2020年(令和2年)2月定例県議会 報告 1

2020年(令和2年)2月議会定例会は、2月26日から3月27日までの31日間の会期で開催されました。

上程された議案は、2月26日の開会日に2020年度予算など予算議案21件、福岡県文化芸術振興条例、福岡県スポーツ推進条例など条例議案25件、契約議案他17議案、計63件が上程され、これらの議案のうち3議案は、常任委員会を経て同日本会議で可決されました。残り60議案については、代表質問、一般質問、予算特別委員会、各常任委員会を経て、最終日の3月27日の本会議で採決が行われ、可決されました。

加えて、議会最終日に日田彦山線復旧問題の地域住民に寄り添った解決に向け、確実な財源の確保を求めた「日田彦山線復旧問題に関する決議案」を共同提案し、議決されました。

また、会期中の3月5日には追加議案として2019年補正予算議案12件、経費負担議案11件、計23件が、3月13日には新型コロナウイルス感染拡大防止等の補正予算議案1件が上程され、常任委員会を経て本会議で可決されました。

民主県政クラブ県議団の代表質問の登壇者は、畑中茂広議員で、県政の基本姿勢に関し、新コロナウイルス問題、新年度予算と県政運営方針、豪雨災害からの復旧・復興と今後の対応など6件、児童虐待への対応、教育現場での変形労働時間制実施に対応した業務削減、京都郡のインフラ問題など、広く県政が抱える問題について知事、教育長に質問を行いました。

一般質問は、佐々木允議員をはじめ8名の議員が質問に立ちました。

また、議会最終日には、民主県政クラブ県議団が中心となって提案した「性犯罪に関する警報規定の見直しを求める意見書」など5意見書が採択され、衆参議員議長、内閣総理大臣を始め、関係大臣に提出されることとなりました。

代表質問の内容は、
一、県政推進の基本姿勢について
 1.新型コロナウイルスについて
 2.新年度予算と県政運営方針について
 3.豪雨災害からの復旧・復興と今後の対応
 4.県有施設における災害時避難所のあり方について
 5.新・県立美術館について
 6.本県職員採用における就職氷河期世代の支援と県職員の再雇用
一、児童虐待への対応について
一、教育現場の変形労働時間制実施に対応した業務削減について
一、京都郡のインフラ問題について

代表質問の概要

冒頭、新型コロナウイルスに関し、亡くなられた方へのお悔やみと、感染者へのお見舞いを申し上げ、感染情報の的確な開示、検査体制と診療体制の充実を図る必要性について知事に質しました。また、朝倉市、東峰村をはじめとする被災地の早期復興とJR日田彦山線の鉄道での復旧等について強く訴えました。更に災害発生時に県有施設を障がい者や高齢者を含め広く被災者の避難所として受け入れる体制を整える重要性を指摘し、前向きな対応を求めました。

県職員採用試験の実施に当たり、就職氷河期世代を対象とした特別枠を設けることと県職員の再就職支援を求めるとともに、増加し続ける児童虐待から児童を守るため県の児童相談所と市町村との更なる連携体制を進めるべきであると指摘したところ、いずれについても知事から前向きに取り組む旨の答弁を得ました。また、福岡県を横断する国道201号線の早期四車線化に取り組む必要性を指摘したところ、国に働き掛けていくとの答弁を引き出しました。

その他、教職員の業務量を削減するため、正確な勤務時間の把握、自校採点の廃止、研修の見直しの必要性を指摘したところ、教育長から業務改善に取り組んでいくとの回答を得ました。

一、県政推進の基本姿勢について

1.新型コロナウイルスについて

○ 新型コロナウイルス感染者の情報効果について
 個人情報の保護は非常に大切だが、不特定多数の県民の不安解消のため、感染者の行動は詳しく公開すべきと考えるが、考えを問う。
【知事答弁】県内で感染者が発生した場合にはプライバシーの保護、風評被害も十分に考慮した上で県民の安全、安心を守る立場から必要な情報は公開していく。

○感染に関する検査体制と最新の件数について
 感染者と接触した人を含め、PCR検査を広く県内で、直ちに出来る事が必要だが、県の検査体制を問う。併せて最新の相談件数、PCR検査件数、陽性と判定された件数を問う。
【知事答弁】まず保健所に設置する「帰国者・接触者相談センター」に相談いただき、感染の疑いがある場合には県内の医療機関に設置した「帰国者・接触者外来」での受診につなぐ。そこで医師が感染の疑いと診断した場合には保健所に相談して医師が検体を採取し、県内に3か所ある保健環境研究所でPCR検査を実施する。
 3月2日時点で、相談件数は14,697件、PCR検査は昨日(3月3日)までに202件を実施し、陽性となった者は3名。

