2021年(令和3年)2月議会定例会は、2月22日から3月24日までの31日間の会期で開催されました。定例会開会日の2月22日に、病気療養中の小川知事が辞任する旨を表明され、そのため、本定例会は服部副知事を知事職務代理者として行われました。
開会日に上程された議案は、新年度予算議案20件、2020年度補正予算議案1件、福岡県ホストタウン等新型コロナウイルス感染症対策基金条例の制定条例、福岡県道路構造の基準に関する条例の一部を改正する条例、福岡県立学校職員定数条例及び福岡県市町村立学校職員定数条例の一部を改正する条例などの条例議案13件、その他専決処分議案、契約議案、経費負担議案等26議案、合計50議案が上程されました。
3月5日には、2020年度予算補正議案10件、経費負担議案9件が追加提案されました。
開会日及び3月5日に新型コロナウイルス感染症関連の予算議案2件、条例議案1件が議決され、3月11日には2020年度補正予算議案等18件が議決されました。3月12日から3月22日まで予算特別委員会が開催されました。
定例会最終日3月24日に、更に本年度の補正予算議案1件が上程され、会期を通じて総計70議案が提案されました。いずれの議案も会期を通じて可決されました。
民主県政クラブ県議団の代表質問の登壇者は原竹岩海議員(筑紫野市選出)でした。新年度の県政運営方針、コロナ対策関連事項など喫緊の行政課題について、知事職務代理者服部副知事並びに教育長に対し質問を行いました。
代表質問の内容
1 県政推進の基本姿勢について
① 県政運営方針と新年度予算について
② 新型コロナウイルス感染症について
③ 男女共同参画社会の実現に向けた本県の取組みにつて
2 DV・児童虐待防止対策について
3 過疎法改正を踏まえた本県の過疎対策について
4 本県の種苗、農業財産の保護と営農者の支援について
5 コロナ禍を踏まえ、フリースクールに対する支援と今後の対応について
6 筑紫野市にある安定型産業廃棄物処分場について
代表質問の概要
2月22日に辞意を表明された小川知事の10年間の総括、来年度の基本方針を含めた、新年度予算等について質しました。知事職務代理者の服部副知事からは、総括として中小企業の振興、子どもの貧困対策、飲酒運転撲滅などの取組み、コロナ対策として14ヶ月予算で620億円を計上し、ワクチン接種、保健所体制、雇用対策等について強化する旨の答弁を得ました。また、小川知事の思いが反映された予算の執行にあたっては、服部副知事が責任をもって行っていくとの決意を述べられました。
女性の活躍先進県については、男女ともに暮らしやすい社会の実現のために働き方改革の推進を進めること、教育関係では、責任の所在が明確でないフリースクールについて教育委員会が主体となって知事部局と連携して支援するとの回答を得ました。また、DV・児童虐待への対策、過疎地域の振興、農業財産である種苗の保護について、いずれも前向きな答弁を得ました。
筑紫野市の産業廃棄物処分場については、モニタリング、受託廃棄物の除去を継続していく旨の答弁を得たものの、許可地域以外の許容量を越えた廃棄物の除去については明確な答弁が得られなかったため、引き続き県に強く求めて参ります。
一般質問(登壇者6名)
・佐々木允議員(田川市)
一、本県地域公共交通活性化及び日田彦山線・平成筑豊鉄道の利用促進について
・山本耕一議員(北九州市若松区)
一、 聴覚に障害がある方への配慮について
一、手話言語条例について
・冨永芳行議員(糟屋郡)
一、コロナ禍における義務教育のICT化とプログラミング教育の実施について
・中嶋玲子議員(朝倉市郡)
一、養護老人ホームの閉所問題と存続について
・後藤香織議員(福岡市早良区)
一、福岡県警察における女性警察官の登用を含む人的組織基盤の強化について
・渡辺美穂議員(太宰府市)
一、防災重点農業用ため池などの防災対策の強化について
民主県政県議団代表質問・答弁骨子
問 小川県政の10年間の実績をどう捉えているのか、知事を支えた知事職務代理者の見解を問う。
【知事職務代理者】23年4月の就任以来10年間、県民幸福度日本一の福岡県を目指し、県民生活の安定・安全・安心を向上させるために全力を尽くしてこられた。県民の理解と協力、県議会の支援と尽力を賜り、成果は着実に上がってきたものと認識。知事自身は派手な振る舞いをされることはなかったが、県民の皆様に寄り添った堅実な取組みを重ね、福岡県は元気に発展してきたと思う。
私は、9年余り小川知事のもとで副知事として県政の一翼を担わせていただいたことをありがたく、また誇りに思っている。この間、度重なる災害や新型コロナウイルスの感染拡大など、厳しい局面も多々あったが、県議会の皆様から、ご意見、ご助言をいただきながら、知事とともに精一杯取り組んできた。現在、新型コロナウイルス感染症との闘いは、待ったなしの大切な局面を迎えている。
今議会に提出させていただいた「新型コロナウイルス感染症対策」、「ポストコロナに向けた基盤づくり」を柱とする諸施策にしっかり取り組んでいく必要があると考える。
問 新型コロナウイルス感染症収束に向けた施策について
【知事職務代理者】ワクチンの医療従事者等への優先接種が開始され、来月から高齢者に向けた接種が始まる。この接種を着実に実施できるよう、市町村への支援を行う。一方、ワクチンの効果が現れるまでは、他の感染症よりも警戒し、慎重に対応していく必要がある。緊急事態宣言については、2月末をもって本県は解除となったが、新規陽性者の減少傾向を継続させ、今後の感染再拡大を防ぐことが重要。
引き続き、入院病床や宿泊療養施設の確保、後方支援病院への転院、高齢者施設職員を対象としたPCR検査の実施、高齢者施設への感染管理認定看護師の派遣など、医療提供体制の維持・確保に取り組む。
県民の方には、外出・移動の自粛やマスク、手洗い、身体的距離の確保、三密の回避など「新しい生活様式」の実践、飲食店の方には、営業時間の短縮、事業者の方には、業種別ガイドラインに従った感染防止対策の徹底をお願いしていく。
また、新型コロナウイルス感染症により中小企業・小規模事業者は大きな打撃を受けており、まずは地域経済の立て直しにしっかり取り組む必要がある。引き続き、
