため、これまで保健所間での応援や会計年度任用職員の任用、市町村からの応援等により、必要な保健師を確保してきたところである。
 加えて、県では、感染症対応業務に従事する保健師13名の増員を含め、今年度の採用試験で保健師を27名採用する予定である。採用試験の実施にあたっては、多くの方に受験していただけるよう、今年度から受験年齢の上限を29歳未満から39歳未満に引き上げるとともに、教養試験を廃止したところである。
県としては、引き続き必要な保健師を確保し、保健所の執行体制の整備を図ってまいる。

問 抗原簡易キットの活用について
 議員ご指摘のとおり、国は、5月28日に変更された基本的対処方針の中で、早期に陽性者を発見し、クラスターの大規模化や医療のひっ迫を防ぐ観点から、医療機関や高齢者施設、大学、職場等において、発熱、せき、のどの痛み等軽い症状を有する者に対し、抗原簡易キット等を活用した検査を実施するよう促すとしているが、詳細についてはまだ示されていない。
 抗原簡易キットは、他の検査方法に比べて感度が低いことや原則として無症状者への使用は推奨されないことなどに留意が必要であるものの、簡便・迅速に検査結果が出るといったメリットがあり、陽性者の早期発見につながることが期待される。このため、県では、国から抗原簡易キットの活用に関する詳細が示され次第、医療機関や高齢者施設、大学、職場等においてキットの特性を踏まえて適正に活用するよう促してまいる。

問 宿泊療養施設における医療的ケアについて
 本県では、昨年4月に宿泊療養施設を設置した当初から、すべての施設に24時間体制で医師・看護師を配置し、体温や呼吸器症状の確認などの健康観察を行っている。その際に異常があれば、直ちに医師が診察を行い、必要に応じ速やかに医療機関へ受診等ができるよう調整を行っているところである。
 また、昨年12月には、宿泊療養施設の全室にパルスオキシメーターを配置し、入所者が各自で酸素飽和度を測定できるようにしている。加えて、今年2月、携帯用酸素吸入器を各施設に配置し、5月には、酸素飽和度が低下傾向にある療養者に対して、医師の判断で酸素投与ができるよう、各施設に2台ずつ酸素濃縮装置を配置したところである。
 県では、これまで、宿泊療養施設には無症状者や軽症者を受入れることとしており、発熱や咳などの症状が出た場合も軽い方が多いことから、投薬が必要な場合は市販薬で対応していた。今回の感染拡大や変異株の影響により、施設ではこれまでよりも基礎疾患を有する重症化しやすい方を多く受入れることとなり、症状が悪化した場合の入院調整の間、医師による処方薬の投与が必要な方が増えてきた。このため、来週中に施設での処方薬の投与を開始することとしている。
  
問 筑豊地域の宿泊療養施設について
 宿泊療養施設の設置にあたっては、地域の感染状況に加え、交通アクセスや住環境・医療環境を考慮し、効率的な運用のための一定規模以上の部屋数などの要件から総合的に判断し、決定している。
 筑豊地域においては、これまでも感染が拡大した時期が見られたが、県全体で見ても感染者数は少なく、また、宿泊療養施設の要件を満たすホテルから協力の申し出がなかったため、これまで設置していない。
 現在の感染状況では、直ちに新たな宿泊療養施設を設置することは考えていないが、今後、筑豊地域において感染が拡大するような状況があれば、再度検討していきたいと考えている。

問 広域接種センターについて
 県では、県内すべての希望する65歳以上の高齢者が7月末までにワクチン接種を受けられるよう、市町村を支援するため、田川市とみやま市の2か所に広域接種センターを設置しているが、会場の規模から、約6万人への接種が可能と考えている。現在のセンターにおける優先接種の対象は、「7月末までに高齢者へのワクチン接種完了が困難」又は「県による集団接種の実施を希望」と申し出のあった6市町の高齢者、約3万人としている。
 また、八女市など他の市町から、「計画どおりに接種が進まずに、7月末までの高齢者の接種完了が困難になりそう」との声があったことから、改めて市町村の要望を調査した。その結果、16市町から要望があり、約3万人をセンターでの接種対象に追加することとした。
 具体的には、直方市、柳川市、八女市、筑紫野市、春日市、大野城市、宗像市、太宰府市、福津市、糸島市、新宮町、鞍手町、桂川町、香春町、福智町、みやこ町の高齢者を新たに対象としている。これら16市町の高齢者の方の予約開始日は、6月15日とし、16日から接種を受けられるようになる。
 また、予約キャンセル等によりワクチンの余剰が発生した場合の対応については、市長会及び町村会とともに「福岡県余剰ワクチン有効活用指針」を策定したところである。この指針に基づき、接種会場の従事者や危機管理・災害対策業務に従事する行政職員等に接種するなど、余剰ワクチンを有効に活用してまいる。
 