○感染者の診療体制について
 感染拡大を防ぐため、県内での病床確保状況、その病床数を上回る感染者が出た場合の対応、更に、自らの感染や学校休業で医療従事者が勤務できない場合の診療体制を問う。
【知事答弁】感染した場合、感染症法に基づき感染症指定医療機関に入院する。本県では12か所の医療機関で66床を確保。患者数が大幅に増えたときに備え、重症者対策を中心とした医療提供体制を整えるため行政、医師会、大学病院や感染症指定医療機関の病院長による会議を開催、翌2日には新型インフルエンザが発生した際の協力医療機関に対して患者受入の協力と事前準備を要請した。
 医療従事者が感染した場合、他県では外来を休診し感染拡大防止策がとられている。学校の休業により子育てのため医療従事者が勤務できない場合も考えられ、小学校低学年の子どもの適切な保育環境が整わない場合、学校で預かる要請を行い、併せて、放課後児童クラブの開所要請を行っている。
 医療機関によっては、医療従事者の不足に備え緊急を要さない患者の受入れや退院患者の再来院時期を延長するなどを検討しているところもあり、現在、医療機関に対し、学校の休業による診療継続の影響と対応の調査を行っている。

○学校の臨時休業に当たっての検討過程について
 学校の休業について、2月27日の国の表明後、県の対策本部でどの様な議論をし、何時に結論を出し、通知を何時に発出したのか、時系列で回答を求める。
【知事答弁】先月27日夕刻の内閣総理大臣の表明を受け、直ちに関係課で臨時休業にあたっての手順や事務手続き、社会的影響と対策など予想される事項の検討を始めた。翌28日に学校の休業の案を取りまとめたので、11時過ぎに「福岡県新型コロナウイルス感染症対策本部」を開催し、12時頃対策を決定、14時30分頃通知を発出した。
 
○学校の臨時休業に当たっての対策本部での議論と判断について
 学校の臨時休業について、対策本部では具体的にどの様な議論が行われ、どの様な事実・理由によって臨時休業を行う判断を決定したのか、対策本部長の知事に問う。
【知事答弁】学校の一斉臨時休業を要請する方針は、子どもたちの健康・安全を守るために、内閣総理大臣が重い決断をされたものと受け止め、本県でも、3月2日から春休みまで期間、県立学校で臨時休業を行うこと及び市町村教育委員会や私立学校設置者に対しても同様の措置の要請を決定した。
 決定にあたり休業による影響が想定される事項とその軽減策について検討を行った。例えば、共働き家庭や障がいのある児童生徒を持つ家庭へどのような対策が必要か、また、仕事を持つ保護者が仕事を休みやすくするにはどうすべきかなどを検討した。
 その結果、放課後児童クラブや放課後等デイサービス事業所に開所や開所時間の延長の要請を決定。それでもなお適切な受入れ環境が整わない児童生徒は、学校で受け入れること、併せて、民間事業者に対し、休みがとりやすい環境を整えていただくことや、子どもを持つ保護者への配慮をお願いすることを決定した。引き続き、児童生徒や保護者等が抱える不安を解消しながらこの臨時休業に取り組んでまいる。

一、県政推進の基本姿勢について

2.新年度予算と県政運営方針について

○来年度の目玉となる予算について
 地方分権一括法施行から20年目となる来年度の本県独自の目玉施策は何か、その施策に取り組む理由も併せて問う。
【知事答弁】令和2年度当初予算では、「豪雨災害の復旧・復興、防災減災」を加速するとともに、誰もが住み慣れたところで「働く」「暮らす」「育てる」ことができる地域社会づくりに取り組む。
 目玉施策として、①朝倉地域の営農の産地復興のため、被災者と地域外からの新たな担い手に対する支援、②宿泊税を活用し、宿泊施設整備支援と、市町村が実情を踏まえた観光振興策への交付金の交付による県全体の観光の底上げ、③アスリートの計画的・継続的な育成・強化と大規模スポーツ大会の誘致・開催に取り組むための基金の創設、④起業家養成の動きが活発化しており、ベンチャービジネス支援協議会のプラットフォーム機能の強化、⑤農林水産業を「稼げる、魅力ある産業」にしていくため、「福岡の八女茶」ロゴマークを活用したPRのほか新品種の技術開発など一層のブランド力強化、⑥虐待対応件数の増加等に対応するための児童相談所の体制強化、を行う。