① 無利子・無担保の「新型コロナウイルス感染症対応資金」など県制度融資における十分な融資枠の確保
② デリバリー、テイクアウトなどの経営革新の取組みに対する支援
③ 商工会議所・商工会などが行うプレミアム付き地域商品券発行への支援
④ 生産性の向上のための設備投資等への支援
などに加え、観光分野では、需要喚起を図るため、
⑤「福岡の避密の旅」観光キャンペーン第二弾の実施
⑥ 県内の観光施設等を訪問する際のタクシー料金の割引支援
⑦ 県内中小旅行会社による県内旅行商品の造成に対する支援
などに取り組んでいく。
問 将来の福岡県をにらみ新たに取り組もうとしている施策とその目標について
【知事職務代理者】新型コロナウイルス感染症の収束を見据えて、将来の発展の種をまき、芽を育てることが大事。これまでの産業振興策に加え、新たに宇宙分野へのビジネス展開、ブロックチェーン技術の開発支援、バイオ産業の拠点化といった新ビジネスの創出に取り組むとともに、IT技術等を活用した新たな日常を創造するベンチャーの支援、脱炭素社会の実現に向けた洋上風力発電の導入拡大や水素エネルギーの普及などに取り組んでいく。これらの取組みにより、福岡県発の新ビジネスの創出や脱炭素社会を実現し、将来に渡る成長・発展を目指す。
問 新年度予算での新型コロナウイルス対策予算と後世の負担軽減について
【知事職務代理者】早期に新型コロナウイルス感染症を収束させるため、「感染拡大防止と医療提供体制の強化」に取り組み、令和3年度当初予算では538億円、14か月予算では620億円を計上。
これ以外に、「地域経済の立て直し」をはじめ、ポストコロナに向け、「新たな成長産業の創出」、「人と企業の新たな受け皿づくり」など、重要な施策を実施するために必要不可欠な予算を計上。
一方で、厳しい財政環境を踏まえ、財政改革プランに沿って、必要性や効果の低いものについて、廃止、効率化、重点化により、一般財源ベースで61億円規模の「事務事業の見直し」を行った。
コロナをいち早く収束させ、県民の安全・安心を守り、経済を立て直す。その上で将来の発展の種をまき、芽を育てることで税源を涵養する。そのようなポストコロナ時代の好循環をつくることで、中長期的に安定した財政基盤を確立したいと考える。
問 新年度予算の編成へ知事職務代理者はどう関与したか、予算執行にあたっての考えについて
【知事職務代理者】予算編成は、7月頃に知事の大きな方針が示され、その方針に従って各部局において事業を構築した。私も議会のご意見をいただき、担当部局、財政当局と協議し編成を進めた。その後、知事が入院される事態となったが、重要な点は知事の考えを伺い編成を進めた。
新年度予算は、知事の思いが十分に反映され、今後の本県の発展にとって重要な予算である。予算の執行については職員と力を合わせ責任をもって行っていく。
問 新型コロナ陽性者の情報漏えいの経緯、再発防止策について
【知事職務代理者】県の調整本部は、新型コロナ陽性者の入院調整を円滑かつ迅速に行うため、必要な個人情報をクラウドに保存し、効率的な業務の遂行に努めていた。このような中、昨年11月30日に、そのクラウドへのアクセス権を付与したメールを、関係のない第三者に誤送信したもの。同日、誤送信先アクセス権限を削除したが、削除処理が十分でなく、特定のURLで閲覧できる状態だった。
県は1月6日に情報漏えいを把握し、直ちにクラウド上の個人情報を削除、情報漏えいの範囲や原因の把握など事実確認を行った。
確認の結果、漏えい先は誤送信した方1名と報道機関の他には無い。陽性の方、そのご家族、関係者に不要な不安を与え、心配を掛けたことを詫びるため、1月29日に県ホームページに、同月31日に新聞4紙に謝罪文を掲載。本事案は、事故報告のルールが事前に整備されていなかったことなど、個人情報を調整本部へ提供する際に安全を確保する措置を十分に講じていなかったことが問題。
再発防止に向け、事案の問題点を示し、外部へ個人情報を提供する際の取扱い、電子ファイルに対するアクセス権限の管理などの情報セキュリティの徹底について、改めて全職員に周知徹底した。調整本部には、個人情報の利用範囲や管理責任者の設定、事故発生時の報告ルールなどを確認。現在、個人情報の安全を確保し、効率的な入院調整を行うため、セキュリティの高いファイル共有サービスを導入しているところ。
問 情報漏えいに関する知事の責任に対する知事職務代理者の見解について
【知事職務代理者】本事案は、県民の理解、協力のもと、県を挙げて、新型コロナウイルス感染症対策に取り組む中で起きたもので、県民の県行政に対する信頼を損ねるものであったと考えている。このため1月8日、知事が会見で、陽性であった方、そのご家族、関係者、県民に対し謝罪。県は、二度と同様の事案を発生させないよう、個人情報の適正な取扱いや情報セキュリティ対策の徹底に努める。
問 緊急事態宣言の必要性について県と国の判断に相違があった理由について
【知事職務代理者】県は社会全体で感染防止を図りながら社会経済活動のレベルを上げていくとの考えで新型コロナ対策に取り組んできた。本県の感染状況は、1月12日に厚生労働環境委員会が開催時点では、新規陽性者数や入院者数が増加しているものの、国が示した指標のうち、「重症病床使用率」及び「陽性率」についてはステージⅢではなかった。このような状況で、本県は直ちに医療提供体制がひっ迫する状況でなく、強い警戒感をもって今後の動向を注視、分析していくこととし、特に年末年始の影響を見極める必要があると考え、緊急事態宣言対象区域への追加要請は行わなかった。
そのような中、1月12日の夕方、西村大臣から、陽性者数の増加に加え、大都市からの感染拡大防止や短期集中的な対策による全国的な封じ込めの必要性などの理由により、本県を緊急事態宣言の対象区域に加える旨の連絡があった。これを受け、県としても、国として判断がなされた以上、できるだけ早く感染拡大を防止できるよう、取組みを徹底することとしたもの。
問 まん延防止等重点措置の新設で県の対応がどう変わるのか、及び過料の手続きについて