問 ワクチン接種の効率化について
 議員ご指摘のいわゆる「宇美町方式」は、住民の皆様は椅子に座ったままで、キャスター付きの椅子に座った接種者が、移動しながら予診と接種を行うものである。この方法は、短時間で多くの方への接種が可能であるほか、高齢者が移動中に転倒する危険性や、立ったり座ったりする回数が減る等、高齢者の負担軽減にも繋がるものと考える。
 一方、予診の時間をもっと長く取ってほしいとの声があることや、ワクチンや注射器を載せたカートを移動する際の転倒に十分注意しなければならないということも聞いている。
 県では、これまで、効率的な集団接種会場の運営に取り組む県内市町村の事例を紹介するweb研修会の開催や、市町村からの個別相談への対応により、市町村を支援してまいった。今後は、県内市町村だけでなく全国の先進事例の情報把握とその紹介に努め、市町村によるワクチン接種が円滑に進むよう、支援してまいる。

三、教育施策について
問 県立学校のICT化を進める真意について
 学校におけるICT化を進めることにより、例えば、AIを利用した学習アプリによって生徒それぞれの理解度に応じた問題の提供や迅速な評価が可能となり、学習意欲や学力の向上が期待できる。
 また、オンライン・システムにより、遠隔地の大学や専門家などとの交流が容易になり、地域間格差を克服することにもつながる。さらに、災害や感染症拡大などの緊急時に、学校と自宅を結んだオンライン授業を実施し、教育活動を継続することもできる。
 このようなICTを活用した教育環境の整備を県立学校で進め、県内どの地域においても充実した教育が受けられるようにすることは、将来の福岡県の発展を担う人財を育成していく上で大変重要であると考える。
 
問 全国都道府県等の公立高等学校の端末整備の状況について(教育長答弁)
 本年3月の文部科学省調査では、1人1台整備を目標とする自治体は、本県を含め42都道府県である。そのうち経費負担については、設置者負担が16、保護者負担が15、検討中が11である。また、県内では、福岡市及び北九州市が昨年度に整備しており、久留米市及び組合立高等学校については、検討中である。

問 県立高等学校における1人1台端末の公費整備について
 本県では、授業でICTを効率的に活用していくため、生徒所有の使い慣れたスマートフォン等を学習に活用するBYOD方式により、1人1台端末環境の整備を進めている。そのため、必要な経費を本年度予算で御承認いただいているところである。
 昨年度、全ての教室にWi-Fi環境を整備し、本年8月にセキュリティ環境が整うため、9月以降、全ての県立高等学校でBYOD方式による授業を実施する。その上で、教育委員会において、この方式による教育の成果と課題を検証していく必要があると考えている。

問 教職員の働き方改革の推進について(教育長答弁)
 県教育委員会では、本年3月に改定した取組指針において、今後4年間で超過勤務を年360時間以内、月45時間以内に縮減することを数値目標とし、さらに、緊急に取り組むべき課題として月80時間を超える超過勤務の解消を掲げたところである。
 この目標を達成するため、本年4月から本格稼働した「統合型校務支援システム」の定着や部活動に関する負担軽減の徹底などにより、全体の業務量を抑制しつつ、管理職のマネジメントの下、教職員一人ひとりの勤務状況を踏まえた業務量の平準化を図ってまいる。
 また、こうした県立学校での取組みの成果について適宜市町村へ周知し、さらなる超過勤務の縮減がなされるよう、働きかけを行ってまいる。

問 小中学校における正規教員率の向上について(教育長答弁)
 本県の正規教員率については、平成29年度の86.4%から本年度91.1%へと上昇してきているが、目標とする93.2%には至っていない状況である。その内訳を見ると、小学校は93.0%であり、ほぼ目標どおりに進捗しているが、中学校は、87.6%に留まっており、これは、特別支援学級が4年間で1.5倍となるなど、定数が推計よりも大幅に増加したことが要因である。
 教育の質の向上のためには、正規教員の確保が重要と考えており、早急に目標が達成できるよう、より精度の高い推計に基づき新規採用を行ってまいる。併せて、定年の段階的引き上げを踏まえた採用計画を検討したいと考えている。

問 定数欠講師の未配置について(教育長答弁)
 本年度、必要な定数欠講師が確保できず未配置となっているのは、小学校で26校28人、中学校で32校46人である。以前のように、学級担任がいなかったり、授業ができないなどの状況はないが、学校現場に負担がかかっていることは事実であり、人的整備を担う県教育委員会として全力を挙げて解消すべきものと考えている。
 そのためには、まずは定数欠講師の数をできる限り縮小させることが重要であり、引き続き、退職者を上回る新規採用者の確保に努めてまいる。また、退職者や採用試験受験者等にティーチャーズバンクへの登録を勧めるとともに、学生を対象とした教員養成セミナーの開催により、教員や講師を志望する者を増やす取組みを強化してまいる。


民主県政クラブ県議団とは

立憲民主党14名、国民民主党2名、社民党1名、無所属3名で構成する総勢20名が所属する会派です。

県議会の会派の中で最も女性議員が多く、8名の女性議員が活躍しています。

第2会派として、格差をなくし誰もが活躍できる社会・ジェンダー平等社会の実現のため、地域の皆様のお声を最大限県政に反映できるよう一丸となり取り組んでおります。活動の内容をこのホームページで随時ご紹介していきます。

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