○防災・減災を強化するため来年度重点的に進める公共事業について
 記録的な豪雨や台風による自然災害に対し、強い県土を整備し、県民生活の安全・安心と経済活動を支える一層の防災・減災対策を強化するための重点的に進める公共事業を問う。
【知事答弁】平成29年7月の九州北部豪雨災害以来、3年連続で災害を受けた。道路、河川、砂防ダム、農地、農業用施設など、原形復旧のみならず、河道の拡幅、橋梁の架替、ため池の洪水吐の改良など改良復旧を併せて行っており、復旧・復興に全力をあげる。
 また、激甚化する大雨による被害の軽減・防止を図るため、河道掘削や築堤などの河川整備や防災重点ため池の整備、土砂災害を防ぐための砂防施設の整備などを、重点的に進める。今後とも、「安全、安心で災害に強い福岡県」の実現に取り組んでいく。

○「地方自治の本旨」と「圏域単位での行政のスタンダード化」について
 憲法上保証された地方自治の本旨である団体自治、及び住民自治をどう認識しているか。また、これに反すると思われる「圏域単位での行政のスタンダード化」への見解を問う。
【知事答弁】憲法に規定される「地方自治の本旨」は、地域行政は住民自身の責任と決定で行う「住民自治」、それを実行する地方自治体の自主性、自立性が発揮できるようにする「団体自治」、この二つを保障するものと理解している。
 「圏域単位での行政のスタンダード化」は、総務大臣が設置した「自治体戦略2040構想研究会」が、2040年頃の人口減少・少子高齢化に向け、持続可能な行政サービスの実現の議論を活発化させようと提言したものである。
 地方自治体の連携の議論は、現在、第32次地方制度調査会に審議の場に移されているが、広域連携は各自治体の自主性、自立性を尊重すべきで、「住民自治」、「団体自治」という「地方自治の本旨」に則って行われるべきである。

○都道府県と市町村の関係と「二層制の柔軟化」について
 都道府県と市町村の関係はどうあるべきと考えているか。また、「都道府県・市町村の二層制の柔軟化」をどう理解し、認識しているかを問う。
【知事答弁】都道府県には、広域的な事務への対応に加え補完機能や広域調整機能が求められる。具体的には市町村を補完・支援するため、①職員による技術支援、専門職員の共同研修や共同採用試験の実施、事務の共同執行等の柔軟な連携を進めること、②市町村の自主性・自立性を尊重しつつ市町村間の連携を支援することが必要である。
 本県では、これまで、個人住民税徴収の共同処理、税務職員の合同専門研修、昨年4月の田川1市3町水道事業の経営統合に対する支援、また、今年4月には、大牟田市保健所の業務を引き受ける予定。
 「自治体戦略2040」の「都道府県・市町村の二層制の柔軟化」において、「大都市等を中心とした圏域の行政は、大都市等による市町村間連携にゆだね、小規模市町村による圏域の行政は、県が補完する」などの方向性が示されたが、県内の全区域に責任を有する広域自治体である県としては、市町村の規模や、核となる都市の有無にかかわりなく、冒頭に述べた都道府県の役割・機能を果たす必要がある。

○「自治体戦略2040」に対する見解や対処について
 自治体のあり方に関する審議は、自治体の意見を慎重に拾い拙速に結論を出すべきではないと考えるが、「自治体戦略2040」に対し、どの様な見解を持ち、どう対処するつもりか問う。
【知事答弁】自治体の連携の在り方についての私の立場は、前の答弁のとおりであり、地方制度調査会における今後の議論を注視し、必要に応じ、全国知事会をはじめ他の関係団体と連携しながら地方制度調査会に対し意見を述べてまいる。

一、県政推進の基本姿勢について

3.豪雨災害からの復旧・復興と今後の対応について

○赤谷川、乙石川などの復旧について
 国の権限代行で進められている応急的な河道確保は完了し、本復旧に昨年11月着手したと聞く。一日でも早く本復旧が完了するように取り組むべきだが、見解を問う。
【知事答弁】応急的な河道確保は完了し、令和元年11月から改良復旧工事に着手、令和3年度末の完成を目指しており、県議会とともに国に対し必要な予算措置を要望している。
 また、円滑な事業進捗を図るため、工事の地元説明会において、国と一緒に丁寧な説明に努め、河川工事に伴う用水路や水道管の移設調整などを取り組んでいる。今後とも、赤谷川、乙石川などの改良復旧工事の早期完成を図れるよう取り組んでまいる。