【知事職務代理者】「まん延防止等重点措置」が創設され、都道府県知事は、緊急事態宣言前であっても、営業時間の短縮等の措置の命令が可能となった。また、正当な理由なく命令に応じない事業者への罰則の規定とあわせて、要請により影響を受けた事業者を支援する規定が設けられた。
過料は、学識経験者の意見を聴取して要請を行い、要請に応じない施設の管理者に指導及び助言、現地確認等の手続きを行う。この手続きを経、再度、学識経験者の意見を聴取し、施設管理者に弁明の機会を付与した上で命令を行う。命令に従わない場合、過料を科すこととなる。
問 市町村の接種体制について
【保健医療介護部長】2月末で、集団接種を行う市町村が19、医療機関における個別接種を行う市町村が4、集団接種と個別接種の両方を行う市町村が37か所となっており、県において、定期的に進捗状況を確認している。
問 市町村に対する助言・支援について
【知事職務代理者】現在、国において医療従事者の先行接種が開始されている。この先行接種に次いで、県は21万人を超える医療従事者等に優先接種を行う。先行接種や優先接種で得られた副反応情報や課題、国から提供された情報等について、市町村に提供する。また、副反応に対する医学的知見が必要となる専門的な相談など、市町村では対応困難な問い合わせに対応するため、県では、薬剤師を配置した県民向けのコールセンターを開設する。
問 ワクチン接種会場への移動困難者に対する対応について
【知事職務代理者】市町村が行う住民接種において、移動が困難な方への対応として、医師が施設に出向いての接種、往診や訪問診療での接種といった方法が、国から市町村に示されている。市町村が、ワクチン接種に当たって移動困難な方の実態を把握した上で、接種に当たっていただく医師会との調整を図り、対応していくと考える。
問 ワクチン接種の優先順位に対する県の考えについて
【知事職務代理者】ワクチンの供給量が限られており、重症化リスクの大きさ等医学的知見を踏まえ、高齢者を優先順位の上位に位置付けており、国が示した方針で進めることが適切と考える。
問 感染した自宅待機者に対する認識について
【知事職務代理者】自宅待機120人のうち、育児や介護等によりやむを得ず自宅で療養されている方が約4割、施設等で療養中の方が約1割、発症から期間が経過し入所する期間がほとんどない方が約1割、残りの約4割が入所に同意が得られない方。自宅待機は、家族をはじめ周囲の人に感染のリスクがあり、場合によっては重症化するおそれもあることから、軽症者、無症状者は宿泊療養施設に速やかに入っていただく必要がある。引き続き、入所に同意を得られない約4割の方々に対して、保健所による丁寧な説明や説得を行いながら、自宅待機者の解消に努めてまいる。
問 重点医療機関の指定基準について
【知事職務代理者】国は、専門性の高い医療従事者の集約による効率的な治療の実施、院内感染対策等の観点から、病院又は病棟単位で新型コロナ陽性者を重点的に受け入れる体制を整備している医療機関を、都道府県が重点医療機関として指定し、そこを中心とした新型コロナ陽性者の受入れ体制の確保を進めるよう求めている。
県では、国の考え方や県内の医療資源の状況を踏まえ、新型コロナ陽性者を受け入れる病床をできるだけまとめて確保するため、原則として10床以上を病棟単位で確保することや重症者に対応できることなどを重点医療機関の指定要件とし、現在、23の重点医療機関で460床を確保。
中等症者・軽症者は、重点医療機関以外の医療機関においても受け入れ、現在、47の医療機関で304床を確保。重点医療機関以外の医療機関については、病床数の要件はない。
問 自宅で療養する者に対する療養体制について
【知事職務代理者】自宅での療養は、家庭内での感染リスクがあることから、県は、感染予防の留意事項をまとめたちらしを自宅待機者に配付し、注意喚起を行っている。また、自宅待機中の体調の変化をいち早く確認できるよう、基礎疾患や年齢などを考慮して、必要に応じパルスオキシメーターを貸与し、血中酸素飽和度の測定と健康観察票による自己チェックを行っていただいている。
保健所は、その測定結果や健康状態を療養者から毎日電話で聞き取り、異常がある場合は、医療機関への移送を行う。加えて、体調が急変した場合に備え、保健所では24時間連絡可能な体制を整え、入院もしくは受診への移送、さらに消防と連携した迅速な救急搬送などにつなげているところ。
問 自宅療養者に対する生活支援について
【知事職務代理者】陽性者のうち軽症者、無症状者は、宿泊療養施設に入所することを基本としているが、育児や介護等やむを得ない事情で自宅療養される方がおられる。県は、自宅待機者に保健所を通じて民間の宅配サービスなどを紹介しているところ。しかし、① 利用料金が割高である、② 個人では少量となるため必要なものが配達してもらえない、などの理由で十分なサービスが受けられないケースもあるようである。
サービスを行政主体で実施する場合には、個人のプライバシーの確保、地域内で均質なサービスが提供できるか、アレルギー等個別事情に対応できるかなどの課題があり、慎重に検討していく。
問 保健所体制の見直しと人員確保について
【知事職務代理者】県では、保健所内での職員の配置換えや保健所間での職員の応援、保健師等の会計年度任用職員の任用、保健所で行う夜間・休日における相談業務の外部委託、市町村保健師の応援等により、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い増大した疫学調査等の業務に対応してきたところである。
国において、感染症対応業務に従事する保健師の人員配置を強化する地方財政措置が講じることが示され、また、感染拡大時に支援が可能な大学教員等の専門職を登録する人材バンクが創設された。今後、県としては、これらも活用し、必要な執行体制の確保を図ってまいる。
問 看護師の確保について
【知事職務代理者】新たな感染症などに対応するためには、現在職を離れている潜在看護師の活用が重要と考える。県は潜在看護師の復職支援のため「福岡県ナースセンター」において医療機関等に対し看護師等の無料職業紹介を行っている。ナースセンターは新型コロナウイルスの感染拡大を受け、求職登録者に対し看護師が不足する医療機関やPCR検査センターなど新たな業務が発生した施設への就職希望を募り速やかにマッチングができる体制を作った。その結果、2月22日現在、27施設147人の求人に対し、17施設80人の方が就職。また、ナースセンターは離職していた看護師等が安心して復職できるよう感染管理や最新の医療に関する知識と技術を学ぶための実践的な研修を実施。今後も、看護師不足に対応できるよう、ナースセンターによる看護師の確保に努めてまいる。
問 救急搬送問題について
【知事職務代理者】昨年4月、新型コロナウイルス感染症の感染拡大で、消防機関が、感染症疑い患者を搬送する際、受入れ医療機関の選定に時間を要する事例が問題となった。こうした状況を踏まえ、本県では、医療機関、消防機関、保健所、県の関係課で構成するワーキンググループを立ち上げ、感染症疑い患者の受入れ体制の強化や具体的な搬送の手順等を検討してきた。
受入れ体制の強化は、県が院内感染を防止するために必要な設備整備を支援することで感染症疑い患者の診療を受入れる医療機関を77病院確保。また、搬送の手順について、77病院を地域ごとにリスト化し、関係機関で共有することで搬送先の迅速な選定に努めている。今後も、関係機関と緊密な連携を図りながら、救急搬送困難事案の解消に取り組んでいく。
問 公立病院等の再編統合問題について
【知事職務代理者】公立・公的病院等は、それぞれ2025年に地域で果たす役割、病床機能のあり方などを記した具体的対応方針を策定している。国は、昨年1月、特定の診療実績が少ない医療機関等について、既に策定している具体的対応方針をそれぞれの地域で再検証するよう要請した。
再検証にあたって、県内13区域の医療関係者等で構成する地域医療構想調整会議において、診療実績だけで判断しえない、今般の感染症などへの対応や各病院が担う診療領域・地域の実情、対象病院による再検討の結果、関係者の意見を十分に踏まえ、引き続き議論を行っていく。
問 雇用対策の充実に向けた県の取組方針について
【知事職務代理者】新型コロナウイルス感染症の影響で昨年の1月以来有効求人倍率が大きく低下していることや新規求人数が対前年比で減少している等、雇用情勢に厳しさが見られ、より一層注視する必要があると考える。こうした認識のもと、県は、企業の雇用維持に向けた取組みの支援と、解雇等が生じた場合の再就職の支援、その両面から取組みを進めており、今回の14か月予算において、必要な経費を盛り込んだところ。
雇用の維持に向けては、県内企業が国の雇用調整助成金等を最大限活用できるよう、専門家による相談支援を実施していく。また、学生、留学生を含め、新型コロナウイルス感染症の影響で働く場を失った方々の当面の生計を支えるため、市町村と連携して、引き続き緊急短期雇用創出事業を実施していく。
さらに、若者・中高年・子育て女性といった年代別・対象別就職支援センターの求人開拓や相談機能を強化するとともに、人材不足分野への労働移動を促進するため新たに紹介予定派遣の仕組みを活用したマッチング支援を行うこと等で、求職者の早期再就職を支援してまいる。こうした取組みを通じて、今後とも県として雇用対策に全力を挙げてまいる。
問 大学等新卒者の就職内定率の状況と未内定者への就職支援について
【知事職務代理者】福岡労働局によると、県内の大学等新卒者の就職内定率は令和3年1月末現在で77.4%と、前年同月と比べ3.9ポイント低下している。
これは、新型コロナウイルス感染症の影響により、学生の就職活動や企業の採用活動の時期が遅れたことや、一部業界での採用抑制の影響によるものと考えられる。
県としては、昨年12月に、福岡労働局と連携し、県内の経済団体に対して、大学等新卒者の採用維持・促進に向けた配慮を要請したところである。
また、若者就職支援センターにおいて、今年度新たに求人開拓専門員を配置し、新卒者向けの求人開拓を行うとともに、ウェブを活用した合同会社説明会や対面型のミニ面接会を開催するなど、現在内定を得られていない大学等新卒者の就職支援を行っているところである。
引き続き、福岡労働局や大学等関係機関と緊密に連携して、就職実現につなげてまいる。
問 私立高校生の就職内定率と未内定者への就職支援について
【知事職務代理者】本県の私立高校新卒者の就職内定率は、文部科学省の調査では令和3年1月末現在87.7%。新型コロナウイルスの影響により、今年の調査時点が1か月遅くなっており、前年度の12月末との比較では、3.4ポイント高い。
今年度は、高校新卒者求人数が減少し、厳しい状況にあったため、県では9月補正予算で、私立高校が求人開拓や面接指導を行う就職指導員を配置する経費を措置し、現在12校が活用している。また、12月には、福岡労働局と共催して県内4地域で、内定していない生徒を対象に就職面談会を実施し、一人でも多くの生徒が希望する仕事に就くことができるよう支援しているところ。
就職先が内定していない生徒に対しては、4月以降も、きめ細かな支援ができるよう、2月補正予算で、就職指導員を配置するための経費を措置したところ。
問 県立高校新卒者の就職内定率と未内定者への就職支援について
【教育長】本年度の高校新卒者の就職環境は、求人数の減少や1か月遅れの企業の採用選考開始などから厳しい状況になると予想されたため、県教育委員会は、県立高校42校に就職指導員を配置し、各学校も労働局やハローワークなどと連携しながら危機感を持って就職指導に取り組んできた。こうした取組で、本年1月末時点の就職内定率は96.5%で、ほぼ例年並みとなっている。
なお、未内定者に対しては、各学校において、卒業後も一定期間、求人情報を提供したり、就職指導員が指導助言したりするなど、就職決定に向けてきめ細かな支援を行っていく。
問 生活保護の基準の緩和等に関する国への要望について
【知事職務代理者】新型コロナウイルス感染症の影響を受け、一時的に収入が減少し、生活保護が必要となった方については、収束後の自立を考慮し、国から、通勤用自動車や生命保険などの資産について、半年から1年程度、処分を保留するといった、弾力的な運用を行うよう通知されている。県は、その趣旨に沿い、世帯の状況を十分考慮した取扱いをするよう、県や市の福祉事務所に対し通知するとともに、会議や研修を通じて周知徹底を図っている。