○長期避難世帯認定の解除について
 朝倉市は今年度末をめどに、県に対して長期避難世帯認定の解除を求める方針を決めている。長期避難世帯の解除に関する考えを問う。
【知事答弁】長期避難世帯とは、自然災害による危険な状況などで住宅が居住不能となり、かつ、その状態が長期になると見込まれる場合、国と協議の上、県が認定する。朝倉市の一部地域では、平成29年の発災後も、大雨等の警報が発令されると直ちに避難勧告が発令される状況が継続し、また、河川、砂防等の災害復旧工事が長期間続く見込みであったため、平成30年10月に認定を行った。
 昨年12月に、朝倉市から認定の解除申請の検討を進めたいとの相談があり、県は、申請に必要な手続きの助言を行った。認定解除には、住民の生命、身体の安全の確保が前提であり、申請があった場合には、災害復旧工事の状況、安全性に関する専門家の意見、住民の意向等の確認し、その上で、国と協議を行い、認定解除の判断を行う。

○JR日田彦山線沿線の振興策にかかる町村長との協議について
 12月議会で復旧方針を質した際、沿線地域の実情に応じた振興策も添田町長、東峰村長と協議を行うと答弁されたが、いつどの様な話し合いが行ったのか、具体的に説明願う。
【知事答弁】先の復旧会議では、JR九州から、①停留所の増設、②バリアフリー車両の導入、③ロケーションシステムの導入や使いやすいダイヤ設定、④鉄道跡地の利活用案、など地域振興につながる内容を含む新たなBRTでの復旧案が提案された。
 この会議を受け、添田町では住民とJR九州の意見交換が行われており、東峰村では復旧会議の結果を村民に伝える予定と聞いている。沿線地域の振興策は、このような意見交換を積み重ね、その結果も踏まえて、今後、添田町長や東峰村長と協議を行っていく。

○JR日田彦山線の復旧に対する考え方について
 第5回日田彦山線復旧会議での知事の発言はBRTありきの発言と思われる。鉄道での復旧に対する見解を問う。また、関係自治体の意見を聞き、3月末までに結論を出すとされているが、いつ意見を聞き、いつ県民に結論を伝えるのか、それまでのプロセスも問う。
【知事答弁】平成29年7月の発災直後、鉄道復旧を願う住民の思いを受け止め、地元の県議会議員、沿線の町村長とJR九州本社に鉄道による早期復旧を要請した。また、平成30年10月には、関係自治体に呼び掛け、一緒に国土交通省事務次官・鉄道局長に路線の維持に向けた指導を要請した。更に、JR九州が運行経費に係る自治体の財政支援を求めてきた際には、青柳社長と面談して地域の思いを伝えた。このほか、政府・与党に日田彦山線の早期復旧を県議会とともに要望してきた。
 こうした中、昨年4月の復旧会議で、JR九州から財政支援を含む1億6千万円の収支改善が必要とした鉄道復旧案の他、新たに、BRTや路線バスによる復旧案の提示があり、地域の意見を聞くことになった。その地域での意見交換を経て、2月12日の復旧会議では次の3点が確認された。①鉄道復旧のためには財政支援を含む年間1億6千万円の収支改善が必要なことをJR九州が地元に引き続き説明に努める、②JR九州からの新たな復旧案をJR九州がブラッシュアップし次回の復旧会議で議論する、③3月末までに復旧会議を開催し復旧方針の合意を目指す。
 私は、地域にとって最善の方法は何かと考えながら、取り組んできたが、今日まで、復旧方針の決定に至っておらず、申し訳なく思っている。
 現在、添田町では住民とJR九州の意見交換が行われ、東峰村では復旧会議の結果を村民に伝える予定と聞いている。こうした意見交換を積み重ね、その結果も踏まえ、被災前と比べ、①運行本数や乗降可能な場所と数、バリアフリー化など利便性の向上、②交通ネットワークが継続できるか、③観光や地域の振興につながるか、という観点から検討し、添田町・東峰村両首長と協議をし、年度内に復旧の方向性について決断してまいりたい。

一、県政推進の基本姿勢について

4.県有施設における災害時避難所のあり方について

○県立学校における避難所指定の現状、及び被災者受入れ訓練の実施状況について
 県立高校、特別支援学校などの県立学校において、指定避難所に指定されている施設の現状、及びこれらの指定避難所における被災者受入れのための訓練や食料備蓄の状況を問う。
【知事答弁】現在、35市町で県立学校115校のうち86校が避難所に指定されている。食料などの備蓄は、市町村が備蓄場所や数量・品目などを決め、県立学校を避難所として指定している35市町のうち3市が県立学校の敷地内に備蓄している。残りの市町では、庁舎などに備蓄しており、災害時には、避難所に持ち込むこととしている。
 避難所を使った被災者受入れの訓練は、市町村防災担当課長会議などの場を通じて呼びかけている。市町村は、まずは使用する可能性が高い公民館や小中学校での訓練を実施している。このため、県立学校を使った訓練は行われていないが、今後、市町村から県立学校を訓練に使用したいとの申し出があれば、県として当然、協力してまいる。

○県有施設の避難所指定について
 避難所として活用可能な県有施設については、できる限り活用されるよう避難所指定権限を有する市町村に情報提供や連携の強化を図るべき。認識と今後の取り組みを問う。
【知事答弁】市町村の避難所確保を支援するため、平成24年12月に県有施設の避難所指定手続きを定め、協定書のひな形や避難所として活用可能な142の県有施設の一覧を提供している。市町村から避難所指定したいとあった場合は、この手続きに則り、原則承認する。現在、35市町から県立学校やクローバープラザなど90施設が避難所に指定されており、今後も県有施設の避難所指定が円滑に行われるよう、市町村に協力していく。

○避難所におけるよう配慮者に対応できる受け入れ体制の構築について
 今後の高齢化の進展や熊本地震の教訓を生かし、どの避難所でも障がい者や高齢者など要配慮者に対応できる受入体制を速やかに構築すべき。見解と今後の取り組みを問う。
【知事答弁】災害時に配慮を要する方は福祉避難所に避難することとされているが、その暇(いとま)がない場合、近隣の避難所に一時的に避難することとなる。このため、県は、要配慮者の避難所への受入れも想定した「福岡県避難所運営マニュアル作成指針」を策定し、福祉避難スペースの確保や情報提供の工夫など避難所運営のあり方を示し、市町村に対して、これを参考にマニュアル作成を要請するとともに、避難所運営の研修や訓練も行っている。

5.新・県立美術館について

○建設地の選定理由について
 建設予定地は、選定委員会の報告書に選定理由が記載されているが、最初から福岡市内という結論があったのではないかとも思える。改めて大濠公園を選定した理由を問う。
【知事答弁】建設地の選定にあたっては、有識者による選定委員会を設置し、新県立美術館に必要な敷地面積を確保できる県有地及び国有地等を県内全域からピックアップし、調査検討を行っていただいた。この中から、平成29年の「新福岡県立美術館基本構想検討委員会報告」での、①交通至便で人が集まりやすいこと、②他の文化施設等との連携による相乗効果を生み出すこと、③内外の人々に対する福岡の魅力が倍増できること、の3要件を満たす7候補地の比較検討が行われた。その結果、望ましい建設地として大濠公園南側の用地が選定された。
 県では、選定委員会の意見を踏まえ、総合的な検討を行った。大濠公園は、交通至便で、都市公園として高い知名度を有している。また、福岡市美術館と近接することで全国有数の美術館エリアが誕生し、更には、大濠公園の日本庭園も活かした美術館にすることができ、国内外から観光客が訪れる大濠公園の魅力が増し、セントラルパークとしての機能と魅力を一層高めることができると考え、建設地として決定したもの。

○福岡市美術館との連携について
 今まで市の美術館とどの様な連携を取ってきたのか。また、新美術館設置後、連携が可能となる内容、発揮できる相乗効果な何か。また、この連携は市と事前協議しているのか問う。
【知事答弁】県立美術館は、福岡市美術館と企画展の共同開催、市内の美術館、博物館等を巡るスタンプラリーといった共同イベントの実施、収蔵作品の相互貸借などを行ってきた。選定委員からは、県と市の美術館が近接することで利用者数の増加などの効果が期待できる共通観覧券の発行、2つの美術館を活用した大規模美術展の開催など具体的な連携方策をいただいた。来年度から始める新県立美術館の基本計画の策定の中で、福岡市と2つの美術館の具体的な連携方策についても協議していく。