また、扶養義務者への照会は、本年2月26日に扶養義務の履行ができない者の判断について、例えば、10年程度音信不通で交流が断絶している場合など、より細かな基準が示された。県では、県や市の福祉事務所に対しこの基準を通知するとともに、その内容に沿って取扱うよう、周知徹底を図ったところ。
各福祉事務所における運用の状況を把握し、改善すべき点があれば必要な見直しを国に要望する。
問 ひとり親家庭への支援について
【知事職務代理者】県では、来年度から、児童扶養手当受給者で、自立に向け資格取得などに意欲的に取り組むひとり親家庭の方を支援するため、県社会福祉協議会を通じ、住居の借上費用として月4万円を上限に最大12か月まで、無利子で貸し付けることとしている。
また、ひとり親家庭の方から多く寄せられる質問については、24時間365日対応し、適切な支援に案内できるよう、福岡県ひとり親サポートセンターのホームページにAIチャットボット機能を導入するとともに、利用者に事前に登録してもらうことで、必要な更新情報を的確に提供していく。
問 第4次福岡県男女共同参画計画の総括と新計画策定に向けた基本的な方針について
【知事職務代理者】現計画では、① 働く場や地域・社会活動における女性の活躍促進、② 女性等に対する暴力の根絶など誰もが安全・安心に暮らせる社会の実現、③ 男女共同参画社会の実現に向けた意識改革・教育の推進を目標に掲げ、施策を推進してきた。その結果、女性の就業率や管理職に占める女性の割合、県や市町村の審議会委員など政策決定に関わる女性の割合は、着実に拡大してきたところである。しかしながら、管理職や委員への登用率は、男性に比べるとまだ低い状況にある。
女性等に対する暴力の根絶等については、全ての市町村が、DV防止計画を策定し、相談窓口を設置するなど、被害者支援の体制が充実する一方で、新型コロナウイルスの影響により、生活不安やストレスから、DVや性暴力の増加が懸念されている。意識改革・教育の推進については、「男は仕事、女は家庭」といった性別役割分担に反対する人が、特に男性で増加し、男女の認識の隔たりが縮小しているが、未だ全体の4割の人が賛成している。
このため、次期計画では、女性のさらなる登用や能力開発の促進、働き方改革の推進などに取り組み、男女ともに働きやすく暮らしやすい社会の実現を目指してまいる。DVや性暴力は、重大な人権侵害であり、根絶に向けて、正しい理解のための啓発・教育や被害者支援に力を入れてまいる。さらに、男女双方の意識改革を進めるため、学校教育に加え、メディアと連携した無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)の解消に努めてまいる。
問 本庁の部長・次長相当職における女性登用目標の設定について
【知事職務代理者】本庁の部長・次長相当職については、県政において特に重責を担うポストであるため性別にかかわらず、能力や経験、実績に応じた適材適所の観点から、登用を行うことが極めて重要。現状においては、昇任候補となる課長級の女性職員の割合が少なく、また、女性が特に少ない土木職や農業職等の技術系ポストが約4割を占めていることから、限られたポストの中で、性別による登用目標を設定することは困難であると判断したところ。しかし、女性職員の活躍推進は、組織の活力向上に資するものであることから、引き続き、女性職員の積極的な登用に努めていく。
問 女性職員の幹部登用に向けた取組みについて
【知事職務代理者】県では、将来の幹部候補となる課長補佐相当職やライン係長相当職に占める女性職員の割合を増やしていくため、女性職員を企画部門や事業部門等の幅広い業務に配置するとともに、国や市町村、民間企業等へも積極的に派遣するなど、計画的な人材育成に取り組んできた。
こうした中、新たな「特定事業主行動計画」を策定するに当たり実施した職員アンケートでは、管理職への昇任について、「自分の能力や経験に不安がある」、「仕事と家庭の両立が難しそう」との声も女性職員から聞かれたところである。このため、次期計画では、昇任に対する不安の解消や職員の「ワーク・ライフ・バランス」の推進を図る取組みを一層強化したいと考えている。
具体的には、県の様々な職場で働く女性管理職の活躍事例を啓発リーフレットに掲載して配布し、職員が自身のキャリア形成のイメージを持てるようにする。また、既に管理職となっている先輩職員との交流機会を創出し、家庭生活との両立や仕事への向き合い方について話し合うことで、女性職員の昇任に対する不安の解消に努める。加えて、ICTの活用や業務の見直し等による「働き方改革」に取り組むとともに、育児休業者への職場復帰支援などにより、仕事と家庭を両立しやすい職場環境の整備を図る。
こうした取組みにより、女性職員の人材育成と職場環境の整備を図り管理職への登用を進めていく。
問 一般事業主行動計画の届出状況と早期策定を促す取組みについて
【知事職務代理者】厚生労働省の発表では、令和2年12月31日現在で、本県において届出の義務がある常時雇用労働者301人以上の企業は対象企業数630社の96.3%に当たる607社が届出を行っている。県では、女性活躍推進法改正前の平成29年度から常時雇用労働者300人以下の企業に対して、入札参加資格審査において加点制度を設けるとともに、社会保険労務士などの専門家を企業に派遣し、計画策定を促進している。
令和元年5月の法改正に伴い、県では、ホームページや女性の活躍応援ポータルサイトで、新たに対象となる事業者の範囲や計画に記載すべき事項等を周知するとともに、知事をトップに、福岡労働局、市町村、経済団体、労働団体で構成する「福岡県女性の活躍応援協議会」で傘下企業への周知を要請してきた。県としては、計画策定の期限を1年後に控え、「福岡県女性の活躍応援協議会」の重点取組みに「一般事業主行動計画の策定促進」を位置づけ、各構成団体とその具体的な方策について協議している。
問 本県における男女の賃金格差への認識と格差縮小に向けた次の5年間での取組みについて
【知事職務代理者】男女間の賃金格差は、男性に比べ女性の① 平均勤続年数が短いこと、② 管理職比率が低いこと、③ 非正規雇用が多いことが要因とされており、これらの解消が課題と考える。このため、女性が長く働き続けることができるよう、子育て応援宣言企業やよかばい・かえるばい企業の登録促進など仕事と家庭の両立支援、メディアと連携した「男は仕事、女は家庭」といった性別役割分担意識の解消に取り組んでいる。また、女性の管理職への登用を促進するため、企業等の幹部候補者を対象とする「トップリーダー育成研修」や課長、係長、若手職員といった職務経験に応じた女性人材育成事業に取り組むとともに、企業経営者の意識改革のためのフォーラムを実施している。
さらに、「正規雇用促進企業支援センター」において、県内企業に対し、正社員採用の働きかけや企業内での非正規から正規雇用への転換に向けたアドバイスを行うとともに、「子育て女性就職支援センター」等において、正規雇用を希望する相談者に対し、就職相談、就職先のあっせん、定着支援などのきめ細かな就職支援を行っている。これらに加え、一般事業主行動計画の策定にあたっては、自社の女性の継続就業や登用促進に関する目標と具体的な取組みを定め、その進捗を測るための指標として「男女の賃金の差」を活用するよう周知してまいる。
問 市町村における男女共同参画に関する条例の制定状況と今後の働きかけについて
【知事職務代理者】県では、これまで市町村に対し、男女共同参画に関する計画の策定を働きかけ、併せて条例制定の意義についても説明してきた。その結果、令和元年度までに県内全ての市町村において計画が策定され、51の市町村において条例が制定されたところ。
市町村が、男女共同参画社会の実現に向けた姿勢を、将来にわたり明確に示すことができる条例を制定することは望ましいと考えており、今後、条例未制定の市町村と個別に意見交換を行い、条例制定に伴う課題等を把握し、助言を行っていく。
問 フリースクールにおける新型コロナウイルス感染状況の把握について
【知事職務代理者】フリースクールは、国の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」に基づく文部科学省の調査対象となっていない。また、フリースクールは、これを定義する法令等の根拠がなく、学校にも該当せず、その規模や活動内容は多種多様で、県への届出の制度もないことから、フリースクールを通じて感染状況を把握することは難しいと考える。児童生徒の感染状況については、フリースクールの利用者を含め、在籍する学校において把握に努めている。
問 フリースクールにおける新型コロナウイルス感染状況の把握について
【教育長】フリースクールは民間施設であることから、県教育委員会としてフリースクールそのものの感染状況の把握は行っていないが、学校においては、児童生徒の健康状態の把握や学校内での感染拡大防止等の観点から、フリースクールに通所しているか否かに関わらず、保護者からの連絡等により、児童生徒の感染について把握に努めている。
問 フリースクールの新型コロナウイルス感染症対策の支援について
【知事職務代理者】学校における感染防止対策の留意点については、フリースクールに通所する不登校児童生徒に対しても周知するよう、私立学校に依頼している。
また、本県では、在籍校が通所期間を出席扱いとすること等の要件を満たすフリースクールに対し、その運営や教育活動に係る経費を助成しており、今年度の助成対象である14の施設については、感染防止対策の留意点を直接情報提供した。
問 フリースクールの新型コロナウイルス感染症対策の支援について
【教育長】学校における感染症対策や放課後・休日の過ごし方などの情報については、フリースクールなどの学校外施設に通所する不登校児童生徒に対しても遺漏なく周知されるよう、市町村教育委員会を通じて学籍を有する学校に依頼しているところである。
なお、県教育委員会として、フリースクールなどの自主的に設置・運営されている民間団体への財政的な支援は実施していない。
問 フリースクールに関する支援体制の整備について
【知事職務代理者】先ほど答弁したフリースクールへの助成については、不登校児童生徒の学校復帰や社会的自立を図ることを目的に、平成19年度から実施している。
平成29年2月に施行された「教育機会確保法」で、国や地方公共団体は、不登校児童生徒の状況に応じた学習活動等が行われるよう支援を行うことが求められており、国においては、支援の在り方を検討するため、今年度、不登校児童生徒の実態調査が行われた。フリースクールに関する今後の支援の在り方については、不登校児童生徒が不利益を被ることなく必要な支援を受けられるよう、こうした国の動向を注視してまいる。
問 フリースクールに関する支援体制の整備について
【教育長】「教育機会確保法」においては、地方公共団体は、不登校児童生徒がフリースクールなどの学校以外の場で行う学習活動の状況等を継続的に把握するとともに、不登校児童生徒やその保護者に対して必要な情報を提供する等の支援を行うため必要な措置を講ずるものとされている。また、令和元年10月の国の通知により、不登校児童生徒がフリースクールを含む学校外施設などで学習を行っている場合に、指導要録上の出席扱いとする要件が緩和されたことから、今後一層、学校外施設と学校との連携が進むと考えられる。
県教育委員会としては、「教育機会確保法」の趣旨を踏まえて、不登校児童生徒が自らの進路を主体的にとらえて社会的に自立できるよう支援するため、私学振興・青少年育成局と一体となって、学校、教育支援センター、民間の団体等の相互の連携体制の構築が図られるよう、取り組んでいく。
問 DV防止対策における市町村や民間団体等との連携強化について
【知事職務代理者】県は、DV被害者が身近な地域で安心して相談・支援を受けることができるよう、市町村に相談窓口の設置を働きかけ、令和元年度までに全ての市町村が設置したところ。市町村の相談員に対しては、DVに関する専門知識の習得や相談技術の向上が図られるよう、経験年数に応じた体系的な研修を実施。