○福岡武道館について
 福岡武道館の建替え計画はどうなっているのか。いつ、どこに建替えを検討しているのか問う。
【知事答弁】福岡武道館は、県警察の訓練のほか、県民の柔道、剣道などの練習や試合の会場として利用される重要な施設であり、代替施設を確保していく必要がある。このため、新福岡武道館の整備に向け、県民や県警察の利用実態を踏まえながら、施設を所管する県警察と協議を進め、立地場所を含め早急に検討してまいる。

○現県立美術館について
 現美術館を現在地に残すと知事が発表した翌日、高島市長が、県立美術館は無くなるものとして須崎公園の再整備を進めている、旨発言した。現美術館は具体的にどの様な利用を想定しているのか、市と事前調整は出来ていたのか。出来ていないなら何故しなかったのか。
【知事答弁】福岡市からは、須崎公園に新たな文化施設の基本計画を策定するにあたり、「県立美術館が現地で存続することを前提に検討を進める」との説明を平成28年2月に受けた。また、平成29年12月の市議会に報告された須崎公園の再整備方針では、新たな文化施設と県立美術館との連携強化が明記されている。平成28年2月以降、福岡市からの説明は無く、新聞報道では、福岡市は「県立美術館の建物が無くなることを前提に須崎公園の再整備を進めている」と主張されているようだが、その意図をはかりかねている。
 現県立美術館は、集客力を誇る天神地区に立地し、長年県民に親しまれてきた文化施設としての蓄積もある。選定委員会からは、子どもや高齢者、障がいのある人、若手作家など様々な人々が芸術活動を行う交流の場として活用するなどの意見をいただいた。この意見も参考に、現県立美術館の建物を今後も活用することとした。具体的な活用方策については、新県立美術館の基本計画を策定する中で検討していく。

一、県政推進の基本姿勢について

6.本県職員採用における就職氷河期世代の支援と県職員の再雇用について

○就職氷河期世代を対象とした職員採用試験について
 本県採用試験において、通常採用枠とは別枠で就職氷河期世代を対象とした特別枠を設けるつもりはあるのか問う。
【知事答弁】国は、昨年6月に閣議決定した「骨太の方針」において「就職氷河期世代」の正規雇用を来年度から3年間で30万人増やす目標を掲げ、12月には全国の自治体に対し、当該世代の積極的な採用を求める要請がなされた。内閣府や厚生労働省、一部の自治体は、今年度、採用試験を既に実施している。本県もこうした国の動きや他の自治体の状況を踏まえながら「就職氷河期世代」を対象とした職員採用試験を来年度から実施できるよう具体的な検討を進めている。

○公務員経験者を対象とした職員採用試験について
 結婚や介護等で退職した職員は、キャリアを積んだ優秀な職員であっても改めて県職員の採用試験を受けることが出来ない。県職員の再雇用の機会を確保するために、民間企業での経験がある者の採用と同様の公務員経験者枠を設けるべきと考えるが、考えを問う。
【知事答弁】現在、結婚や介護等を理由に退職した本県職員は、採用試験の対象としていない。しかしながら、本県職員に限らず、公務員経験者の採用は、即戦力人材の確保につながるものと考えている。本県では、平成14年度から、民間企業等経験者の採用試験を毎年実施しており、試験の対象者に公務員経験者を含める検討を進めている。

一、児童虐待への対応について

○児童相談所の児童福祉司の配置等について
 現場の、1)児童福祉司の配置基準から管理職を除く、2)全児童相談所に警察官又はOBを配置、3)相談対応時間の確保のため事務職員を配置、という声にどう対応するのか問う。
【知事答弁】児童福祉司の国の配置基準は、相談課長などを含めており、本県は、経過措置の期限である令和4年度までに、この基準を踏まえた40名程度の増員を図る。
 警察官は、福岡児童相談所に配置している1名が久留米及び大牟田児童相談所を、田川児童相談所に配置している1名が宗像及び京築児童相談所を各々兼務し、全児童相談所での保護者の威圧的な要求等に対応している。近年、児童虐待対応件数が増加しており、その状況を踏まえ増員の検討を行っている。
 また、庶務や財務会計等の事務についても、現在、相談課の業務としているが、児童福祉司が相談業務に十分対応できるよう体制の整備について検討を進めている。