県内9か所の配偶者暴力相談支援センターにおいては、市町村、弁護士会、医師会、警察、児童相談所などで構成する「配偶者からの暴力防止対策地域連絡会議」を設置し、被害者一人ひとりの状況に応じた支援が円滑に進むよう、関係機関による情報共有や連携強化を図っているところ。こうした取組みに加え、民間シェルターなどを運営する団体と連携し、その専門性を生かし、DV被害者の一時保護やその後の地域での自立や定着に向けた支援を行っている。
県としては、今後とも、市町村や民間団体等との連携を密にし、DVの早期発見から保護、自立までの切れ目ない被害者支援に取り組んでいく。
問 DV・児童虐待の早期発見について
【知事職務代理者】県内の全市町村では、学校、保育所、民生委員、医療機関、警察、児童相談所、配偶者暴力相談支援センター等で構成する「要保護児童対策地域協議会」を設置し、関係機関が行う活動の中で把握した支援が必要な子どもについて、情報を共有している。
そのうえで、虐待の疑い等がある場合は、主体となって見守りを行う機関を定め、その機関が定期的な家庭訪問等を行うことにより、面前DVを含む児童虐待の早期発見に努めている。
県としては、虐待の兆候を見逃すことが無いよう、児童相談所が、見守りを行う機関に助言、指導を行うとともに、状況に応じ、直接、子どもの安全確認を行ってまいる。
問 児童相談所の機能強化について
【知事職務代理者】県では、児童虐待防止法が施行された平成12年度からこれまでに、県内6つの児童相談所の児童福祉司を29名から100名に増員。また、保護者からの威圧的な要求等への対応や管轄警察署との連絡調整などを行う4名の警察官を配置するなど、体制強化を図ってきた。併せて、迅速な児童の保護と、信頼関係に基づいた保護者、児童への支援が可能となるよう、今年度から、一時保護の介入的対応と保護者支援を行う業務を、担当職員を分けて実施。
児童相談所が対応する相談件数が全国、県ともに増加する中、「施設への入所措置」、「親権喪失・停止に係る審判の申し立て」など、法的に複雑かつ困難な対応を要する事例も増加し、現在、福岡児童相談所に配置している常勤の弁護士1名に加え、来年度、新たに田川児童相談所に1名を配置。施設整備について、これまで宗像児童相談所の移転新築、久留米児童相談所一時保護所の新築、田川児童相談所の事務室拡充に取り組んでまいったが、来年度は、福岡児童相談所一時保護所の個室化工事、及び、一時保護所を併設した京築児童相談所の移転新築に係る基本設計に着手する。
問 過疎地域振興の課題について
【知事職務代理者】過疎地域では、人口減少や少子高齢化が急速に進んでおり、地域の担い手の確保、買い物弱者への対策、生活交通の確保などが課題。県は、中山間・過疎地域等において、買い物、医療、福祉などの機能を基幹集落に集め、周辺集落とコミュニティバス等の交通ネットワークで結ぶことで集落の維持を目指す「小さな拠点」づくりを推進してきたが、過疎地域では、5市町村の取組みに留まる。このため、昨年度、「小さな拠点」づくりに必要な担い手となる人材や組織の活動を支援する補助制度を設けており、その活用を市町村に促し、過疎地域における「小さな拠点」づくりを一層推進してまいる。また、「ふくおかよかとこ移住相談センター」を通じて本県に移住した方の移住先は、全体の約4分の3が福岡都市圏となっており、移住先の偏りが見られる。
そこで、過疎地域を含む県内各地域への移住を推進するため、新型コロナウイルス感染症の拡大や自然災害の頻発により、地方への移住の機運が高まっているこの機会を捉え、テレワークを活用し、地方で生活しながら仕事ができる新しい働き方に対応したサテライトオフィス等の受入環境の整備を進める。さらに、首都圏等からの移住を推進する移住支援金の対象職種に、新たに農林漁業を加え、農山漁村の人材確保を図る。これらを通じ、過疎地域への移住・定住を推進し、その振興を図る。
問 新過疎法制定に向けた県の働きかけについて
【知事職務代理者】知事と県内過疎市町村長で構成する「福岡県過疎地域振興協議会」では、コロナ禍で緊急事態宣言下にあった昨年5月、自民党過疎対策特別委員会、総務省及び本県選出の国会議員に対し、現行法の失効後も、引き続き、総合的な過疎対策が行われるよう新法を制定すること、現行過疎地域を継続して指定すること等について、書面で要望を行った。さらに、11月には、知事と8人の市町村長による要望活動を行い、現行過疎地域を継続して指定することと、指定から外れる市町村が生じた場合でも、経過措置に万全の対策を講じることを要望したところである。
この間、県議会におかれても、「過疎地域活性化対策福岡県議員連盟」を通じ、昨年1月と10月の2回、自民党過疎対策特別委員会等に対して、精力的に要望活動を行っていただいた。
問 大牟田市が過疎地域から外れる予定に対する認識と外れた後の県の支援について
【知事職務代理者】大牟田市は、市税収入の増加や公債費抑制の取組みなどの結果、財政力が向上し、指定要件の一つとされている財政力指数が、全国の市町村の平均を上回ることとなったため、過疎地域の指定から外れる見込みである。新過疎法案は、過疎地域から外れる団体について、3年間の税制特例や地方税の課税免除等に伴う減収補てんの措置が認められるほか、現行法の5年間を上回る6年間は、起債充当率や交付税措置率が有利な過疎対策事業債の発行や国庫補助率のかさ上げの措置を受けられるなど、手厚い経過措置が設けられている。
県としては、大牟田市に対し、これらの経過措置を有効に活用できるよう、また、中長期的な視点に立った計画的な財政運営を行えるよう、助言と情報提供を積極的に行ってまいる。
問 新法成立を踏まえた過疎対策の進め方について
【知事職務代理者】現在検討されている新法案では、過疎地域の持続的発展を図るため、県は、産業の振興や交通通信体系、生活環境の整備、医療の確保、教育の振興などに関する基本方針を策定することとされている。また、この方針に基づき、県と市町村は、それぞれ施策を推進するための計画を定めることとされている。この基本方針や県計画の策定にあたっては、市町村との意見交換や個別のヒアリングを通じて、過疎地域の現状や、市町村からの要望、意見を把握し、その内容を県の関連施策に反映させてまいる。
また、市町村が計画を策定する際には、先進事例の紹介や、国等の支援制度の活用などに関する助言を行い、過疎地域の持続的発展を支援してまいる。新しい法律のもとでも、より一層、市町村とともに、過疎地域の振興を図ってまいる。
問 優良品種の開発・保護について
【知事職務代理者】県では、付加価値を高め、生産者の所得向上につながるブランド化を進めるため、「あまおう」や「秋王」など、品質の高い独自品種の開発に取り組んできたところである。また、これらの品種の無断栽培や不法な流通・販売を防止するため、国内での品種登録はもとより、国内外で商標権の取得を進めている。特に、「あまおう」については、国内外で商標権を取得するとともに、生産を県内に限定し、栽培管理を徹底して品質向上に努めたことにより、16年連続で販売単価が日本一になるなど、消費者から高い評価を得ているところである。このように、優良品種の開発とその保護の取組みは、生産者の所得向上に大きく寄与するものであり、継続的に推進すべきものと考えている。
問 種子を守る条例の制定について
【知事職務代理者】本県は、平成26年に「福岡県農林水産業・農山漁村振興条例」を制定し、その中で新品種の開発並びにその普及に必要な施策を掲げており、これに基づき種子の確保や栽培技術の指導などに取り組んでいる。さらに、種子法の廃止に伴い、米・麦・大豆の種子の安定供給を図るため、種子の生産計画の策定や異品種混入防止のための審査などについて、基本要綱を定めている。
県としては、この条例及び要綱に基づき、引き続き農業者が安心して生産に取り組めるよう、優良種子の安定供給に努めてまいる。
問 種苗法改正について
【知事職務代理者】今回の改正に伴い、農林水産省に登録された品種について、農業者がその収穫物の一部を種苗として利用する行為、いわゆる自家増殖を行う場合、育成者の許諾が必要となる。本県では、「あまおう」をはじめ、県が育成した登録品種の自家増殖については、法改正以前から「第三者に無断で譲渡しない」等の条件を付して許諾しており、法改正によって農業者に新たな負担が生じることはない。また、在来種や登録期間が過ぎた品種など、種苗全体の約9割を占める一般品種については、これまでどおり自家増殖の許諾は必要ない。これらのことから、今回の法改正による本県の農業者への影響はないと考えている。
県としては、今回の改正内容について、農業団体や関係機関、農業者への周知を図っているところであり、農業者に不安が生じないよう、今後も情報提供に努めてまいる。
問 県育成品種の栽培技術支援について
【知事職務代理者】県下10カ所の普及指導センターに普及指導員を配置し、県育成品種の特性が十分に発揮され、品質の高い生産が行われるよう、農業者への技術指導を計画的に行っている。また、JA組合員でない方も含め、農業者の要請に応じて個別指導も行っている。新規就農者については、土づくりや病害虫対策などの農業の基礎を学ぶ営農講座を実施し、早期の技術習得と経営安定を図っている。こうした技術的支援を実施し、県育成品種のブランド力の強化につなげてまいる。
問 安定型最終処分場における死亡事故の原因分析について
【知事職務代理者】県は、死亡事故発生直後に学識経験者から構成される「筑紫野の産廃処分場事故調査委員会」を設置し、事故の発生原因の解明及び処分場の改善方策について調査・検討を行った。 その結果、事故の原因となった硫化水素については、埋立地内に木くずや紙くずなどの安定型産業廃棄物以外の廃棄物が混入したことや酸素が不足する嫌気的な状態が生じたことから、土壌に含まれる細菌の働きにより発生したものと推測している。
県としては、今後、硫化水素が発生することがないよう、事業者に対し、まず、委員会の提言に基づき、廃棄物と雨水の分離及びガス抜き等の措置を講じさせた。その後、改善命令を発出し、安定型産業廃棄物以外の廃棄物を除去させている。その結果、現時点では生活環境保全上支障がない状況となっている。
問 処分場の許可容量超過に対する県の対応について
【知事職務代理者】県は、平成15年に許可容量超過分の廃棄物を撤去するよう改善命令を発出していたが、平成17年に他の違法行為を確認し、廃棄物処理法に基づく全ての許可を取り消している。許可区域内の容量超過分の廃棄物は撤去されたが、許可取消時点で、許可区域外の廃棄物が残っていたため、事業者責任による許可容量超過の廃棄物の撤去を、毎年度、文書にて指導してきた。
当該処分場は、水質汚濁被害に係る原因裁定で、平成24年に水道水又は原水の水質悪化に伴う健康被害又は生活環境被害は認められないと結論づけられており、それ以降の環境モニタリングの結果においても基準値を下回っている。住民の安全・安心確保のため、現状を具体的に把握すべきとの議会からの指摘も踏まえ、県では、昨年度、覆土状況及び植生の調査を実施した。調査の結果、覆土により廃棄物の飛散流出防止及び雨水の排除機能は保持されており、また、処分場全体に多くの種類の植物が生育し、森林、草地及び湿地と多様な生物の生息の場として機能していることを確認している。昨年6月には、専門家会議において、「現状において生活環境保全上の支障はなく、今後も処分場の安定化が見込まれ、新たな対策を講ずる必要性はないと考えられる」との評価をいただいた。
県は、今後とも環境モニタリングを継続し、住民の安全・安心を確保していく。
問 市民の代表者などによる現地確認に係る調整について
【知事職務代理者】当該処分場へ、毎週1回以上、廃棄物処理法に基づく権限を有する職員が立入検査を行い、受託廃棄物の搬出状況や施設の管理状況を確認している。今後、市民の代表者などから要望があった場合、当該処分場は私有地であることから、事業者の意向を踏まえ対応してまいる。
問 県知事選への出馬について
【知事職務代理者】身に余る言葉をいただき、大変光栄に存じる。身の引き締まる思いである。民主県政県議団として、要請をいただいたことを、極めて重く受け止めさせていただき、熟慮のうえ、小川知事と相談して、責任をもって決断をしてまいる。