○市町村の児童虐待対応体制の整備について
 市町村が虐待の状況をいち早く察知し、児童相談所に通告する体制、児童が家庭に戻った場合に見守りを行う体制の整備をどの様に進めていくのか問う。
【知事答弁】平成28年の児童福祉法改正により、市町村は、虐待の疑いのある子どもの緊急な安全確認や要保護児童地域対策協議会で見守りの対象となった子どもへの継続的な家庭訪問等を行う「子ども家庭総合支援拠点」の整備に努めることとされた。
 平成30年12月に、国は「児童虐待防止対策体制総合強化プラン」を策定し、令和4年度までに全市町村での設置を目標とした。これまで、市町村職員が出席する会議、研修の場等で設置を働きかけてきたが、現在、設置は8市に留まる。市町村の拠点設置にあたっては組織改編や財源確保という課題がある。そのような中、国は運営費の補助金に加え、今年度から開設経費の補助金の新設や人件費に係る交付税措置の拡充など財政的な支援が追加した。このため、県としては、拠点設置の意義、役割の説明、先駆的な市町村の取組みの紹介に加え、新たな国の支援制度の活用を促し、早期設置を働きかけていく。

一、教育現場の変形労働時間制実施に対応した業務削減について

○教員の労働時間の実態把握について
 県立学校でのICカードによる労働時間把握について、管理職の指示により記録上だけ労働時間を短くしているという現場の声がある。教育長はこれをどう認識しているか。また認識していればどうするのか問う。
【教育長答弁】勤務時間の正確な把握は、長時間勤務改善の前提であり、機会あるごとに適正な記録を行うよう指導してきた。一方で、一部の教員からは、実際より短く勤務時間を記録している者がいるとの声も寄せられている。
 数字の上だけの勤務時間縮減は、働き方改革の趣旨にそぐわず、今後も、正確な勤務時間の記録の徹底を図るとともに、万一、不適正が判明した場合、個別に指導する。

○学力検査の自校採点の目的等について
 学力検査の自校採点は一体何のために行っているのか。又これを実施している都道府県は全国でいくつあるのか、教育長に問う。
【教育長答弁】自校採点は、各学校が子供達の課題やつまずきを早期に把握して指導改善ができるという観点から、国において学力向上の取組み事例として紹介されており、本県においても、各学校が自校の指導改善を図るために行われている。
 全ての都道府県の状況は把握していないが、学力向上の取組みとして行われている県もあると聞いている。

○自校採点の廃止について
 自校採点は廃止すべきと考えるが、教育長の見解を問う。
【教育長答弁】本県では、平成30年度から自校採点のWEBへの入力(集計)を取り止めるなど負担軽減に努めてきた。今後とも、教員の子供達に向き合う時間が確保されるよう、他の業務も含めて各学校での業務改善の促進について検討してまいりたい。

○新任教諭の離職率に対する見解について
 新聞記事では、教師にとって研修が大きな負担となって、福岡県は九州でも離職率が最も高いことが明らかになった。教育長はその理由をどの様に考えているのか問う。
【教育長答弁】近年、採用者数を大幅に増やした結果、採用者の中には学校現場になじめず教職に向かないと辞職する者も存在し、離職率の高さにつながっていると考えている。なお、初任者が抱える負担感や多忙感を和らげるため、メンタルヘルス相談体制の充実に取り組むとともに、採用後の円滑な教員生活のため採用前セミナーを実施している。

○研修会や研究会の精査について
 今後、校内研修や強化等研究会等を精査する必要があると考えるが、教育長の見解を問う。
【教育長答弁】県が計画・実施する教員研修については、本年度から新たな研修体系で実施しており、従来の初任者研修を若年教員研修として採用後3年間に内容の分散をしたり、研修回数や校外研修のスリム化など、教員の負担軽減を図っている。また、校内研修会等は、各学校等の自主的な活動であるが、各市町村教育委員会や校内研修担当者に対して、内容等を工夫、精選して実施するよう指導している。

○小学校英語専科教員の採用について
 小学校においてまずは英語の授業を行う専科教員の採用が必要である。当面は、学校を巡回して指導するという方法も考えられるが、県教育委員会の方針を問う。
【教育長答弁】英語教育の教科化に伴い、専科指導教員など一定の英語力を有する教員の確保が重要となっている。このため小学校教員採用試験において、平成30年度から英語有資格者の採用枠を設定するとともに、今年度から英語有資格者に対する加点制度を導入した。また、現在27市町村で、兼務発令した英語専科指導教員が複数の学校で指導を行うなど効果的な活用を図っている。今後も、一定の英語力を有する小学校教員の採用を進めるとともに、地域の実情に応じた英語専科指導教員の効果的な配置に努める。

一、京都郡のインフラ問題について

○新仲哀トンネルから東九州自動車道行橋インターチェンジまでの四車線化について
 新仲哀トンネルから二車線となるため、みやこ町に入ると渋滞となり、また勝山新町交差点も恒常的に渋滞している。新仲哀トンネルから行橋インターまでの四車線化が急務と考えるが、必要性に対する認識と、今まで、及び今後の取り組みを問う。
【知事答弁】国道201号は延長約90キロメートルの幹線道路で、新仲哀トンネルから東九州自動車道行橋インターの区間は京築・筑豊地域の産業の振興や地域間の連携、更に勝山新町交差点の渋滞対策といった観点から早期四車線化が必要と認識。
 県は県議会とともに国に早期四車線化を働きかけてきた。その結果、国において今年度、地域の皆様の意見を聞き、今後、概略ルートや構造等を検討すると聞いている。

○新松山臨海工業団地の新たな造成地への企業誘致について
 県が造成事業を行っているこの地域は、周防灘における産業集積の中心的役割を果たしており、既にほぼ全部売却済み。現在の造成地への企業誘致について基本的な考え方を問う。
【知事答弁】新松山臨海工業団地は令和4年度の分譲開始を目指し約31ヘクタールの造成を行っている。当団地は半径5km圏内に東九州自動車道、苅田港、北九州空港を擁した陸海空の交通結節点という好立地にあり、北九州空港には昨年11月に大韓航空の定期貨物便が就航するなど、高い優位性を持つ工業団地である。
 国内回帰をはじめとする企業の設備投資の動向を注視しつつ、その高い立地優位性を積極的にPRし、企業誘致に取り組んでいく。

○新たな造成地に誘致する企業への工業用水の供給方針について
 新松山工業団地には企業局が企業誘致に不可欠な工業用水を供給しているが、豪業用水の不足を危惧する。新たな造成地に誘致する企業への工業用水の供給方針を問う。
【知事答弁】苅田地区では、県企業局において臨海部の企業20社に対し日量平均1万6千m3の工業用水を供給している。水源の今川からは日量5万m3程度の取水が可能。水位低下で取水が困難な場合、企業局専用の「殿川ダム」から配水するほか、昨年7月には、北九州市と「渇水時応援給水協定」を締結した。県としては、水の再利用など水資源の有効活用も進め、誘致企業、地区全体の工業用水の安定供給に努めておく。

○北九州空港の利便性向上と災害対策のためのアクセス確保について
 異常気象や大型台風等で大規模災害が各地に発生しており、空港利用者の利便性向上に加え、災害対応のためにもアクセスの複数化が不可欠。二つ目のアクセス確保について問う。
【知事答弁】一昨年の台風21号の関西空港の被災等を踏まえ、国は全国主要空港での大規模自然災害の対策の方向性や緊急に着手すべき課題を公表した。
 北九州空港では大規模自然災害時の「北九州空港業務継続計画」が策定され、連絡橋が通行できない場合のヘリ・船舶による空港島外への退避、通行不能の長期化が想定される際の船舶による代替アクセスの検討等が盛り込まれている。
 二つ目のアクセスの確保は多額の事業費が必要なことから、現在のアクセス道路の利用状況や今後の空港利用者の需要動向等を踏まえ費用対効果や事業採算性を見極めていく必要がある。北九州空港の旅客数は179万人で新たなアクセスが必要な状況になく、当面は空港の利用促進が必要。このため今年度から3年間を「ネットワーク充実強化期間」とし路線誘致に取り組み、利用者の拡大を図る。


民主県政クラブ県議団とは

立憲民主党14名、国民民主党2名、社民党1名、無所属3名で構成する総勢20名が所属する会派です。

県議会の会派の中で最も女性議員が多く、8名の女性議員が活躍しています。

第2会派として、格差をなくし誰もが活躍できる社会・ジェンダー平等社会の実現のため、地域の皆様のお声を最大限県政に反映できるよう一丸となり取り組んでおります。活動の内容をこのホームページで随時ご紹介していきます。

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